この世界におきていた変化
11章
飛び始めて30分ぐらい経っただろうか。何だか頭がクラクラしてきた。そういえば飛行にはかなりの体力を消耗するんだっけ。
少し休憩したいけれども、数メートル先を木の実はずっと飛び続けている。まずいな、このまま飛び続けていたら私は体力が尽きて地面に真っ逆さま、かといってここで休むと迷子になってしまう。あー、どうしよう…。
そうか!ひらめいた!
一気に加速して木の実に手を伸ばす。あと少し…、よし、掴んだ。木の実が手の中でバタバタしている。捕まえてしまえばこれ以上先に進まれることはないだろう。そのまま下降して地面に着地する。
「疲れたー。」
地面にどかっと腰を下ろして空を見上げる。今は何時だろう。太陽は大分西に傾いている。もうすぐ日暮れだけど、少し休憩するか。
地面に寝っ転がると自然に意識が遠のいていった。
…。うーん、むにゃむにゃ…。ん?
あー、やばい!どれだけ寝ていたのだろう、空を見上げるとさっきよりも太陽が西の山々に近づいている。あと30分もすれば太陽は見えなくなってしまいそうだ。木の実を握ったまま大空へと飛び立つ。空中で手を離すと、木の実は再び目的地に向かい始めた。
急がなくては。さっきよりスピードを上げて飛び続けた。
飛行を再開してから何分経ったのか。もう体力が限界だ。いい加減着かないかな?そう思っていると前方から何かが割れるような音が聞こえた。
ピキピキ、パキッ。バキンッ。
木の実にひびが入り、たちまち粉砕してしまったのだ。
「え!何で!私が握ったのがダメだったの?」
そう言いながら、その場で飛行をやめる。下を見ると木の柵で囲われた土地と門が見えた。おっ、あんなところに村が。
門を目指して下降する。着陸して辺りをキョロキョロと見た。するとボロボロになった木製の看板があることに気づいた。風化してしまって全部の文字の解読はできなかった。何とか村って書いてあるようだ。
え?村…。まさか…。
村の入り口に門が設置されてるのは“ダークネス村”だけだったはず。でも、こんなところにあるはずがない、もっと後の方に登場するはず。もしかしたら、ウイルスがこの世界を作り変えてしまったのかもしれない。想像以上に深刻なことが起きている。でも、ウイルスを外へ追い出してしまえば全てが元に戻るはずだから、きっと大丈夫、なんとかなる。そう言い聞かせるが、心は不安で一杯だ。
おや?この足跡は?
視線をやった先にいくつかの足跡を見つけた。私より少し大きめの足跡。足跡は門の中へと続いている。
まさか、彼はもう中に。
だとしたら、大変だ。死んでしまうかもしれない。まだ、ちゃんと倒し方を教えてないのに。そもそも、剣は持ってるのだろうか。奴らは剣でしか倒せないのに、持ってなかったら何もできずに死んでしまう。助けなきゃ。
私は門に向かって駆け出した。




