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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
第1章 地球・生まれ故郷編
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序章 世界の変革

何となく思いついた設定のお話です。


とりあえず序章だけ掲載して、続けるのは少し先の予定です。

迫り来る怪物の牙を呆然と眺めながら、俺はこの星が変わってしまった日のことを思い出していた。




その日、突然世界に光が満ちた。

そして、全人類の脳内に直接声が響いた。


「神託はなされた。この星の住人達よ、抗い、生き抜きなさい。この星を守り抜くのです」


全く意味が分からない。新手のイタズラか?周りも、直接響いた声に驚いてはいたが、よくわかってないようだ。


そして、人類が動き始めた瞬間



空が、大地が、海が、山が、ビルが割れた。

そして、その割れ目から魔獣がこの星に現れた。


最初は誰も動けなかった。それも仕方の無い事だろう。何が起こったのか、理解しきれていないのだから。


呆然と立ち尽くす人間を視界に捉えた魔獣は、次の瞬間、人間を喰らっていた。血が飛び散り、周囲の人に血が付く。そこで、やっと理解出来たのだろう。いや、理解出来てはいなかったのかも知れない。本能が命の危機を察し、体を動かしたのかもしれない。だとしても、人々は一目散に逃げ出した。しかし、魔獣は1体では無い。複数体現れたのだ。


蜥蜴の様に4本足で歩行するタイプ、蛇の様に地を這うタイプ、ティラノサウルスの様に歩行するタイプ、海ではサメをそのまま巨大化させたタイプ、空には翼を以て羽ばたくタイプの魔獣が、世界各地に出現。人々を喰らい始めた。

各国首脳陣はこの事態に、自国の防衛戦力を即時投入。魔獣の排除に動き出した。


しかし、現代兵器の殆どは、魔獣を倒すどころか、ダメージを与えることすら不可能だった。

防衛戦力は壊滅。結果、数日のうちに、世界に魔獣が蔓延る事となった。このままこの星が滅びると思われ始めた中、日本で状況が変わった。

元から、そういった文化が発展していたからなのかは不明だが、魔獣を討伐したのだ。

『神託』の言葉を聞いて、色々考えた者が発見した、自身への変化。


名前 ???? Lv1

体力2000

攻撃力1000

防御力1000

瞬発力200

判断力100

幸運100


これが一般人に発現した平均的なステータス。

これが、ネットで共有されたことによって日本では、アニメや漫画の知識を活かして活動が始まった。

情報を共有していくうちに明らかになった事だが、ステータスはその人の職によって変わってくる。

例えば、力士やボクサー、プロレスラー等、力のぶつかり合いをする人達は、攻撃力が高かったり、防御力、体力が高かい。

自衛隊(陸海空)に所属する人は、判断力、瞬発力、攻撃力、防御力が高い。

消防隊や警察、政治家なんかは、瞬発力、判断力、体力が高い。

その他にも、職業によってステータスには様々な違いが発見された。


そして、それが世界各国に共有される頃、日本では新たな動きがあった。

1つ、ギルドが設立され、複数のギルドが誕生したこと。

2つ、ランキングシステムの導入。独自の監視システムと索敵AIによって、討伐者とその数等を月1で表示するシステム。

3つ、対魔獣兵器の開発。現代兵器は通用しなかったが、過去、数世代前の兵器なら通用することが分かった。つまり、第一次世界大戦、第二次世界大戦に活躍した兵器がもう一度猛威を奮う時代になったということ。

4つ、Lv上限の発見と突破方法。 初期Lvの上限が40ということ、更にそれを上げるために、魔獣を20体討伐することが条件。


ギルドが幾つも誕生したが、競争が激しい訳ではなく、お互いに協力している。

ランキングシステムの導入により、上位500位には特権(それ程強くはない)が与えられることから、国民のやる気にも繋がっている。

対魔獣兵器は、日本の技術力が大いに発揮される事となった。第二次世界大戦に登場した艦船が蘇り、各国から恐れられた零戦が蘇り、震電、雷電、秋水、天山、彗星、その他の機体も量産された。その中でも、世界各国の注目を集めたのはやはり大和だ。設計段階で断念した艦船や戦車、戦闘機(艦爆、艦攻等含む)が実現されたにもかかわらずだ。

Lv上限が見つかり、突破方法も見つかったことにより、多くの国民がそれを行った。結果、現状の最高Lvは70。陸上自衛隊所属でステータスが

体力7600

攻撃力6200

防御力6200

瞬発力980

判断力1000

幸運640


使用武器だが、多くの人は刀や剣といった近接武器を使っている。この人も刀を使っている。

武器についてだが、神託のおかげなのか、どんな武器であっても直ぐに使いこなせることが出来た。それこそ、魔獣には通用しないが、デザートイーグルの2丁持ちなんかも可能だ。

そうして、世界各国が魔獣の対処に慣れ、このままなら余裕、と思われた時に奴らが現れた。

今までの魔獣より、知性を持ち、力も増し、殲滅力も増した凶悪な魔獣が。最高Lvの人も命からがらにして討伐出来た程だ。もちろんソロ討伐ではなく、ギルドで挑んだ結果だ。死傷者26人、重傷者14人、軽傷者0人、行方不明者16人。これにより、最強ギルドの一角がついえた。

回復魔法や再生魔法により、重傷者は全員別ギルドで復帰を果たしているが、全員が心に大きな傷を負った。


その一報が日本全土に知れ渡った翌日、惨劇は起きた。東京、大阪、北海道、沖縄、愛知、青森の6県に同時に上位魔獣が出現した。その数凡そ42体。すぐさま国とギルドが連携して、対処に当たった。隣接する県のギルドへの救援要請、駐屯地に待機する遊撃部隊への出撃要請、その他にもできることを全て行った。結果、東京を除く5県は被害を抑えることができたが、東京だけは壊滅した。各県に7体ずつ出現した魔獣が一斉に東京に転移してきたのだ。

その情報がもたらされた時には既に遅く、蹂躙が始まっていた。東京に拠点を置くギルドは壊滅寸前、更には救援により駆けつけたギルドも軍も壊滅寸前。そこには俺も駆けつけていた。



頭の中を色々な記憶が蘇り、俺は実感した。これから、自分が死ぬということを。


そして、喰われる直前、願った。好きな人を、家族を、守りたいものを守れる力が欲しかったと。力を得てから、初めて力を欲した。今願っても遅いとわかっていても、願わずにいられなかった。


だが、その願いは遅くはなかった。


途端、世界に光が満ち、何時かの声が響いた。


「正しく欲し、正しく願うものよ、ならば見せてみよ。その願いが本物であるなら」


その言葉を残し、光は消えた。


その言葉の意味を理解出来たものは1人だけ。

その者の目の前には


その願いの為に力を振るいますか?

その力が例え、世界を支配できるものだとしても。



その問いに彼は迷わず、はい、と答え、そこで意識は途切れた。




倒れる彼を暖かな白と全てを飲み込む黒の光が包み込む。

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