第7話 相棒ができる・・かも?
β-124に来てから、地球感覚で大体2週間が経った。
これは寝起きを繰り返すから、数えた結果だ。
生活費だが、毎日クエストをやって、少しずつ貯めている。
今やってるようなクエストだと、一番安い宿代と食事付けて、少し貯まるという感じだ。
言われていたレベルアップも、魔法使いレベル8になった。
手持ちもそんなに無いので、ここで一発レベルアップして、
代金アップを図りたいところだ。
ギルドの機械は、持っているHP・MPから、大体のレベルを出すものらしい。
先日測ってもらった結果から考えると、
武器は、短剣かスタッフ・初期のマジックワンドなら装備可能。
一撃でHPが無くなることもないだろうとのこと。
なので今回は雑用クエストではなく、狩猟クエストをやってみようと思う。
開拓者ギルドの掲示板で、今のレベルの狩猟クエストを探す。
今のオレだと、ソロだとレベル2~5くらいの獲物しか狩れない。
大体、そんな狩猟クエストは無かった。
最低、レベル10以上だ。
レベル10以上の狩猟クエストを見ていたら、
いつもの受付のお姉さんが、
「ここのは、ケンターさん1人では無理ですよ?」
と言われた。
だよねぇ。
オレは魔法使いなので、初期の回復魔法使ってソロでもできるけど、
何か予想外の事件があると、すぐにMPが足りなくなる。
ポーション使う手もあるけど、金のないオレにはムリだ。
う~んと悩んでいたら、初日に会ったエルフのお姉さんが、
「どうしたの?」
と尋ねてきた。
振り返って、
「レベルが上がったみたいだから、ぼちぼち狩猟クエストやってみようと思うんだけど、ソロじゃあ無理だなぁと思って。」
「レベルはいくつ?」
「魔法使いで、レベル8かな?」
彼女は少し考えて、
「じゃ、私と組まない?」
と言った。
「えっ?」
エルフのお姉さんは、
「私は見ての通りアーチャーだけど、下級の回復魔法は使えます。
最初、私がヒーラー・あなたがアタッカーやって、あなたがレベルアップ。
その後、私がアタッカー・あなたがヒーラーやって私がレベルアップ。
こうやってお互いがレベルアップしてけば早くない?」
あー、確かに。
「オレはそれでいいけど、お願いできますか?」
「モチロン! 私も来たばかりで、レベル合う人いなくて、困ってたのよ。」
おー、ラッキー♪
「では自己紹介。」
「私はメルエル。『メル』でいい。」
「オレはケンター。『ケン』とでも。」
と言うことで、ペアを組んでやってみることになった。
「ケンって、今まで何やってたの?」
聞かれると思ってた質問だ。
「写本師。ずーっと本を写してた。」
会社で書類書いて、コピーしてたから、まんざら嘘でもないだろう。
「なぜ開拓者なんて始めたの?」
「親族がバカやってね。とばっちりで失職。
オレ程度なら写本師は腐るほどいるから、食うためにね。」
「じゃあ、結構良いとこの出身?」
「良いとこの出身が、こんな辺境都市まで来るかね?」
「ハハッ。それもそうだね♪」
ホントじゃないけど、嘘じゃない程度に話しておく。
「じゃ、今から行こうと思います。まずはクエスト、一緒に選ぼう。」
「了解。」
何かうまい具合に、パーティが組めて、
狩猟クエストで、幸先の良いスタートがきれそうだ。
メルさん、頼りにします。
よろしくお願いします。
そんな感じで、2人でギルドの掲示板へ向かった。