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Heart on Fire ハートに火を着けて♡  作者: 三久
バシレーア公国編
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第40話  アンタルヤへ行く道筋にて(2)



翌日からは、ずっと陸路である。

今日も晴れで、のどかな道中が続く。

周囲は段々乾燥した、半砂漠みたいな感じに変わってくる。


分岐点のサリフリまで、後3日。

道中の合間にマドレーヌの通信能力のテストを試みる。


その1 『オレとマドレーヌの相互間通信はできるか。』

マドレーヌは、オレの考えてることを、テレパシーでわかる。

オレは、解らない。


その2 『マドレーヌのテレパシーは解析できるか。』

次に近くで、マドレーヌに、

オレへテレパシーで呼びかけてもらって、チェックしてみた。

『解析不能』

何か出ているのは判るのだが、翻訳できない。



その日、次の宿に泊まって寝転んでいる間に考えてみた。

仮設を立ててみる。

なぜ『解析不能』なのか。


通常の魔法は、解析可能。

特殊だったイヴリンの魔法も、少し複雑な方法をとったら解析できた。

違いは何だ?

・・・。


可能性が1つある。

彼女は『獣人語』で考えている。


オレが考えているのは、5大国で使われている『標準語』。

彼女はバイリンガル。オレは標準語のみ。

獣人語が解れば、解析可能?


・・・少し飛んだ仮説。

獣人じゃないけど、ひょっとしたらウチのネズミ達、パウとポウには通じる?


翌日、旅をしながら、メルにナイショでパウとポウを呼んで、

マドレーヌに会わせる。


彼女を見て、「うわーっ!!」と言った2匹は、あわてて隠れてしまった。

あ~。ゴメン。ネコとネズミだもんねw

2匹を落ち着かせて、状況を説明して、実験開始。



その3 『種族的には近い(と思う)、ネズミ2匹とマドレーヌは通信可能か。』

パウ&ポウーマドレーヌ間は、接続・理解可能。


よし!

間接的だが、オレvsマドレーヌ間のテレパシー交信は開通した。


そんなことをやってる間に、アンタルヤまでの道程も1/3は進んだ。



今日は、サリフリまで行く予定である。


一緒に実験を繰り返していたせいか、オレは、

抱っこして、耳をサワサワしたり、お話できる程度には、

マドレーヌと仲良くなっていた。


2匹のネズミは、旅の間、退屈しないように、彼女に貸していた。

幸い彼女は、ネズミ2匹を食べないで(!)、仲良くなっていた。



マドレーヌは、『ちっちゃいネコ耳したお嬢ちゃん』である。


まだ大きくなっていない耳。

おかっぱ頭。

クリクリした目

プニプニした頬。


最初は表情が乏しかったが、

オレに慣れてきたら、クルクルと変わるようになった。

とても愛くるしい。


『ご主人様』が、寵愛する訳だ。

全身から『可愛がって♡』オーラ、全開である。



ここ1~2日、オレがマドレーヌと、ああでもない、こうでもないとやっているので、

メルは、何やってるんだろと思っているだろうな。

怪訝な表情で、時々こちらをチラチラ見ている。


マオは我々の馬車を離れて、キャラバンの人達と仲良くなって、

使いパシリをやっている。

小遣いもらったり、お菓子もらったりして、ずいぶん親しんでいた。

さすが野生児。しっかり稼ぐな。



今は、午後半ば。

只今オレは、メルより馬車の操作練習中。


旅の初日から教えてもらっていたのだが、中々難しい。

4日目で、何とか扱えるといった程度である。


「う~ん。ケンは、馬車に関しては、アンマリだよね。」

メルがニヤニヤしながら言う。

「馬にナメられてるのかもね~。」


確かに。


2頭立てなんだが、その中の1頭が、言うことを聞かない。

メルの言うことは従うクセにw


コイツと思っていたら、馬車の後部からマドレーヌがやって来て、

「この『人』に言ってみる。ケン停めて。」

馬車を停めると、彼女は馬の前に行って、何やら言っている。


戻ってくると、

「いいよぉ♪」

馬が急に、言うこと聞くようになった。


それをメルが見てて、「何々、何やったの!?」と聞く。

「何やったんだろ?」

まだ仮説実証中のもの、言いませんよ。メルさん。


マドレーヌとウインクでコンタクト。

メルが、『あーっ!』っていう顔してた。



その晩、サリフリに着いて、1泊する。

明日は、キャラバンと別れて、目的地ウシャクに向かって進む予定だ。


宿で一人寝転んで、オレは考えていた。


4日間付き合って解ったことは、マドレーヌのテレパシー能力は、相当使える。

獣人の中でも突出しているんじゃないかと考えられる。

じゃなきゃ、わざわざお屋敷から誘拐しないもんな。


多分、獣人側の反体制派である『赤い牙』が、彼女を見つけて、

呼び寄せて使う気なんだろう。


もし、テレパシーが獣人に発生する能力で、それが集団でいるとすると、

今でも相当手ごわい戦力だ。


ここでマドレーヌが獣人側に参加して、広域情報ネットワーク築かれたら、

公国の戦力を以てしても、かなり苦戦するだろう。


元いた世界でも、よく言われていた。

『情報を制する者は、世界を制す。』



さーて、どうするか。


オレ個人としては、獣人には同情していた。

仲間や親族を奴隷売買されれば、腹も立つだろう。


ただ、それに共感して、獣人に同調するかと言えば、

『NO』。


バシレーア公国は、メルのほぼ母国だし、ラシード達もいる。

何より、マドレーヌとマオを戦に巻き込むなんぞ、真っ平ゴメンだ。


「・・・。」


そろそろ、一人で考える時期は越えた。


オレはベットから起きて、メルに相談しに行った。




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