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Heart on Fire ハートに火を着けて♡  作者: 三久
ウッタ・プラデシュ編
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第75話 繊維部門と給食の開始



「で、ケン。じゅうたんでも作るの?」

メルが言う。

「いや。最初は『布地サリー』を作る。」

「ふーん。」

・・実感が湧かないみたいだな。



現在、繊維部門を開始する直前である。


配置されているのは、カーンプルの木工屋で作ってもらった機織り機。

『豊田式木製人力織機』

これなら、熟練の機織り職人でなくても、織物の生産が可能である。


織子は、募集をかけた中から、ラーヴァと女将さんに選んでもらう。

全て未経験の、13~16歳の未婚の娘さんである。

他に監督として、織子の経験を積んだ女性が数人。


監督をやってもらう織子さんにも、親方と同じく、

『教えて教育する』方法でやることを通達する。


数日経つと、機械にも慣れ、徐々に生産が上がってくる。


染色は、外注に出す。


今作っている『サリー』は、人件費が安いので、公国より生産費用が安い。

輸送代を入れても、価格対抗力はあるので、

出来た製品は、ラシード商会経由で輸出する。



一方の鉄鋼部門だが、現在、ダマスカス鋼による武器生産を行っている。


もともとウッタ・プラデシュ は、原料である『ウーツ鋼』の生産拠点でもある。

親方以下、職人は取り扱いに慣れている。


ダマスカス鋼製品は、見た目の美しさと相まって、需要が高かった。

装飾も徐々に、凝ったものに変えていき、付加価値を付けて、

高く売れるようにしてゆく。


これも、ラシード商会経由で、輸出用にする。



操業を始めて1か月。ラシード商会から、最初の入金がある。

ダンジョンで出たアイテムの売却代も入っていたので、結構あった。


「なんとか軌道に乗ったな。」

オレが言うと、

「あとちょっと遅かったら、資金ショートしてたよw」

メルが言う。


「2つの部門を同時に始めてゴメン。思ったより大変だったw」

オレは謝る。


銀行による融資の無い時代だ。

手持ちが尽きたらアウトということを忘れていた。

これからは、より慎重にやることを約束する。



需要が高まるにつれて、繊維の生産も上げていく。

単純な製品から、センスの良い染色屋を探し、

徐々に凝った意匠の製品も生産して、付加価値を上げる。




ある日、お昼に工場を見て回ると、お弁当を持ってきていない子ばかりである。

聞いてみると、朝食も食べていないという。

空腹のまま、一日作業。

これは、マズい。


女将さんと相談して、朝食とお昼の2食、給食を始めることにする。

ただし、従業員には、少し早く工場へ来てもらうことにした。


メル、ラーヴァ、女将さんと一緒に、市場で素材の調達を始める。

同時に、お手伝いさんを数人雇う。


給食が始まると、明らかに生産が上がった。

ホッとする。



給食を始めてしばらくすると、弟妹ていまいを連れてくる従業員が出た。

「自分達の分はいいから、この子達に給食を食べさせてくれないか。」

と、要望がある。


聞けば、弟妹達も1日1食。晩まで食事にありつけないと言う。

「うーん。そいつは可哀そうだなぁ。」

給食量を増やして、連れてきた弟妹達にも行き渡るようにする。



次の日から、従業員全員が弟妹を連れてきた。

職人、織子の指導員、お手伝いさんも、子供を連れての出勤である。


「うわ! こう来たか!」オレはビックリする。

「甘い顔見せるからw」ラーヴァが言った。

とりあえず、更に給食の量を増やして対応する。

食堂も拡張しないといけない。


こうなると、託児所の設置が必要となった。

とりあえず、テントを張って、託児所とする。

今は雨の少ない季節だからいいけど、いずれ建物を建てないといけない。



オレは、社会的インフラの無い社会で、工場を建てる苦労を経験している。

結局、生活施設とセットで建設しないといけないのだ。


「『武王』の兄ちゃん、

功夫クンフーしてる暇あったら、給食やったり保育所の1つでも建てろ。」


マジでそう思った。





今日は、3時頃起きてしまいまして、チョイ早めの投稿です。



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