幕間2-2 始祖、乞食を始める
始祖、昌宇は道端で胡坐をかいて休んでいた。
「腹が減ったw」
早く食べないと、飢え死にしそうである。
入城はチェックが厳しいのだが、どうやったのか城内へ入っていた。
服は1日前、通りがかった農家で、
「野党に襲われて身ぐるみ剥がされ、やっとの思いで逃げてきました。」
と事情を説明し、古着を分けてもらって着ることができた。
ほとんどボロ布同然のものである。
その時、飯を少しもらって以来、何も食べていない。
早く仕事を見つけて食事にありつきたかったが、
職の斡旋人が、どうも怪しい人間ばかりである。
かえって悪い結果が出るような気がして、声をかけなかった。
「このままだと、盗みでもしないと死んじまう。」
時間はかかるが、個別に店を当たってみるかと考えていたところ、
『チャリン☆』と音がする。
見れば、銭が転がっていた。
「オッさん、少しだが、それで何か食べな。」
彼を乞食だと思ったのだろう、若者が銭を恵んでくれた。
昌宇は、
「ありがどうごぜえやす。」
と、ペコペコとお辞儀して、銭をもらう。
彼に『プライド』という物は無い。
『プライド』で飯が食えれば別だが。
「そうだ。乞食をやるか。」
そう思った彼は、辻々で情けなさそうな顔をして座り、まぁまぁの額を手に入れる。
あまりやっていると、憲兵に捕まる。
程々で撤退した。
市場で一番安い食べ物を購入して腹を満たす。
腹を満たすと、今度は眠気が出てくる。
人目につかない場所で、寝ることにした。
翌朝。
腹を膨らまして寝たせいか、身体に力が戻ってきていた。
昌宇は、寝ている間に強張った体を、ヨーガで丁寧にほぐす。
『瞑想のポーズ』で心を鎮めると、活動を始める。
久々に見るカンディプルの街は、少し目新しかった。
大きな建物は、少し古びてはいたが、以前見た位置に建っている。
「おい、昌宇じゃないか。」
振り向くと、知り合いの朱群がいた。
「お前、アイツらに、よく殺されなかったな。」
ああ、そういえば、俺、崖から突き落とされたっけ。
「あー、朱群。俺が生きていることは内緒にしておいてくれ。
見つかると殺されちまう。」
「わかった。」
「ところで、俺の持ち物って、まだあるか?」
「アイツらが全部持ってっちまって、部屋も大家が貸し出していたぞ。」
全然手持ち無しか。
ありがとうと挨拶して、雑踏の中に消える。
こいつは、とっておきの場所を、あたるしかない。
路銀を稼ぐため、路上での乞食を再開した。




