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ドラゴン、娘のおめかしにキュンキュンする。

試験的にタイトル変更をしました!!!

ブクマ外さないでください!!!!



元タイトル:ある日突然【パパ】になった最強ドラゴンの、ほのぼの子育て家族日記 ~クソ親に捨てられた幼女が可愛すぎて、うっかり人間界最強に育ててしまった~


 ミランダの街は、以前に訪れたときと変わらないにぎわいだった。

 色とりどりのコートを着たたくさんの人で賑わっていて、所狭しと並ぶお店はどこも忙しそう。そうして、誰もが浮ついている。



「わあ、すごいねぇ。パパ!」



 オリビアは、入学準備以来の繁華街に目を輝かせている。



「そうだね、オリビア。相変わらず、にぎやかな街だねぇ!」



 ほんとうに、相変わらずだ。

 変わったところと言えば。



「パパ、どうかな。似合うかな? オリビアのお洋服、変じゃない?」


「全っっ然変じゃないよ! むしろ、この町で一番の美人さんかもしれない」


「えへへ~っ。そっかな、そっかな」



 そう。

 変わったところといえば、オリビアがおめかしをしていることだった。

 普段はフローレンス女学院指定の黒いリボンで三つ編みにしている髪に、黄色いリボンが踊っている。

 きのう、クラウリアさんが『赤と黄色、どっちが好きですか?』とボクに聞いてきたのは、どうやらオリビアのお願いで行われたアンケートだったらしい。


 どういうことかというと、こんな話だ。

 ほわんほわんほわん、パパパパ~……って、これ魔王さんに習ったんだけど、合ってるかな。



***



 さあ、街へ出かけよう。

 そう思っていると、「お待たせ、パパ!」という声とともにおめかししたオリビアがあらわれた。


 ぽわん、とお花みたいに広がったスカートには刺繍がたっぷり。裾にも踊っているみたいなレースがたくさんついていた。つま先の丸くてツヤツヤしている靴に、靴下もまっしろでフリルや飾りがみっちり。そして髪には、お日様の光みたいに黄色いリボンが揺れている。



「お、オリビア……っ!?」


「えへへ、マレーディアお姉ちゃんが貸してくれたの」



 と、うれしそうに照れ笑いをするオリビア。



「どうしたの、パパ?」



 ボクはびっくりしてかたまってしまった。

 もう、石みたいになった。



「う、うん。すごく似合ってて、パパびっくりしちゃったよ……」



 普段は飾り気のない制服のローブや、飾りのないストンとした服ばかりを着ているオリビアだから、もう、破壊力がすごい。かわいさのパワーが半端じゃない。


 うちの子ったら、こんなに可愛いのポテンシャルを秘めていたなんて!

 普段から可愛いのに……もはやこれは、ニンゲンたち現れて以来の可愛さ。



「オリビアさん、ずっと魔王様の部屋の鏡の前で悩んでいらっしゃったんですよ」



 と、クラウリアさんはおかしそうに言った。

 ――というか、ボクは初耳だった。

 オリビア、魔王さんの部屋に入っていいことになっていたなんて。



「あうっ、余計なことを言うなクラウリア。ちょ、ちょっと我のナイスバディには小さいサイズを通販しちゃっただけだしっ! たまたまだしっ!」


「そうでしたね、マレーディア様。失礼いたしました」


「へ、部屋に入れていたのだって、オリビアが学校なんぞに行くからっ! 普段我が城を留守にしている分、特別にだなぁっ」


「えへへっ、ありがとう。マレーディアお姉ちゃんっ」


「ふふんっ、うむうむ。ありがたく思えよ。オリビアっ!」



 えっへんえへん、と胸をはって腰に手を当てている魔王さん。

 ちなみに、一緒に街に行く? って聞いてみたのだけれど。



「え、あぅっ……我は」


「今回は、私たちは遠慮することにしたのです」



 と、クラウリアさん。

 やっぱり魔王さん、外出は好きじゃないのかな。



「私たちは私たちで、久々にふたりでゆっくりしていますので」


「く、クラウリアっ」



 ぽぽぽ、と魔王さんのほっぺたが赤くなった。

 やっぱりふたりとも、いいコンビだな。親友ってかんじだ。


 そういうわけで、魔王さんコーディネイトで思いっきりおめかしをしたオリビアとボクのふたりっきりで街にお出かけをすることになったのだ。



***



「……とはいうものの、さて、どうしようかな」



 街で何をすればいいのか、ボクはいまいちイメージがつかない。

 近くの村で育児書や食べ物を買うくらいしか、お買い物というのをしたことがないのだ。



「オリビア、どこか行きたいところはあるかい?」


「うんっ、あのね、パパ……これ!」


「ん?」



 ななめがけしたポーチの中から、オリビアがメモを取り出した。

 何のメモだろう?


 みてみてっ、とボクの顔にずずいと近づけられたメモを読んでみると。



「えっと、おいしいメロンソーダのお店、可愛い洋服屋さんのお店、おすすめのかばん屋さん……」


「学校のお友達がね、ミランダの街に行くならオススメのお店があるよって教えてくれたの!」


「へえ!」



 ボクは、胸がきゅんとしてしまった。

 オリビア、お勉強や魔法の訓練だけじゃなくて、こんな楽しい話もしているんだ。

 このあいだ会ったクラスメイトの子たちも、とってもいい子たちだったもんなあ。



「あのね、ルビーちゃんのお店もミランダの街にあるから、遊びに行く約束をしてるんだ」


「そうなんだね」



 ルビーちゃん、というと特別選抜クラスのお友達だ。

 赤い髪と紅色の目で、本当にルビーみたいな女の子だったかな。

 たしか、宝石屋さんをしているんだよね。

 


「パパといっしょにお友達のお店に行くなんて、オリビアはじめて! 楽しみだなぁ~!」



 オリビアは石畳の道をスキップしながら進んでいく。


 ああ、オリビアを学校に通わせてよかった。

 将来、ニンゲンとして幸せに暮らすのに、お友達は大切だもの。



 さあ、今日は街でたくさん楽しいことをしようね。


 まずは、お洋服やさんで買い物をしたいんだと、オリビアがはしゃいだ声をあげた。

正解は、リボンの色のアンケートでした!!

今日からしばらく、ミランダの街でのお出かけ編が続きます。普段と違う場所での、パパとオリビアのほっこりストーリーをお楽しみください!!


いつもお読みいただき、ありがとうございます!

評価ポイントや感想、とても励みになっています。誤字報告もありがたいです。


「面白かった」


「ほっこり癒された!」


「続きが気になる!」


と少しでも思っていただけたら、ぜひぜひ、ブクマ・評価・感想(最新話一番下からできます)などでの応援、よろしくおねがいします。頑張るぞの気持ちになります!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトル変更後しか知りませんでしたが御英断だと思いますよ クソ親は気持ちわかりますけどいつまでも引きずるものではないですよね
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