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Heart on Fire ハートに火を着けて♡  作者: 三久
ウッタ・プラデシュ編
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第70話 王の招集(2)



1週間ほどして、物々しい集団がやってきた。


門前より、

『王の到着ーーー!!!』

婆様の到着のように、門前から、大声が響き渡る。

銅鑼やシンバル、図太いホルンの音が轟き、神輿みこしは、奥へと進んでいく。



神輿から降りた王は、思ったより若かった。

まだ40歳は、いってないだろう。


我々は礼拝の間で端座して、王と謁見する。


身の丈、大よそ2m。

ラーヴァのように、ほぼ人間である。

ただ『シッポ』があり、縞模様から、『虎』の系統であると伺えた。


全身を逞しい筋肉が覆っている。

まるで鎧だ。

木の幹のように太い首の上に、思ったより端正で理知的な顔が乗っていた。

長い黒い髪を頭頂やや後ろで束ね、服装といい、

中国三国志の登場人物のような印象である。



「面を上げよ。」

王と対座する。

傲岸不羈ごうがんふき』という言葉が似あう態度である。


「婆様、若くなったな。」王が笑った。

「仏の加護じゃよ。」

「ハハッ、そんな加護なら、俺も欲しいものよ。」

ニヤッと笑いながら、王が言う。


「そっちが、新しい『始祖様』か?」

突然、王がオレの方を見た。


すごい眼力だ。

金色のまなこから、猛々しい活力に満ちた力が、ほとばしる!


オレと言えば・・・

テキトーに、受け流していた。


ガン付けられたからって怒る年齢は、とうに過ぎている。

逆に、落ち着いて、王を観察していた。


まるで『炎』だな。

多分、全てを焼き尽くすような拳法を使うのだろう。

体も良く鍛えており、功夫クンフーは怠っていない。

もし戦えば、相当な困難に直面するはずだ。


王もオレを観察している。

澄ました顔で、オレは目を反らす。

左手が根本から無いのを見て、ニヤッと笑った。


「今回の新しい始祖様は、拳法は、お出来にならないと見える。」


スクッと立ち上がると、

「帰るぞ!!」

そのまま立ち上がると後ろを向き、オレを見て、

『フッ♪』と馬鹿にするように笑って去っていった。



一日が終わってから、オレはラーヴァを庭に誘った。

オレはラーヴァと並んで座り、

「なかなかの王だな。」

と、感想を述べる。


ラーヴァは、

「あの人は、女性に人気が高い。」

「ホウ。」

「強いからな。」


オレはラーヴァに、

「獣人の国について、少し教えてほしい。」

「? 解ることなら答えよう。」


「国防はどうなってる?」

「戦える者、全員参加で戦う。」

「軍隊はあるのか?」

「一応、王宮と、各拠点にある。

ただ、獣人は、基本みんな武人だから、即戦力になる。」


「だれが統率する?」

「将軍が何人かいて、統率して戦う。」

「基本的なことを尋ねるが・・・」

そうやって情報を聞き出し、政治的・軍事的な事項のチェックを行った。


うーん。獣人の政体は『ヴァイキング』が一番近いかな。

国というより、生活共同体という感覚が、一番近いみたいだな。



ラーヴァを先に帰らせ、一人瞑想する。


少し経つと、婆様の気配がした。


オレがそのまま瞑想していると、婆様が、

「目一杯、馬鹿にしていきよったな。」

と言う。


オレは、婆様に、

「質問がある。」

「何だ?」


「何用で、王は、ここに来た?」


婆様は、フッと笑うと、

「アヤツは、婿殿の『強さ』を確かめに来たのよ。」

「?」


「『始祖様』は、元々は武人であった。」


オレは、婆様を見る。

「最初、もっとずっと北の『カンディプル』というところにいて、

獣人相手に武術を教えておったのよ。」



「そもそも『武術』は、始祖様『達』が始めたものだ。」

婆様は、さらに続ける。

「縁あって夫婦になって、ワシは始祖様の『チャクラ』を開いた。

それからの始祖様は、無敵じゃったな。」

ネーハさんは、ニヤニヤしながら言った。


「それと、オレとの関係は?」

「アヤツは、私が若返ったことと、婿殿が始祖になったことを一緒に考えて、

自らの王の基盤が揺らぐかもと、心配したのさ。」

「ははぁ。」


「その『片手』の姿を見て、「相手にならず」と判断して、去ったのさ。」

「・・・。」


「悔しいか。」


オレは無くなった左腕を見て、

「まず、左腕を直さないと。」


「直す? 『治す』じゃないのか?」

婆様がヘンな顔をした。


「直すんだ。」

オレはニヤッと笑った。


「まずは、研究所兼工場からだな。」

オレは、ここ ウッタ・プラデシュで、産業革命を起こすつもりだった。




始祖がオレにくれた『プレゼント』。

それは、元の世界の『百科事典エンサイクロペディア』だった。


膨大な知識が、新たにオレの頭脳に収まった。


ハモンの優れた能力と相まって、オレのこれからやろうとすることに、

大いなる助けになるだろう。



次の日から、 ヴァーラーナシーと カーンプルで、古家探しが始まった。





投稿サイトの接続が悪くて、難儀してます。

中々入れない~w

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