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チクビ爆弾

※便所のネズミもゲロを吐くような下品極まる内容です。

 苦手な方はご遠慮ください。

 非常にまずいことになった。

 両乳首に爆弾を設置されてしまったのだ。

 

 爆弾と言っても大きさは爆竹程度であり、致命的な威力を保持しているとは思えない。。

 しかし、起爆したら、最後……

 二度と乳首相撲出来ない乳首になってしまうだろう……。


 たしかに、たとえ乳首相撲出来なくなっても困ることはない。

 だが、親からもらった大事な乳首を傷物にするわけには行かない。


「乳首爆破許すまじ。ソイヤッ」


 と、力任せに引き剥がそうと試みる。

 だが、問題は簡単には解決しなかった。


 どうやらこの爆弾、アロンアルファでべったりと貼り付けられているらしい。

 これを思いっきり引き剥がしたら最後……

 二度と乳首相撲が出来ない乳首になってしまうだろう……。


 こうなってしまえば『瞬間接着剤剥離剤』を買いに行くしかない。

 しかし、事実上それは採用し得ない選択肢だった。


 理由は簡単。

 時間が無いからだ。

 

 そう。

 これは時限爆弾なのである。

 起爆まであと200秒余り……。

 ホームセンターまで走ったところで、道半ばで両胸に二輪の花が咲くことは必至。

 近所のコンビニなら急げば50秒程度で到達できるが、コンビニに瞬間接着剤剥離剤が置いてあるという保証もない。

 鞄の中にスマホはあるが、流石のアマゾンプライムも、このような急を要する事態には対応できまい。


 そんなことを考えているうちにも、デジタル表記で示される残り時間は刻一刻と少なくなっていった。


 あと、150秒……。


 早くも私は追い詰められてしまったという訳だ。


 しかし、ここで諦めては日本男児の名が廃る。

 絶体絶命のピンチを乗り切ってこそ、人間は一回りも二回りの成長するのである。

 事実、私はそうやって生きてきたし、これからもそうして生きていく。


「落ち着け……落ち着け……」


 自分で何とかするしかなかった。

 今、自分が持っているプロパティや知識を総動員してこの窮地を脱するしかない……。


 ……などと考えている間に更に20秒経過。

 あと130秒。


「スーッハーッスーッハーッ」」


 ややもすればオーバーヒートしてしまいそうな脳味噌を深呼吸で冷やし、体中の細胞をフル動員して、解決策を模索する……。


「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」


 そして、ついに閃いた。

 というより思い出したのだ。


 熱さえあれば、なんとかなる!

 と。


 昨日、テレ東の関ジャニが出ている番組で、『瞬間接着剤の剥がし方』なるものが紹介されていた。

 なんでも、市販の瞬間接着剤は熱に弱く、熱めのお湯につけることで、簡単にはがすことが出来るらしい。

 

 熱。

 熱。

 熱。

 熱はどこだ?


 探すまでも無く、私は熱源を見出した。

 火の点いたロウソクを持った女王様が、私を見下ろしていたからである。


 この女王様をうまく誘導すれば、アロンアルファを溶けた蝋の熱で融解できるかもしれない!

 そういうわけで、私は彼女に懇願した。


「ああ! 女王様! 下さい! そのあっついのを下さい!」

「ほーう、何処に欲しいんだい? 言ってごらん?」

「胸に! 胸に頂戴!」

「ああん? なんだって? ブヒブヒとしか聞こえないわ。ちゃんと人間の言葉で喋りなさい。この、豚野郎ッ!」

「ください! おっぱいにかけてください! おねがいしますっ!」

「こーんな恥ずかしい恰好の乳首にかけて欲しいの? ほんと、とんでもないド変態ね」

「早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ早くッ」

「必死に焦っちゃって、フフッ、ほんっとに惨めで笑えるわ、アンタの顔!」

「あーん、焦らさんといてぇェェー! チクビ逝っちゃうぅぅ! 両乳首同時に爆発しちゃうぅぅぅ!」

「しょうがないなぁー。じゃあ、右乳首から、ほーれ☆」

「あぁぁあああぁ~! TKB(チクビ)QNQN(キュンキュン)するんじゃァァァァアアアア!」


 私の迫真の演技の甲斐もあり、なんとか右乳首に蝋をかけてくれた。

 蝋はSMプレイ専用の低温蝋燭であり、非常に心地い熱さが、私の右乳首を火照らせた。

 同時に、程よい熱でアロンアルファが融解し、火薬が暴発することもなく、無事、右乳首から爆弾を取り外すことに成功した。


 あと一つッ。

 残り時間は60秒。

 

 いけるッ。

 いけるで、これッ。


 しかし、運命は残酷である。


 ピピピ、ピピピ、ピピピ、ピピピ……。


 サービス時間終了を告げるキッチンタイマーの音が、無情にも鳴り響いたのだ。


 延長を希望しようにも、財布の中には交通費分の金銭しか残っていない……。

 ここで延長してしまったら、妻子が待つスウィートホームに帰れなくなる。


「どうします? また30分延長します?」


 女王様が事務的な口調で言った。

 タイムリミットは無情にも迫って来る……。


 50秒

 49秒

 48秒

 ……。


「《秒》でいい」

 私は、低く沈んだ牡牛のような声で言った。

「はい?」


 46秒

 45秒


 女王様は2秒間困惑した表情をした。


「《30秒》の延長で満足してみせる」


「あの……お客様……当店では秒単位でのオーダーはちょっと……」


 41秒

 40秒


「いいから黙って乳首を攻めろっつってんだよッ、このクソアマッ」

 そう言って、女王様の両足を掴む。

「ヒイッ」


 女王様はしゃっくりのような悲鳴をあげると、蝋燭を持ったまま拷問部屋サービスルームを飛び出してしまった。

 私の手には、女王様のブーツだけが残った。


 蝋燭だけでも強奪しようと踏み出した私。

 しかし、次の瞬間、肛門に激痛が走る。


 迂闊。


 そういえば、ケツに異物を入れられたままだったのだ……。

 ケツに異物を入れたまま、人は素早く動くことが出来ない。

 肛門が損傷してしまう恐れがあるからだ。


 こどもでもわかる、簡単な理屈である。


 30秒

 29秒

 28秒

 27秒


 ダラダラと流れる冷や汗とともに、無情にも時間は過ぎ去っていく。

 しかし、この時私は、もう一つ重要なことを思い出したのであった。


 今、ケツに差さっているものは何であったか――?


 私はケツに手を伸ばす。

 程よい熱を持ったヌルヌルの物体を掴む。


 ここにもあった――

 ――とっておきのが、もう一本!


「ソイヤッ」


 私は気合を入れつつソレを引き抜いた。

 気合を入れ過ぎたせいもあり、同時に大量に排泄してしまった。

 だが、今やそんなことはどうでも良かった。


 私は糞塗れの床の上で、右手に蝋燭を持ったまま、すっくと立ち上がった。


 そう。

 ケツに刺さっていたのは低温蝋燭だ。

 女王様に懇願して、ケツに挿してもらったものである。


「Fuuuuuuu!!!」


 私は雄たけびを上げながら、糞塗くそまみれのロウソクから滴る蝋を左乳首に塗りたくった。

 適温の蝋がアロンアルファを融解し、晴れて私は乳首爆弾をパージすることに成功した。


 そのとき、拷問部屋サービスルームのドアが開き、黒服の男が二名入ってきた。


 黒服A「なにこれ! くっさ!(白目を剥きながら)」

 黒服B「お客様、こまります!(嘔吐しながら)」


 まずい。

 このままでは出禁になる。


 そう思った私は、

「しかたなかったんじゃあ! しかたなかったんじゃあ!」

 と呟きながら、床の上の糞を掻き集めた。


 黒服A「くっさ!」

 黒服B「お客様!」


 たじろいている二人の足元に、糞で作ったボールを転がす私。

 糞の中にはパージした時限爆弾が仕込んである。


 黒服A「ギャアッ!」

 黒服B「ヴォエッ!」


 一目散に逃げようとする二人。


「逃げても無駄だ」

 と、私。


 3秒

 2秒

 1秒


 バァン!


 小気味良い音が鳴り響き、糞が四方八方に飛散して、黒服達の背中や後頭部を隈なく汚した。


 私も全身糞塗れになったが、元々糞塗れも同然の出で立ちであったのでノープロブレムだった。


 糞塗れの黒服が飛び出してきたことによって、店内は大騒ぎとなる。

 追い打ちをかけるように私が飛び出して、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。


 その混乱に乗じて、私は店舗を後にした。

 無論、糞塗れの100円玉をカウンターに置いて行った。

 

 30秒分の延長料金はきちんと支払い終えたという訳だ。


春子はるこのぞみ、待ってろよ!」


 愛する妻子の名を口にして、深夜の風俗街を全裸で突っ走る。

 夜風が火照った体に大変心地よかった。


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