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とある姉妹の超絶演技(ペルソナ)

ナレーター〘夏目メグの後輩兼妹分は”町娘のメグミ”こと白石アリスだったのだ。”お姉様”こと夏目メグとの関係性とは?まだまだ続く舞台裏での”ぶっちゃけ裏話”。そんな楽屋ではなにがあったのか覗いてみることにしよう〗

 

 ――PPPテレビ局 ドラマスタジオ――


酒井「なんと、アナタが”町娘のメグミ”でしたか。いやー、モニタからアナタの演技を拝見していましたが素晴らしかったですよ」

 

酒井「特に望月くんがこのヱ世界の”真相”に気づきそうになった時のアドリブフォローなんてなんと感謝したらいいのかわからぬ程ですよ」

 

白石「うふふっ、お褒めに預かり光栄です。ただあの時の私はもう”メグミ”でしたから意識してヱ世界の事がバレない様にアドリブを入れた訳ではありません」

 

夏目「ホント、アリスって役になりきり過ぎるとこあるわよね(もぐもぐ)」

 

酒井「いやー、そんな事を言っている夏目お嬢様ですが、うちの女性ADの話によるとアナタも”霊媒師 夏目メグ”なんて呼ばれる程役になりきっているとの事ですが」


夏目「私の場合はいいの。だって私は自身で役をコントロールできるのだもん。だから、今いきなり”清楚なお嬢様”にも”ヤンロリっ子”にだってなれるのよ(もぐもぐ)」

 

酒井「そのせいで、僕は酷い目に遭いましたけどね。ただ、そこまでの切り替えが出来るのはやはり”プロ”がなせる技だと思いますしそこは尊敬していますよ。夏目お嬢様」

 

夏目「うふ、プロデューサーに褒められたって少しも嬉しくありませーん。それだったら”牛タン弁当”をもう一個持って来なさいよ」

 

酒井「あまりが出たら全て持って帰ってもらっていいですよ。夏目お嬢様」

 

夏目「わーい! やったっー! ……まあ、そういう意味では、アリスはもう少し役と自分を引き離すべきだと思うわ。今の妹風のキャラだって、前回の役を引きずっているところがあるしね」

 

酒井「ちなみに前回の役とは?」

 

白石「”色彩”の”後輩”役です! お姉様と舞台で共演した思い出深い役ですわ」

 

夏目「ちなみに私が主人公の”先輩”役ね。アクションシーンも多くて大変だったけれどストーリーはいい話なんだよね。アレ」

 

酒井「白石お嬢様はまだ研修生だと団長から伺っているのですが…… 劇団色彩を代表する演目”色彩”の”後輩”役なんて凄い大抜擢ですね」

 

夏目「ああ、それは単純な話よ。この公演って一年間に数え切れないほどやるの。何しろこの公演は札幌、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、広島、福岡」

 

夏目「八大都市で演るのもあってキャストが途中で不調を訴える事も多いの。だからアリスは代役で10公演ほど演じただけよ。まあ、演技自体は悪くなかったけれど」

 

白石「けれどアレは本当にいい経験になりました。お姉様と共演できたのもありますし、”後輩”ちゃんの”先輩”への気持ちに共感できたのも大きいです」


白石「ちなみにお姉様は全ての公演をきちんとこなされていましたわ。本当に凄いと思います」

 

夏目「別に大した事ないわよ。幼少期の頃から体操選手だった父にしっかりと鍛え上げられてきたから」

 

夏目「だからほら、私の腹筋ってうっすらだけどきちんと割れているのよ。見てみる? 酒井プロデューサー」

 

酒井「興味がない訳ではありませんが。あとでどんな目に遭うのか想像もつかないので今回はやめておこうと思います」

 

白石「それならば私が確認してみたいと思います。ぐへへへっ」

 

夏目「誰があんたに見せるかーい。それに”盗賊ヒロシ”の語尾がででいるわよ」

 

白石「グスン、みてみたかったなぁー」

 

酒井「それで話題は変わりますが、お二人はうちの主人公”望月くん”の事はどう思っているのでしょうか?」

 

夏目「私はあんなヤツ嫌いよ。まず態度が気に食わないのよ。チートとか俺Teeeとか言っちゃうとことかホントにダメ。”口開けていたら最高級の餌が食べられないかな?”みたいな受動的な態度が一番頭にくる。何かを成し遂げたかったのならば自分で動けよと思うわ」

 

酒井「大分手厳しいですね。気持ちが分からない訳ではありませんが。しかし、今の”若い子”はみんなそんなものじゃないのですか?」

 

夏目「うわぁ、出たよ。おじさん特有の”今の若い子は”。言っておくけど、私は五歳の時にこの演劇の世界に入ってから約十三年間欠かさず努力を積み重ね、今の地位を得ているのよ。だから”努力しないで偶然に才能を身に着けたい”という風潮が若者の間であったとしてもみんなが皆、そう思っているなんて思わないで」


酒井「そうですね。今のは失礼でしたね。ごめんなさい。では逆に望月くんのいいところを教えてくださいな」

 

夏目「そうね。彼の良いところを挙げるとすると”演技能力”かな」

 

酒井「ほう、意外ですね。お嬢様様の口からそんな言葉出るなんて。どうしてそうおもったのですか?」

 

夏目「あいつの場合、自覚してはいないのだろうけど勇者としての”演技力”は並外れているわ。普通、いくらずっと頭の中でシュミレーションしてきた役柄でもいきなりあそこまでしっかりと演じられないわ」

 

夏目「それに彼って勇者役を心底楽しんでいるのよ。長いこと演劇の世界にいる私だけどそんな奴は今まで出会ったことなかったわよ。そういう意味では素直に凄いと思うわ」

 

酒井「そうですよね。彼、たまに”劇団色彩の一人だったっけ”と思ってしまうような演技をしますよね。まあ本人にとっては”演技”ではないのですか」

 

酒井「夏目お嬢様の意見を聞いたところで妹様の意見も聞いてみましょうか」

 

白石「えっ、私ですか? 私個人として望月くんは”LIKEよりの好き”ですかね」

 

酒井「おお、意外ですね。その理由はなんでしょうか?」

 

白石「ええっと、最初の敵にサイクロプスって出てきましたよね」

 

酒井「ああ、あの”ミニ四駆の下にダンボール”を置いただけのチープな魔物の事ですね」

 

白石「ええ、私達キャストから見たらそうなのですが。アレって望月さんから見たら”巨大な醜い怪物”ですよね?」

 

酒井「ええ、VRコンタクトレンズを使うとそう見えますね」

 

白石「そんな魔物から見ず知らずの町娘のために命を懸けられるってすごい勇気じゃありませんか?」

 

夏目「そう考えると凄いわね。望月」

 

白石「そうですよね。お姉様。そんな彼の勇気を讃えて、キスしちゃいました。私は惚れていませんが、”メグミ”は彼に惚れていると思いますわ」

 

白石「ただ、今の彼の役は気に食わないですわ。よりにもよってお姉様のお婿さん役だなんて…… 彼が本当にお姉様に手を出す”悪い虫”ならば……」

 

酒井「ひえええ。恐ろしいですね。女の子って怖い」

 

 

(コンコン)

 

??「邪魔するぜ。おっ、メグとアリスじゃないか。ここに酒井プロデューサーがいると聞いてここに来たのだが……」

 

酒井「僕が酒井ですが…… 失礼ですが何処かでお会いしたことありましたか? 僕の知り合いにこんな”ケルトの大英雄風青タイツ”のにいちゃんはいなかったはずですが……」

 

??「おいおい、自分が出演依頼した役者ぐらい覚えておいて欲しいぜ」

 

夏目「まあ、こいつの場合今回の役と実年齢が違いすぎだから気付かないのも無理がないと思うけど」

 

白石「そうですよね! お姉様。だって、彼の今回の役は”私のお父さん”なんだから」

 

??「ああ、酒井さん。今はVRコンタクトレンズ付けてないのね。だったらむりもないか」

 

??「”わぁはっは”と笑ったら俺の正体に気づくかな?」

 

酒井「ま、まさかアナタは!」

 

??「わぁはっは、俺は”ヱ世界転生TV”盗賊のヒロシ役の大野ヒロシだ」

 

大野「後半戦もよろしく頼むぜ! プロデューサーさんよっ」

 

ナレーター〘なんということでしょう。いきなり現れた”ケルト式青タイツ”の青年は”盗賊のヒロシ”こと大野ヒロシだったのだ。しかしそれにしても、なんだか”その心臓、貰い受ける”とかいうケルト系男児を彷彿とさせる彼。”劇団色彩”キャストとの関係性はいかに?まだまだ続く舞台裏での”ぶっちゃけ裏話”! 気になる続きは…〙

 

 

ナレーター〘CMのあとに〙

――CM――

??「フッ、待ちわびたぞ。”青の覆面セイバー”いや浅野誠司」

浅野「お、お前は……」

??「気づいたか。先輩セイバー。いや、俺の父さん」

森堂「”赤の覆面セイバー”こと森堂紅。あんたの隠し子だぁ!」

浅野「なぜ、悪の道に墜ちた!答えてみろ」

森堂「なぜって? あんたを殺して俺が”覆面王”になる為だ」

浅野「それなら私の敵だ! 我が息子」

森堂「望むところだ!」

二人「「うおおおぉぉぉ」」


”裏 ∞から始まる覆面セイバーオルタナティブ”

日曜朝八時より大好評放送中!


浅野「私の勝ちだ。我が”息子”よ」

森堂「へっ、最後まで性別間違えやがって…」

森堂「ホントにバカね。お父さんは」

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