幕間2-1 始祖 蘇える
ケンが、カンディプルに逃避行する2か月ほど前。
ここは、カンディプル近郊の、とある場所である。
気の荒そうな獣人数人と、オドオドして気の弱そうな獣人が1人。
辺りは小高い丘になっていて、眼下には湖が広がっている。
すぐ近くには崖があって、湖へと落ちていた。
「おい、結局、金は返さねえのか?」
「・・すまん。 都合出来なかった。」
「おう。コイツの身ぐるみ剥いじまえ!」
パンツも履かない男を、
「テメエなんか、死んじまえ。」
高い崖から、湖に叩き込む。
男は叫び声を上げながら、落ちていった。
「おう、帰るぞ。」
男たちが去った後は、ただ風だけが吹いている。
それから1時間も経つ頃。
その崖から離れた湖の岸に、件の男が這い上がってきた。
『ゲエエェェェーーーッ☆』
男は水をいっぱい吐き出す。
胃の中から吐く物が無くなったところで、男は立ち上がった。
「ウエーッ。ひどい目にあったw」
空を見上げた男の目には、少し前に見た、弱々しい眼の光は無かった。
フラフラ十歩も歩くと、何やら武道の構えをして、呼吸を整えだす。
『ヒューッ・ヒューッ・・・・』
突然、
「ハッ!!!」
裂帛の勢いで、拳を突き出す!
突き出された辺りの空間に、青い炎が浮かび、辺りにキナ臭い匂いが立ち込めた。
「まぁ、今は、こんなもんかの。」
男は、明かりのある方へ向かって歩き出す。
男の名は『昌宇』。
崖から落ちた時、彼の意識は死に、
今は、かつて『始祖』と言われた人間の意識が入っていた。
ラスト1話。
次章いきまーす!




