第81話 研究室の設立
各施設の再配置も完了し、やりやすい環境が整った。
特に学校ができたことによって、『研究施設』ができた。
現在、学年は、年少と年中しかいない。
よって、教室は余っている。
空いている教室を『研究施設』として使う。
「フッフッフ♪」
オレはゴキゲンである。
ゼロから立ち上げて、ここまで来るのに8か月。
・・・長かった。
右手のみで作業するのにも慣れたが、やはり、両手が便利だ。
いよいよ『左腕』の研究を開始する。
「パウ・ポウ。」
「ご主人様。御用ですか?」2匹のネズミが現れる。
「研究を始めるぞ。」
「やたっ! やっと準備ができましたね。」
「始めに何作るの?」
「うーん・・・何作ろう?」
『・・・』
頭の中に、設計図はあった。
まずは、それを図面にする作業から入る。
現在、経営は、オレ・メル・ラーヴァが中心となって行っている。
イヴは新設した治療院で施術。
スーは、パウ・ポウと一緒に、研究室でオレの助手をしてもらっている。
午後の会議で、オレは、メル、ラーヴァ、マリーに、
「そろそろ中等、高等学校を始めようと思う。」
と切り出した。
「なにそれ?」
メルが聞く。
「まだ今は人いないけど、13歳から18歳までの人が入る学校。」
「えー! 大人になっても勉強するの?」
・・・。
「少し質問がある。」
オレは自分が、肝心なことが抜けていたことに気づく。
「なに?」
「大人って何歳から?」
「15歳。」
ダーッ! 早いじゃないか!
メルによれば、男女共、15歳以上は成人となり、結婚可能。
普通、女性なら15~25歳で結婚するという。
「勉強している時間が無いじゃないか!」
オレは嘆いた。
「だからぁ、よっぽどお金持ちの子弟か、
才能ある人じゃないと、18歳まで勉強しないよ。」
何言ってるのかなという顔でメルが見る。
「とりあえずオレの工場では、頭の良い子は勉強させる。
早めに仕事終わらせて、勉強させる。もちろん給料付き。」
オレは宣言する。
「えーっ! それって私達が損するんじゃないの?」
「オレが今後、その子たちが必要なの!」
オレは、自分の左腕復活計画を話す。
併せて、オレ達がいなくなっても工場が維持できるようにするつもりだと宣言し、
その為には、一定数の頭脳集団が必要なことを話す。
「でも、ケンのやり方だと、必要な人を確保するのに、何年もかかるんじゃない?」
ラーヴァが質問する。
「フッフッフッ♪」
『?』
「そこでだ。」
オレは、ラーヴァを振り向き、
「ラーヴァ、実家に『始祖』の手記があるって言ったよな?」
「ああ。」
「それを見せてもらいに行く。」
「見せるのはいいんだが、それと手記との関係は?」
「行って、見てから話す。」
オレが獣人の国へ来る目的の1つにしていた『始祖の手記の閲覧』。
始祖より『百科事典』をもらった時、
手記の内容を教えてもらっていた。
「必要なら見よ。」とのことだったが、今が必要な時だ。
オレは、ラーヴァ、女将さんの許可をもらったソニアを連れて、
ヴァーラーナシーへ向かった。




