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カレーン村にて

「ふぁぁ、よく寝た。」


 よっぽど昨日疲れていたのだろう、どうやら昼前まで眠っていたらしい。

 昨日あしらってしまったため、早く村人たちに顔を見せなければ。

 そう思って起き上がると、


ズキッ


「いったあああああい!!」


 いままで経験したことのないほどの痛みが身体中を駆け巡った。


「ユリ姉ちゃん!!」


 勢い良くドアをあけ入って来たアルトに助けを求める。


「アルト…筋肉痛で動けないの…助けて。」


「え?なにかあったのかと思ったら…筋肉痛?」


 私の助けを無視して「はあ、んな人騒がせな…」と言いながら呆れて出ていってしまった。

 アルトは日頃から訓練などで体を動かしているが、私は違う。

 突然激しく動き回れば全身は悲鳴をあげるのは当然だ。


「くっそー…気が利かない奴め。だからモテないんだよ…」


 と、アルトの悪口を言いながら痛い体を引きずって準備をしているとアルトが老人を連れて戻ってきた。


「せっかく医者を連れてきたってのに、なんで動き回ってんだよ…」


 どうやらこの老人は医者らしい。

 アルトに抱えられてベッドまで戻され、医者が診察を始める。

 さっき気が利かないとかモテないとか言ってごめんなさいと心で謝っておく。


 診察後「辛いんでしたら鎮痛剤をお作りいたします。」と言われたので、鎮痛剤を処方してもらうことにした。

 これで少しは歩けるだろう。


 鎮痛剤を作りにいった医者と入れ違いにレイが入って来た。

 我々はタルバ村の様子を見みに行くハズだったが、私の様子を聞いて無理だと判断したらしく、騎士団の人たちに代わってもらうことにしたらしい。


「ユリ様は我々とは違って訓練などは行っていませんからね、仕方のないことです。お気にならさないで下さい。」


 そういって部屋を出ようとするレイに昨日疑問に思ったことを聞いてみた。


「昨日見て思ったんだけど、なんでレイはファングを倒せるの?」


 レイが足を止め、ため息をついて話し始める。


「私は元々騎士に向いていなくて、魔法もろくに使えないし、訓練生のときから実技がダメダメだったんです。なので、騎士の中でも雑用と言われている、歴史遺産の調査を行っていて…その調査隊の中でも、資料を読んで遺跡がありそうな場所を探すだけという…まあ、戦闘経験のない騎士でして…」


 「なんか…すみません。俺みたいな奴で」と私たちに頭を下げ、部屋を出ていく。

 私はレイの後ろ姿をみて、聞かなきゃ良かったと後悔した。


 医者が鎮痛剤を持ってきたので、それを飲みレイを追いかける。

 レイは村から少し離れた丘の上で、ぼうっと空を見ていた。


「レイ…あの、さっきは言いたくないことを聞いてごめん…」


「ユリ様が気にする必要はありません。私は大丈夫ですから。」


 そう言うレイの顔は大丈夫そうじゃなかった。


「こういうこと言ったら失礼かもしれないけど、正直私は、「革命」が起きて良かったって思ってる。だって今までみんなに迷惑ばっかかけて、なんの役にも立たなかったのに、今は英雄なんて言われて…私、初めて弱くて良かったって思えるんだ。だから、レイも弱いっていうことを恥じなくて良いと思う。少なくとも今の世界じゃ強いんだから。」


「ユリ様…」


「レイは国を守りたくて騎士になったんでしょ?それなら自分の出来る方法で国に貢献すれば良いと思う。私たちがやるべきことは、国の人たちのために世界を元通りにする事。まあ、また最弱になっちゃうのは嫌だけど、仕方がないよね。」


 本音を言えば、ずっと世界がこのままであってほしい。

 みんなが私を頼ってくれて、みんなの役に立てる、そんな世界が続いてほしい。

 でもこれは私のわがままだ。

 近くの森で子供たちが遊べなくなって、努力した人が損をして、そんなんじゃ可哀想だ。


「ユリ様は…とっても強い方ですね。考え方も大人びてて、まるで私のほうが年下見たいです。」


「そんなことないよ。私だって…って、え??」


「どうしました?」


「レイって、年上だったの?」


「ええ、20ですので…ユリ様の5つ年上になりますけど…それがなにか?」


 見えない。5つも年上だったなんて。同じぐらいの年だなって思っていたのに…


「レイって、童顔って言われることある??」


「実年齢より若くみられることが多いですが…」


 今まで呼び捨て&タメ口で喋ってたけど、変えなきゃなあと思っていると「年齢なんて気にしないでください。ユリ様は英雄なのですから。」と言われたので、気にしないことにした。


「朝向かった騎士団が戻ってくる頃だと思いますので、村へ戻りましょうか。」


 レイがそういって歩き出した。

 レイの顔は先程までとは違い、清々しい顔をしていた。

新作をかけるほどの才能がないのに、案だけが出てしまって大変です。


小説の書き方を勉強したいですね…

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