第82話 雨やどり
今、ウッタ・プラデシュは夏。
スコールが、ドーッと来る。
今も、「来るな」と思ったら『ドーーーッ!!』と降ってきた。
オレ達は、通りがかった寺院の門前で、雨宿りしている。
「いきなり来たな。」
「今年は少し多いね。」
オレは手ぬぐいを取り出して、
「ソニア、こっち来い。」
ソニアを拭く。
まだ病気から回復して間もない。風邪ひいちゃいけない。
テキトーにゴシゴシやってたら、
「貸して。」と言って、ラーヴァが丁寧に拭く。
「さすがだな。」
「何が?」
「オレより丁寧だ。」
ハハッと笑って、
「ケンが、いい加減なんだ。」
まだ雨は止む気配は無い。
辺りは雨煙に霞んで、モノトーンな景色が広がっていた。
オレ達は、門の框に座っている。
そのうち、ソニアが、ラーヴァにもたれて、ウツウツと居眠りを始めた。
ラーヴァはソニアをあやしながら、小声で何か歌っている。
「子守歌?」
「そう。」
横から見ていると、中の良い親子が、雨宿りしているように見えた。
出会った当初からすると、彼女も随分優しくなったものだと思う。
まぁ、出会いが殺される一歩手前だったから、無理無いけどw
「ラーヴァは母親になったら、良いお母さんになりそうだな。」
何気なく言ったんだが、急に赤い顔になった。
「なあ、ケン。」
「ん?」
「その、・・なんだ。・・・子供どうする?」
・・そういえば、オレ、ラーヴァと結婚してたっけw
オレは座ったまま、ラーヴァに少し近づいて、小声で、
「『すぐに』と言いたいところだが、帝国侵略も破壊神も、全然解決していない。
しばらく無理だろう。」
しばらく黙っていたラーヴァが、
「本当に、そうなるのか?」
オレは、
「なる。」
ハッキリと答えた。
「それに、ラーヴァは『赤い牙』の一員だろ? もし子供作るなら、抜けないと。」
ラーヴァは、少し残念そうに、
「だよねぇw」
と呟いた。
とはいえ、少しくらいイチャイチャするのはいいだろう。
オレはラーヴァを引き寄せ、イチャイチャしようとした。
ふと視線を感じたので下を見ると、ソニアがじーっと見ている。
「何、やってるの?」
・・・
オレ達は、何気なく離れ、お互いソッポを向いた。
遠くから蝉の声が聞こえだした。
もうすぐ雨は、上がるだろう。
「さて、いこうか。」
オレ達は、移動する準備を始める。
ソニアを抱っこして、見えないように、ラーヴァとキスをした。
暑い日が続いております。
この話は、『おなじ話 歌ってみた kain×ブランク』聞きながら作りました。
ハンバートハンバートの『おなじ話』は、女性が亡くなっていて、男性がそれを思い出して・・・
みたいな話が多いです。
ワタシは、ちょっと違うかな~って思ってまして、聞きながら書いてみました。
イメージあってると良いんですが。
あと少しで夏休みだぁ♪




