第49話 案内人とダンジョン下層の攻略を考える
「よし。宝物殿攻略完了。みんな忘れ物は無いか?・・では、帰還する。」
我々チームαは、再び、ダンジョンから帰還した。
「今回も、中々のアイテムが獲れましたね。」
「案内人のおかげです。ありがとうございます。」
オレは感謝の言葉を述べた。
オレ達は、計3回の中層階のダンジョン攻略を行い、大した損害も無く、
大量のアイテムをゲットしていた。
ゲットしたアイテムは、ほとんどは、ラシード商会か市場にて売却。
オレが利用するものは、無料で引き取らせてもらっている。
ダンジョンがすごいのは、今までとは比較にならない量と金額の、
アイテムをゲットできることである。
3回侵入して、全員のβ-89からの旅賃と、侵入にかかった経費を引いても、
各人に結構な金額の報酬が出た。
「ダンジョン。いいですねぇ♪」
「イヤイヤイヤ¥」
「フッフッフッ¥」
「あと何回潜るんですの?」とイヴリン。
「中層階は、今回で最後の予定。次からは下層階をチャレンジしつつ、
ラスボスを目指そうかと思っている。」
「そうですか♪」
「イヤイヤイヤ¥」
「フッフッフッ¥」
・・・すまん。
みんな資金繰りには、苦労してたのね。
28年間、地球の暦で生きてきたオレは、7日間のうち、
1~2日間休みの生活が、望ましかった。
オレはここの所、5日チームで働き、1日研究、1日休みにしていた。
今日は、ダンジョンの案内人と、次回以降の侵入予定を立てるために、案内人ギルド近くのカフェで待ち合わせである。
「いつもお世話かけて、すいません。」
オレがあいさつすると、案内人は、
「いえいえ。こちらこそ、いつもお世話になっております。」
いつもお世話になっているダンジョンの案内人は、エルフの女性だった。
名前は『ヤスミン』さん。
雰囲気は一言で言えば『文学少女』である。
メルより2つ3つくらい年上なんだろうか、髪は長めのセミロング、
やっぱり真ん中分けしていて、栗色の髪をしていた。
やや切れ長の目をして、色は髪と同じ栗色、大き目の丸メガネをしている。
大人なんだけど、どこか子供っぽいかなと感じるのは、
おちょぼ口で、いわゆる『アヒル口』なせいだと思われる。
ほっそりとした躰をしていて、全体として『可愛い女性』という雰囲気があった。
「今だから言えるんですけど、最初オレ、ヤスミンさんのこと、女性だと気づきませんでした。」
「あ~、あははは。確か最初お会いした時は、ブカブカした服と帽子かぶってましたから。」
「今見ると、なんで間違えたんだろうと思うくらい、可愛いんですもんねぇ。」
「あら♡ お上手ですこと。」
「いえいえ。ホントに。」
「・・・。」
あ~、そこで真っ赤になられてもw
「あ~、コホン。次回からの予定なんですが、
中層階でやってみて、たぶんイケるだろうと思いますので、
下層階に侵入、ラスボス狙ってみようと思います。」
「・・その件なんですけど、案内人は、私でよろしいでしょうか?」
「?」
「実は、私、ほとんど下層階に行ってません。」
「案内できない?」
「いえいえw 案内できないんじゃなくて、案内させて、もらえないんです。」
「あらw」
「私、女性なものですから、
いつも、どちらかと言えば『お荷物』みたいな感じで扱われてきました。」
「はい。」
「例えば、パーティが危機に陥った時、
案内人は、パーティに協力して戦わないといけません。
でも、私だと、『頼りにならない』って思われちゃうんです。」
「あー。」
「私、確かに戦いじゃ、役に立ちません。でも、ダンジョンで出てくるモンスターの種類や特性、ワナの見分け方、進路の決定などには自信があります。」
「はい。」
「でも、『アンタみたいなほっそりした人じゃ、頼りにならん。』で、いつもパスされます。」
「はい。」
「なにか、それがくやしくて・・・。」
「ヤスミンさん。」
「はい。」
「オレは、ヤスミンさんの案内、気に入ってます。
出してくれるアドバイスも的確ですし、
我々が戦っている最中は、誤射の無い場所で、待機してくださってます。
我々のパーティでは問題ありません。
下層階でもヤスミンさんに案内していただきたいと思います。」
「では、私でいいんですか?」
「もちろん。これからもよろしくお願いします。」
「良かったぁ。」
ヤスミンさん、ホッとしたみたいだ。
「でも、ヤスミンさんは、
確かに、連れていくには迷っちゃう案内人なのかもしれませんね。」
「え!? どうしてです?」
「だってオレだったら、ヤスミンさんが危なくなったら、
たぶん、身を挺しても、守りに行っちゃいますもん。」
「え!?」
「ヤスミンさんが、それだけステキな女性だっていうこと♪」
ウインクしながらオレは言った。
あ、真っ赤になったw
それから2~3時間、ヤスミンさんにアドバイスをいただきながら、
オレは、ダンジョン下層攻略のため、色々と策を練っていった。
コイツはなかなかに、大変そうだぞ。
暑くなってきました。
夏、苦手w
みなさまも、体調管理には、お気をつけて。




