ぶっちゃけ賢者大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!!
みなさん!いよいよ開戦です!
ミリノを守る賢者連合は大ピンチ!
しかも、デビル・ドラゴン最終形態へ姿を変えたジェームズが、酒井に襲いかかるではありませんか!
果たして、”ヱ世界”の運命はいかに!?
”ヱ世界転生TV”大決戦!『ぶっちゃけ賢者大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!!』
ナレーター〘三賢者の捨て身の作戦で何とか窮地を脱した望月トオル。魔王城にいざ行かん! そこに魔王の恐るべし罠があるとも気づかずに……。また、勇者の為に5,000の敵を引き受けた三賢者の運命はいかに!? ここで時間稼ぎをしている三賢者に視点を移してみよう!〙
☆
――PPPテレビ局 ドラマスタジオ――
(ガガガガガッ)
魔物「うぎゃああぁぁ」
岡崎「はははっ、若い事を思い出し血がたぎりますぞ。しかしサバイバルゲーム用に買ったガトリングがここまで役立つとは……」
柿本「岡崎さんの”ガトリング搭載軽トラック”いいですね! もうほとんどの敵が蜂の巣ですよ。まあ、ダンボールだから当然ですが(ポチポチ)」
魔物「や、やめてくれぇ。生きたままフリマアプリ”メルトカリ”に売らないでくれぇ」
柿本「エイッ」
魔物「うわあぁぁぁ(ピチューン)」
岡崎「そういう柿本殿もスマートフォンで無双しているですぞ。五千もいた魔王軍が全滅状態ですぞ」
酒井「いいえ、まだまだ甘いですね。一匹残らず殺して殲滅を目指しましょうか。いでよ。”弓道部のエルフ”」
弓道「ふっ、身体が入れ替わっていてもこれぐらい楽勝なんだよ。”カラドボルグ”」
魔物「うぎゃああぁぁ。魔王様から貰った扇子がぁぁ」
弓道「ふう、いっちょ上がり。プロデューサーさん。そろそろ番宣の方をしてもいいですかね?」
酒井「なーに、かっこつけて”那須与一”みたいな事してるんですか。そこの黄色いのを殺してくださいな」
弓道「えっ、マジですか。まあ番宣が第一目的ですからいいですけど……」
弓道「”ヒュドラの毒矢”。敵を射殺せ!」
魔物「体が軽い…… こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて…… もう何も怖くない――!」
(プスッ)
魔物「」
酒井「おおっ、なんだよ、結構当たるじゃねえか。ご褒美に映画の広告していいですよ」
弓道「星空 宇宙監督の最新作、”あなたの名は ~そもそもエルフ文字など読めん~”が絶賛公開中です。”学生”と”エルフ”の入れ替わりを描いた長編ラブコメディーとなってます。僕は”学生”役を演じています。恋人とも、家族とも楽しめる作品になっていますので是非映画館に足を運んでくださいね」
酒井「ちなみに星空 宇宙監督はあの”コトノハノ二羽”でお馴染みの方ですよ。非常にポップになおかつしっかりと描かれた世界観は必見です」
柿本「酒井プロデューサーもその映画にかかわっているのですか?」
酒井「いや、僕は全く関わってないですよ。ただ局内では”世界の酒井”と呼ばれてはいますが……」
☆
――十分後――
酒井「いやー、いい大人が調子に乗りすぎましたね。魔物、一匹も残ってないですよ」
柿本「ワタクシなんて、後半は”メルトカリ”で魔物がいくらで売れるかだけを考えてる”売ルフ”になっていましたよ」
岡崎「久々に銃機をぶっ放せたので本当に満足しましたぞ。酒井殿。」
酒井「それは何よりです。しかし、”無双チート”って傍から見ている分にはいいですが実際に自分がすると味気ないものなんですね」
岡崎「そうですな。やっぱりRPGでもレベル上げの為に雑魚と戦うのと自分より強い中ボスに挑む方が燃えますぞ」
酒井「そうですよね。分かりますよ、その気持ち。岡崎さんはRPGをする時にしっかりとレベル上げするタイプですか? それとも低レベルクリアを狙っていますか?」
岡崎「もちろん、しっかりとレベル上げするタイプですぞ。あとモンスター図鑑とかは必ずコンプリートするですしな」
酒井「僕はひたすら”楽”して冒険するタイプですね。だから基本低レベルクリアになってしまいます。そしてレベル上げは苦になる性質なので、”メタル系軟体生物”が出る場所でしかしませんね」
岡崎「なんとなくそんな気がしていましたぞ。ちなみに柿本殿はどちらのタイプですかな?」
柿本「ワタクシの場合、今まで遊んできたRPGってアイテムガチャによる強化やカード合成によるもの、そもそも放置しているだけでレベルが上がるのばかりでしたので……」
岡崎「ええっ、本当ですかな? それじゃ何のためにRPGをしているのかわからなくなりますぞ。そもそもそんなゲームって”ロール”も”プレイング”もしていないですぞ」
酒井「しかしそれが現在の主流みたいですね。おじさんたちからすれば寂しいですけれど……。ただ少しだけ喜ばしいのは昔ながらの”ドット絵”がしぶとく生き残っていることですかね」
岡崎「そうですな。そこは評価できますぞ。安く仕上げるだけならば3DCGを使えば良いのですから」
柿本「ワタクシからすれば”ドット絵”は懐かしくもないのですが」
☆
酒井「さて、望月君に渡したスマートフォンもとい”ぼうけんのしょ”に生存連絡でもしますか。まあ、そもそも彼は僕らが生きているなんて夢にも思っていないでしょうが」
(プルプルプル~♪ プルプルプル~♪ プルプルプル~♪)
岡崎「気のせいですかな? 電話のコール音がどこぞの複製新人類の口癖の様なのは」
酒井「さあ? 何のことやら。関係ないですが僕は十二番目が好きですね。彼女のアイスクリームを食べてみたかったものです」
(ガチャリ)
望月「はい、もしもし。勇者望月ですが……。どちら様でしょうか?」
酒井「あら、さっきまで行動を共にしていた味方の事すら忘れてしまうほど薄情とは思っていませんでしたよ。勇者望月」
望月「ま、まさか。その声は。エルフの酒井様! 無事だったのですね。良かった~、安心しましたよ。しかし敵軍はまだ多くでしょう。どこかに隠れているのですか?」
酒井「いいえ、それは違いますよ。勇者望月よ。我々三賢者は魔王軍の殲滅に成功しました。こちらの損害は軽微ですので準備が整い次第そちらに合流します。以上ですが何か質問はありますか?」
望月「え、”殲滅”の意味が俺が知っているものと同じであれば”部隊の10割”の喪失だったはずなのですが」
酒井「ええ、その通りです。勇者望月よ。他に何か聞きたいことは?」
望月「という事は、三人で敵戦力5,000を倒したのですか? ありえない!」
酒井「勇者望月よ。いい言葉をお教えします。”三人寄れば文殊の知恵”。しかも我々は賢者なのです。このぐらい造作もありません」
酒井「質問が以上でしたら切りますネ。勇者一行は我々の合流を待たずに魔王城に突入を」
望月「え、あっハイ。了解しました。ご武運を」
(プツン ツー、ツー)
酒井「さて、我々も魔王クロノスと四天王が待ち受ける魔王城に向かうとしましょうか」
岡崎「ちなみに四天王はどんなヤツなのですか。気になりますぞ」
酒井「それは”実際に君の目で確かめてくれ!”ですよ。すなわちお楽しみです」
柿本「ワタクシも四天王の正体が気になりますし、早いとこ魔王城に向かいましょうよ」
酒井「そうですね。夢と希望、現実と絶望が交差するこの”ヱ世界”もラストスパート! 最後まで駆け抜けていきますか」
☆
―PPPテレビ 魔王城特設スタジオ――
魔王「くくくっ、やはりここまで来るのか。勇者望月よ。良いだろう。相手ぐらいはしてやろう。おい、■■はいるか?」
■■「どうされましたか? 魔王様」
魔王「くくくっ、■■よ。魔王軍の四天王として勇者望月を向かい討て。遠慮はいらん。貴様の■■をもってすれば楽勝であろう」
■■「もちろんです。魔王様。我が秘儀をもって必ず勇者望月の首を持ち帰ります」
魔王「くくくっ、頼んだぞ。■■」
(バタン)
魔王「くくくっ、さあ、■■を倒し、我に力を示してみろ。勇者望月よ」
☆
ナレーター〘ものの見事に魔王軍を殲滅した三賢者。異能チートは伊達じゃない! そして裏では魔王軍四天王が動き出した! 果たして勇者望月は四天王の一人を倒せるのか? そして今更ながらここが”ヱ世界”だと気づかないのか? まだまだ続く”ヱ世界転生” 気になる続きは……〙
ナレーター〘CMの後に〙
――CM――
鶏 「雨の日は卵を産まず庭に出て”コケコッコ―”と鳴くのが日課だった」
鳩 「ここで、朝っぱらから大豆を食べるのはたまらないぜ」
解説「星空 宇宙監督のルーツがここに!」
解説「最新作と合わせて観たいあなたへ」
解説「”コトノハノ二羽”が4K画質で帰ってきた!」
解説「3,900円! 買ってね!」




