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Heart on Fire ハートに火を着けて♡  作者: 三久
ウッタ・プラデシュ編
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第83話 始祖の手記(1)



ひさびさに、ヴァーラーナシーへ戻る。


まずは寺院へ行って、婆様に挨拶をする。

ちなみに、入場の度に銅鑼やラッパは嫌なので、やめるように言ってある。


「婿殿。工場も順調のようで、何よりじゃ。」

カーンプルの工場の横に、寺院兼治療院を建てたので、

治療も行え、信者の数も増えている。

婆様としても満足だろう。


婆様にソニアを会わせる。

「この前救っていただいた子です。無事治りました。」

「おお、それは上々じゃ。」


婆様は、ソニアをじーっと見て、

「ははぁ。」


オレはニヤッと笑って、

「解りますか。」

「アホウ。誰じゃと思うている。」


ソニアを近寄らせて、額を合わせると、

「おうおう。この子は、ワシと同類じゃな。」


オレは、

「マドレーヌをこちらで預からせてもらっています。

将来的にも、できればオレが育てたいと思ってます。

代わりと言っては何ですが、

この子の将来をよろしくお願いしたいと思い、連れてまいりました。」

婆様は、

「ああ。まかされた。

この子は大きくなったらワシが鍛えて、別の寺院を任すことにしようかの。」


「よろしくお願いします。」

オレは平身低頭して答えた。



挨拶が終わると、オレ達は、ラーヴァの実家へと向かう。


ラーヴァの実家は、立派な門構えの、大きなお屋敷だった。

オレ達は馬を降り、ソニアを連れて屋敷内へ入る。


「ラーヴァ、なんで『赤い牙』なんて入ってるんだ?」

こんな大きなお屋敷のお嬢様が入る組織じゃない。


「私の昔からの友人が、両親の仕事の失敗で無一文になって、

5大国へ奴隷として売られてしまったんだ。

それがどうしても納得できなきて、奴隷を無くしてやろうと思った。」


ラーヴァは立ち止まってオレを見て、

「組織に入って、獣人が『バルバロイ』として狩られているのも見た。

なんとかしなきゃと思って、戦っていたんだ。」


「家族は、反対しただろ?」

「それはもう。半分勘当状態で4年前、家を出た。」


「婆様とは?」

「婆様は、元々『赤い牙』に賛同していた。

婆様が取りなしてくれなかったら、すぐに実家に戻されたと思う。」


向こうから、ラーヴァのお母さんがやってきた。

「まぁまぁ。婿様とラーヴァ、今日はどうしたの?」

オレは一礼して、

「遅れてしまいましたが、

今日は、お父上にご挨拶と、始祖様の手記をみせていただきに来ました。

この子はソニア。私の工場の、職長の娘です。

先日、婆様に直していただいたので、お礼を兼ねて連れてきました。」


勘の良い、お母さんはニコッとして、

「いえいえ、じゃ、お父さんに、あってもらいますね。」



奥に通されると、上半身人間、下半身蛇の男性がいた。

オレとラーヴァは、平身低頭して、

「ラーヴァの夫である、ケンターです。ご挨拶に参りました。」


お父さんは、見るからに強そうな人だったが、オレを見て、

「いやいや、婿殿。婆様と妻から話は聞いております。

随分無理やり婿にさせてしまったみたいですね。」


オレは向き直って、

「ラーヴァは、私には勿体もったいない女性だと思っています。

これからも仲良く暮らしていこうと思っていますので、よろしくお願いします。」


「堅苦しい話は、抜きにしましょう。今日は泊まってゆかれるでしょう?」

「よろしくお願いします。」

「では、母さん。夕食は、お祝いと言うことで。」


奥の部屋に向かうとき、お母さんがラーヴァに、

「あれでも、お父さん、お前のこと随分心配してたんだよ。

婆様から結婚、それも婿様とするって聞いて、すごく安心したんだから。」

「ふーん。」

「ふーんじゃなくて、挨拶してきなさい。」


オレもラーヴァに、

「今日じゃないと、ゆっくり挨拶もできないから、行っておいで。」


ラーヴァは、

「なんでイチイチ、挨拶しなきゃいけないのw」

とかブツブツ言って、戻っていく。


「あれでも、照れてるんですよ。」と、お母さん。

「最近、解かるようになってきました。」オレは答えた。



奥へ行くと、壁に金庫の扉みたいなものがある。

「この中に入っています。」

お母さんがカギを開けてくれて、

「どうぞ。」

オレは一礼して中に入る。


中は、大きく、結構色々な物が入っていた。

「ちょっと待ってくださいよ。」

お母さんが奥へ行く。


「お待たせしました。」

箱を1つ持ってきた。


明るい場所に持って行って、中を見る。

「ここ100年くらい開けてませんから、大丈夫ですかね?」

開けると、布に包まれたものがある。

布を開けると、束になった紙。


オレは慎重に開ける。

中を見ると、漢字が書いてある。

・・・全部漢字だ。



始祖の手記は『中国語』で書かれていた。




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