第45話 アンタルヤへ到着
アンタルヤへは、午後半ばに到着した。
何回か道を尋ね、支店を目指す。
ラシード商会アンタルヤ支店は、城壁の中にあった。
支店入り口では、入り口横にあるタルの上で、
マオが所在無げに足をプラプラさせている。
「マオ!」
オレは手を振りながら馬車の上から呼んだ。
「あっ! 兄ちゃん!」マオが駆け寄ってきた。
「留守番、ありがとな。」頭を撫でてお礼を言う。
マオに支店を案内してもらう。
支店は周囲を外壁に囲まれた4階建てで、門から入って中庭に出る構造になっている。
そこが荷物の集積所になっていて、
周りの建物が倉庫、納屋、事務所、居室になっていた。
我々は、馬車のまま中庭まで進んだ。
まずは事務所に向かう。
支店長のハメッドさんは、ラシードに似た感じで、落ち着いた感じの、
アゴヒゲを生やした中年エルフだった。
「私、ハメッドいいます。ケンター様のことは、ラシード様より承っております。
よろしくお願いします。」
胸に手を当てて、お辞儀する。
「私、ケンターと言います。ケンとお呼びください。
今日よりお世話になります。よろしくお願いします。」
オレも胸に手を当てて、お辞儀をした。
メルエルは、「ハメッド、超おひさ~♪」みたいな感じで、挨拶している。
昔からの知り合いなんだそうだ。
「ハメッド、ヒゲなんて生やして、なんかヘンw」
「いやいや。タシナミでしょう。」
「ヘンだってw」
・・・。
ずっとやってて。
他のメンバーの挨拶も済ませ、必要事項の確認を行う。
「ところで、他のメンバーは、着いてますか?」
「マオとキャラバン以来、ケンさんだけです。」
うーん。遅いな。
ひょっとして何か事故でもあったのかなと、少し心配し始めた時、
「すみません。ラシード商会アンタルヤ支部は、こちらでよろしいですか?」
と、マリーが入ってきた。
「何やってたんだ。遅いぞ。」
オレが文句を言うと、
「これでも急いでやってきたんだぞ。」
と、マリーが言い返す。
到着したマリベル、イヴリン、スオマをハメッドさんに紹介する。
ひとしきりメンバー紹介が終わると、オレは、
「泊まる場所は、ありますか?」
と尋ねた。
ラシッドさんは、
「こちらへどうぞ。」
と、部屋へ案内してくれる。
案内されたへやは、大広間1つに4つの居室、キッチンが付いた、
簡素だが、快適なものだった。
「この部屋でいかがですか?
足りなければ言っていただければ、さらに、ご用意します。
別途宿屋を、ご紹介もできます。
こちらでよろしいのでしたら、いつまでもお使いください。」
という、非常にありがたい御返事を頂けた。
「ありがとうございます。ここまで親切にしていただいて、本当に感謝です。
これからもよろしくお願いします。」
オレは深く、礼をした。
ハメッドさんが去り、個人の荷物を搬入した我々は、改めて全員の自己紹介をする。
マリーとイヴが、
「ここ1~2ヶ月の間に、メンバーが増えたな。」
「ホントに。」
と、感慨深げに言う。
挨拶もそこそこに、早速、部屋割りをした。
「オレとマオで1つ。メルとラーヴァで1つ。
マリーとイヴで1つ。スーとマドレーヌで1つ。
部屋割りは、これでヨロシク。」
各人の荷物を部屋に入れ、少し落ち着いたところで、オレはラーヴァに言った。
「では約束の、マドレーヌの交信を開放する。」
「マオ、こっち来い。」
マオが来ると、
「オレが教えた言葉を、マドレーヌに。」
マオは、
「えーと。『マドレーヌは、可愛いネコミミの女の子♡』ハートはイヤだぁ!」
しばらくしてマドレーヌが、
「戻ったかな?」
よし。
「マドレーヌ。ウシャクと交信。」
「りょーかい♪」
ラーヴァに、
「どうぞ。」
ラーヴァは、ありがとうと言って、
「こちらアンタルヤに到着。『天候は曇りのち雨』。」
マドレーヌは、
「交信再開を祝福する。『ウシャクは雪時々晴れ』。だって」
ちなみに、マドレーヌが言った通りだと、
「こーしんさいかいをしゅーふくする。『ウシャクは、ゆきときどきはれ。』だって。」
「チェックOK。」
ニヤッと笑ってラーヴァが言った。
「これで、最初の約束は、果たせたな。」
「ありがとう。」
いやいや、これからだよぉ。ラーヴァさん♪
ちょうど全員が集まっていたので、
「これからしばらくしたら、ハメッドさんに紹介していただいた所へ行って、
『全員無事到着&これからがんばるぞ!』パーティを行う。各人用意のこと!」
さぁ、いよいよ『チームα』始動開始だ。
レベルアップと収入をゲットだぜ!!
そんな感じで、アンタルヤ初日は暮れていった。




