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異世界転移のお詫びに嫁をもらいました ~スキルか嫁か決断するためにおっさんは神との約束の地へ向かう~  作者: うららぎ
始まりは別世界

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四話 回想:試行錯誤とその先へ



 ゴツン!


 叩かれたような衝撃を額に受けた。

 唐突な痛みに目が覚める。


「いたぁっ! え!?」


 目の前にあった岩に頭をぶつけたみたいだった。

 仰向けで浮いてる状態で潮の香りがする。

 未だに何も解決していない事を知らせてくれている。


 それよりも自分がまだ生きていた事に驚いた。

 てっきりあのまま沈んだと思ったのに、また浮いている。


「え、まだここにいたのか……」


 痛みで頭がはっきりしてきたけど、どこにも行けない状態は変わらない。

 海面が上がってきているせいで、息苦しくなってくる。

 普通に気持ち悪いけど、そんな事を言っていられないくらい息苦しい。


「嘘だろっ! またっ! ぶわっ! ブクブク……」


 全てが海水で覆われて息が吸えなくなる。

 その中で、しばらく我慢している。

 すると息ができるくらいまで海面が下がるから、急いで息を吸う。

 これが何度も何度も繰り返して起こる、地獄の時間が始まった。


 とにかく空気がないと、また同じ事になりかねない。

 まったく息ができなくなる間隔が長くなっていく。


 自分の中でこれ以上はまずいと警報が鳴る。

 海面が上がりきって、息ができなくなる。

 

「まずいまずい! 海面が下がる様子がまったくない!」


 どうすればいい。この前は何で助かったんだ。

 空気が欲しかった。ただ息ができないから空気を求めた。


 その後どうなった……。

 確か……身体中の血液が沸騰するような感じがして……。

 意識が無くなる寸前に……そう、目の前から海水が消えて……。


 あの時、空気が目の前に溢れてきたんだ。

 海水を押しのけて、息ができる空気が。


 どうやった? それすら覚えていなのに。



 ―――やったのかじゃない、やるんだ!



 自然と溺れた時と同じように行動を重ねる。


 手を伸ばして、空気を求める。

 己が欲するのは、明確な空気。


 見えないし形が無いのは分かっている。

 思い起こすのは、晴れた日の雲ひとつない大空。

 この息苦しさを一瞬で消せる新鮮な空気を。


 全身の血液が一つの事象を引き起こす。

 熱い。自分が沸騰して消えてしまうくらいに。


 ……いや、これは血じゃない。()()()()()()()()()


 今までこんなの感じた事なかったけど、()()が纏わりついている。


 それが()()本能が理解した。

 ()()()、空気を持ってきてくれたんだ。


 今度は()ることができた。

 自分の周りから空気が溢れかえり、海水が消えてなくなる。


 「息ができる!」そう思った瞬間に、俺は意識を失った。


 …………。


 ……。



     □     □     □



 ゴツン!


 また岩に頭をぶつけて目が覚めた。

 かなり気持ちが悪い。

 仰向けに海面に浮かんだまま、岩に頭をぶつけたようだ。

 

「いったあああ! あれ? またここ? うっぷ、ぎもぢ悪い……」


 頭が痛いし、気持ちが悪いし最悪だよ。

 もう既に頭一つ分くらいの高さしかスペースがない。

 つまり、また息ができなくなるってことだ。

 冗談じゃない。


「起きたら目の前が岩で、海面スレスレの繰り返しかぁ……でも、繰り返しの作業は慣れてるっ」


 気持ち悪さの中で、戻さないように大きく息を吸い込んだ。

 どういう事になっているか考えてみる。


「さっぱり分からない。大体、何で空気が出てくるんだろう」


 さっきは意識が無くなる前に、伸ばした両手から一気に空気があふれ出した。

 天井に手を付けると、ヒヤリとした感触と共に思い起こす。

 この狭い空間で空気が欲しいと。


 ……何も起きない。


 あの時はもっと血が熱くなった。

 身体全体を熱くして血液も熱くなるように、全身に力を入れてみる。


 ……何も変わらない。


 そんな事で出来たら誰でもできるよな。

 分かっている、分かっていますよ。


 目の前に迫っている岩を見る。

 さっき「出来た」事ができない焦りが急に心の中で大きくなった。


 同じ事をして、同じ事象が起きない限り、俺に次は無い。


「頼むよ! 空気出てくれよ! 出ろっ、出てくれよっ!」


 何度も念じるようにしても何も起こらない。

 それどころか少しずつ、少しずつと上がってくる海面。

 息苦しさと焦りでどうにかなってしまいそうだった。


「何でだよ! 同じ事しているじゃないか……」


 思わず口から、苛立つ気持ちが声に出てしまった。

 ……苛立ってもどうにもならない、考えるんだ。


 そもそも、俺が欲しかったのは空気だよ。

 形のない物だから普通に想像すると難しいけど、俺は見上げた時の雲ひとつな晴れ渡った空が一番に思い浮かんだ。


 これが欲しい物。


 次は熱だね、あれは全身が熱くなった。

 天井に付けた手を見てみる。


「手が熱かった。血が集まった……とは違うな。あの時に見えたのは……」


 強い日光に手をかざすと赤い血管が透けて見えるんだけどなぁ。

 じーっと手を見ても何も……ん?


 よく目を凝らして()ると、本当にうっすらと黒い靄みたいなのが見える。


 これ、気を失う直前に見たやつだ。

 もっと濃かった気がしたけど。

 あの時は必死だったから、そう見えたんだろうか。


 気が付けば、もう岩とキスするくらいの距離まで海面が上がっていた。


「偶然でも空気ができたんだ。自分でやったんだ、同じ事をすればいい」


 まずは雲一つない空を思い描く。

 問題は次だ。身体が熱くなる現象がよく分からない。


 全身に力を入れるのは絶対違う。

 確かに苦しくて力が入ったのかもしれないけどそうじゃないね。


 考えているうちに、息ができないくらいに海面が迫ってきた。

 息を思いっきり吸い込んで、完全に海の中に入る。


 岩の天井を押した手。

 血が流れている部分だけが赤色とは違う別の色が見える。

 これを一箇所に集めたらどうなるんだ。



 ……明確なイメージを強く形に描きながら集中してみる。



 予想外に黒い(もや)が手に集まってくる。

 黒い手袋をしているようになっていた。


「おおお? 何だこれ? どうしたらいいんだ、これ?」


 新しい発見と入れ替えに息苦しさが突然襲ってきた。

 

「これは本当にやばい! 息がっ! 苦しいっ!!」


 ブクブクと息を吐きながら、空気を求めるとまた意識を失った。



 …………。



 ……。



     □     □     □



 ゴツン!


 毎度のように岩に頭をぶつけて目が覚めた。

 気持ち悪い。ものすごく気持ちが悪い。

 酔いとは違う気がするぞ、この気持ち悪さは。


「うぇぇっ! ぎぼぢわるい……」


 あれから何十回も意識を失ったけど、気持ち悪さが増すばかりで何も解決しない。分かった事と言えば、アレをやると意識が無くなるってことだ。


 気分は最悪だけど、生きている現状を考えると軽いものだろう。


 おかげで、この黒い靄をある程度は扱えるようになった。

 きっかけは気絶する前に見えた、大量の黒い霧だった。


 アレをやると、どうしても気絶してしまうから、少しだけ出すように手に集中してやると靄が集まることが分かった。


 海面が上がってくるまで、やることも無い。

 黒い霧を出したり飛ばしたりと色々やってみたけど、これで何ができるという訳でもなかった。


 最初は二つ作ると気持ち悪くてそれ以上作れなかったけど、今は八個まで作れる。お手玉みたいにして遊ぶくらいしか出来ないんだよなぁ、これ。


「お手玉やってると落ち着いてくるなぁ」


 浮かびながら黒い玉を左から右へとぐるぐる移動させる。

 思い通りに動くから浮きながらでも楽々にできる。

 普通にお手玉するのは寝ながらでは無理だ。


 この黒い玉を体の中を通して足から出して蹴っ飛ばす。

 それを手に戻したりして色々やって気づいた事がある。


 腹の中でこの黒い玉をグルグル回していると体調が良くなってくる。

 正直、これは大発見だった。


 回せば回すほど身体の中に黒いのが貯まるような変な感じはするけど気分は悪くない。

 それで八個の黒い球を作れるようになっていた。


「この黒いの何なのかねぇ。うまく一つにならないんだよなぁ。うっぷ」


 はい、現実逃避しています!

 他にすることないし、また息ができなくなるまで海水が迫ってくるまで中途半端に時間があるし。

 こんな狭い縦穴に閉じ込められたような状態で外にも出られないし、何すればいいの。


「二つを一つにまとめようとすると―――」



 キィィィィーーーン!!!



 黒い玉が反発し合ってものすごい音を立てて消えてしまった。

 一度やって分かっているから耳を塞いでいる。


「ったく! これ耳塞いでいても頭に響くんだよなぁ。何か意地でも一つにしたくなってきた」


 ゆっくりやるとちょっと怖いんだよな。



 ギギギィィ……バチバチバチッ!!



 二つの黒い玉が触れ合う寸前までいくと、細い雷みたいなものが出てくる。その後で半分くらい重なり合うと更に黒い雷が狂ったようにあたりに飛び散る。


 当たっても全然痛くないし、すぐ消える。これが不思議なんだよな。


「これを完全に重ねてしまう所までくると―――」



 ギギギギィ、ギィィィィーーーン!!!

 バシュッッッ!!!



 ゆっくり重ねるほど最後の音も一段と甲高く耳障りな音になる。おまけに破裂して消えて最後まで迷惑な感じになって最悪だ。


 その後も色々試した結果、音が煩いだけで八個全部使ってしまった。

 この黒いの何だろうな。まだ出せるけどやめておくか。


 次回チャレンジしようかな。

 続けてやると気持ち悪くなるから、今はやめておく。


 浮かんだまま、両手で黒い靄を集めて手と手の間に線を創る。

 それを繋げて輪を作ると、指の間を通して……。

 無意識に一人あやとりをしている自分がいた。


 今までの事を色々思い返す余裕ができて、現状をようやく考える余裕ができた。

 いや、分かっていて、考えないようにしていた事があった。


「はぁ……。日本じゃないだろうって思っていたけど……こんな黒い球を出せたり、空気出したりって絶対にいる場所が違うってことだよな」


 あの狼に襲われた時は必死で分からなかったけど、森の中は見た事ないものが多かったし、海外かとも思ったけどそんなに早く移動できるわけがない。


 こんな苔だけでここまで明るいってのも見た事がない。見た事ないものがあまりにも多すぎる。


 すっと戻すように意識すると、あやとりしていた黒い靄も消えた。

 集中して集めると手の中で一つの塊になる。


「たぶんだけど、異世界……」



 ―――ぐぅぅぅ。



 ああ、そういえば、何も食べていない事を思い出した。

 ずっとこの縦穴で気絶を繰り返していたせいで、空腹だったはずなんだけど、この黒い球を色々扱っているうちに集中しすぎて忘れていた。



 ―――ポチャン。



 ものすごく良すぎるタイミングで、洞窟に流れ着いた時に見た赤い実が浮かび上がってきた。


 ありがたい、ありがたいんだけど……味ないんだよなぁ……。

 とりあえず、腹が減ってるから食べる。

 味はとにかく腹が少しでも膨れればいいなと思って食べる。


「やっぱり味が無い……。うまいもまずいもないなぁ。味気ない」


 味が無いけど、空腹感が結構薄れたな。

 別に満腹な感じもまったくないんだけど、気にならなくなった。


 それに気持ち悪いのも無くなった。

 この赤い実って結構優秀なやつなのか。

 いくつも赤い実が浮かび上がってきている。


 さすがに全部は今すぐ食えないけど、これならしばらく持つね。

 この空腹がしのげる間に、ここから出たい。


 正直、泳げないし潜水出来たとしてもここから底まではかなり深い。

 底に到着したとしても、横道抜けるのにどれくらいかかるか分からない。

 そうすると、潮が引くまでここで黒い球で時間潰すくらいしかできない。


 また海面が上がってくるまでの間、黒い球を出して色々してみるか。

 あやとりみたいに細く伸ばせるし、球体にもできるし。

 もちろん、四角い形にも台形にもひし形でもできる。


 とりあえず今は自分の中でこの黒い球は魔力って事にしておこう。

 魔力によって魔法を使う……中学くらいの男なら一度は思ったりした事があるだろう。

 大人になった今ではそんなものは使えないと分かっている。


 その使えないものが使える……こんなにテンションが上がることは無いだろう。

 もうこの黒い球、つまり魔力の球(マナ・ボール)だね。これを五十個まで出せるようになった。

 この魔力の球(マナ・ボール)のやっかいなところは、二つを一つにできないことだ。

 これだけ細かい数の球を出せるなら、一つにすればもっと強くなりそうな気がするけど、この魔法に関しては一つになるのが許されないのか耳障りな音しか出さない。


 五十個の魔力の球(マナ・ボール)をそれぞれペアにして二十五個を同時に重ね合わせる。


 ギィーンと重なり合う音。

 バシュッと重なり合い弾ける音が同時に響き渡り、予想を超える音に俺は気を失った。



 ……。



     □     □     □



 ピタン、ピタン……。


 頬に当たる水滴で目が覚めると、仰向けのまま気を失っていたようだ。

 ただ違うのはだいぶ水位が低くなっている。


「うっぷ……、何で気持ち悪いんだ……。頭が痛い。あの音強烈すぎてキツイね」


 浮かんでいる赤い実を三個とって食べると、気持ち悪いのまでスーッと引いていく。味は無いけど、この実は万能だね。味は無いけど。

 空腹もなくなって気持ち悪いのも無くなるからいい事だらけだ。


「あれ、いつもよりちょっと下がっている? 天井まで二メートルくらいあるな」


 しかも今回は額を岩に打ち付けなかった。

 という事は水位が下がってきてるのだろうか。


 腹の中で魔力の球(マナ・ボール)を回しながら考える。

 ここ狭い事は狭いけど、薄暗いから思ったより狭さを意識しなくてすんでいるのは助かっている。

 もっと明るかったら狭さでちょっと気持ち的におかしくなっていたかもしれない。


 何日くらい過ぎたんだろうか。

 この魔力の球(マナ・ボール)で何をできるか試行錯誤しているのが楽しくてまったく気にしていなかったけど、やっぱりこの狭さでずっといるのは正直きつい。


 気が付いたらまた水位が上がってきているみたいだった。


「潮が引いたんじゃないのか、一体いつになったら出られるんだよ……」


 この狭い場所で、ずっと仰向けのまま浮いていると身体がなまりそうだったので立って足をバタつかせたり、素潜りの真似事はしてみたけど狭さと深さを実感するだけで何も得られなかった。


「また魔力の球(マナ・ボール)を全部使い切ってみるか……」


 腹の中で球を回すのは3つが限度だった。

 それ以上の数を回せそうだけど、とにかくこれが難しい。

 1つだと何の問題もないけど2つ以上になると、それぞれの球を意識して回してやらないとうまく体内で回ってくれない。外にでてしまうのだ。


 仮に体内から出ないとしても、中でぶつかり合って激しい音を出してしまうし、その衝撃で軽く痺れて身体が動かなくなる。


 意識して回すってのが、複数になると途端に難易度が跳ね上がってくるんだ。

 これ、普段から相当やってないとちょっと無理だなぁ。


 もし、戦っていたりする時にミスしてしまうとと確実に危険なやつだから、戦闘時は無理かなぁ。もしそれができるなら、体調が回復させながら戦えるから楽になるかもしれない。


 まあ、戦ったことなんて一度もないんだけどね!


「さて、今日は何個出せるかなぁ」


 魔力の球(マナ・ボール)を集中しながらポンポンといくつも出してみる。

 二十……三十……六十……。

 あ、あれ!? 何かまだ全然余裕だ。


「これ何個出せるんだ!? 八十……百二十……まだ出せる!?」


 これだけ出しても、まだ何ともない。

 いつもだったら、きつくて出せなくなるんだけど……このまま出していいのだろうか。やったことないから怖くなってきた。


「ま、まあ百二十も出せれば十分だよね。あはは……」


 これだけ数あれば、色々試せそうだ。

 今日は二つの球を一つに合わせてみるか。


 この魔力の球(マナ・ボール)は意地でも一つになることを拒んでいるような気がする。

 そっちがその気ならこっちも意地でも一つにまとめてやろうではないか。



 ギギギギィ、ギィィィィーーーン!!! バシュッッッ!!!



 一回目は失敗した。

 やっぱり普通に魔力の球(マナ・ボール)同士を重ねるのはダメだ。



 ギギギギギギギギィ、バシュッッッ!!!



 二回目も……その後も全部失敗して最後の六十回目を挑戦する。

 やっぱり重ねると必ず破裂してしまう。

 ギリギリ重ならないくらいで保つとどうなるんだろう。


 ギギギギィと煩い音を立てて重ならないギリギリで保つ。

 重ならないギリギリの状態で球体の周囲に紫電が放出されているこの状態を維持するのがかなり難しい。二つをミリ単位でお互いの距離を意識しながら留めるってかなり精神力を使う。


 しばらくこの紫電を放出させていると、変化が起こった。



 バチバチバチッ!! ………チチチチチチチッ!!



「おお? 変な放電しているようなのが消えた」


 高速で回転する刃物が硬い物に何度もかするような音に変わってきた。

 放電が無くなって音が変わっただけで何も変わらないのか。


「何なんだこれ。どうすればいいの」


 浮かせていた魔力の球(マナ・ボール)を手元まで戻すと、何やら重なり合ってる球が二つとも回転していた。左右の球がそれぞれ逆の回転をしている。


 何でこれ回転しているんだ。

 しかも結構高速に回っている。

 指でも突っ込んだら吸い込まれてしまいそうな感じで怖い。


 しばらく見ていると、海水がどんどん回転する球に吸い込まれて行く。


「ええ!? 吸い込んでる?」


 徐々に海水が減っていって、縦穴の底までゆっくりと降りる事ができた。

 この球、このあたりの海水全部吸い込んでしまった。

 大丈夫なのこれ。何か吸い込むだけ吸い込んで海水はどこにいったのか。


 それに今度は回転している球から少しずつ、吸い込んだと思われる海水がチョロチョロと放出している。

 何だか徐々に勢いが……強くなっているような。


「これはマズい! 吸い込んだ海水吐き出してるのか! 何なんだよこれ!」


 叫んだ時には、回転する球が勢いよく海水を滝のように吐き出していた。

 左右の道があるけど、確かここに来る途中で少し大きい石があったな。


 右側を見ると、穴のすぐ近くに石があった。

 なら左側か、もう膝ぐらいまで海水が上がってる。


 俺は走って行くと坂道になっていて、また細い穴を今度は自力で登って出ると、ある所から先が真っ暗な空間だった。


 ようやく地獄のような縦穴から脱出できたと思ったら、今度は真っ暗だ。


「おーーい!」


 少ししてから、音が返ってくる。

 やっぱりここは広い場所だな。


「……やっと来よったか」


 こうして俺は神と出会った。



神に会うまでの回想は終わり。

現実逃避が終わり、現実に引き戻されます。


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