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Heart on Fire ハートに火を着けて♡  作者: 三久
バシレーア公国編
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第46話 アンタルヤの朝



バシレーア公国の朝は早い。

夜明け前から、礼拝の祈りがあちこちから聞こえる。


我々がアンタルヤに着いて、早3日。

ここは、ラシード商会アンタルヤ支部、屋上。


オレは、朝のストレッチ・ヨガをやっている。


こちらの世界は、朝からハードに動く。

「き・筋肉痛でw」と、休むわけにはいかない。

朝晩のメンテナンスが欠かせなかった。


夜明け前の大気は、爽やかである。


『ワニのポーズ』『ワシのポーズ』『ライオンのポーズ』・・・


静かに展開していると、

「何をやっているんだ!?」

見ると、ラーヴァがいる。


「ヨガだ。」

「知っているのか!?」

「ああ。昔、先生に教えてもらった」

「!? それは我が家に伝わる、秘伝の技だぞ!」


「・・・。 呼吸を整え、心と体を一体にする。」

「そ、その通りだ。」


彼女が驚いている理由が、見えてきた。

彼女の一族しか知らない技を、人間のオレが知っている。

・・・。

面白い。

ラーヴァは『ヨガ』を知っている。

ひょっとして、オレの他に、こちらの世界にきた人間がいる?


オレは落ち着いて、

「ラーヴァもやったらどうだ?」


しばらくして、礼拝用絨毯をもってきた彼女は、その上でヨガを始めた。


彼女のヨガは、美しく、しっかりしたものだった。

や、やるなw


・・・『瞑想のポーズ』

オレは、『瞑想のポーズ』のまま、ラーヴァに言った。


「これから少し聞きづらいことを聞く。いいか?」

「なんだ?」


「ラーヴァは、獣人と人間の混血だよな?」

「そうだ。」

「どのくらい混じっている?」

「?」

「先祖の何人が人間だった?」

「・・。 この『ヨーギー』を教えた始祖 1人だ。」

「ホホゥ。」


「彼1人が人間で、その後は女性ならば全て、ほぼ人間で生まれている。」

彼1人だけで、ずっとほぼ人間。

別格だな。


「彼は何か残しているか?」

「?」

「日記とか覚え書とか。」

「ああ。日記を残している。」


「どこにある。」

「私の実家。獣人の国だ。」

「読んだか?」

「我々の分らない言葉で書かれていて、読めん。」


これは興味深い。

彼は『日記』を残している。


内容を、ぜひ確かめたかった。

彼が体験した、この世界の情報が手に入るかも。

・・・獣人の国に行く必要が出てきたな。



・・『合掌』『礼』。


オレは、ラーヴァの方を向いて、正座して言った。

「ラーヴァ、言いづらいことを尋ねて済まなかった。」

深く礼をする。


「気にするな。」



それからラーヴァの、オレに接する態度が、優しくフレンドリーになった気がする。

それ以来、一緒にヨガをやっているせいもあるんだろう、

身内に接するような態度になった。


あ、そうだ。

そのうち寝坊2人組の、マオとマドレーヌにもヨガを教えてやろう。


ラーヴァ指導でね。




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