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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

BLゲー主人公のヲタ姉やってます(キラッ☆)

作者: 小沢 なえ

「ぶっはぁーー!!俺得ぅーーーー!!」


女子とは思えぬ奇妙な叫び声をあげた私に隣から「またか・・・」と言う視線がとんでくる。


「・・・なに?またいいシチュエーションでもあったの?」


隣で本当にこいつと血繋がってんの?と本気で疑ってしまうほどのキラキライケメン、私の双子の弟、めぐるが呆れたようにこっちを見ていた。


「そう!!これを見ておくれ、弟よ!!」


私は持っていたゲーム機をめぐるに見せる。

画面には主人公(男)を攻略対象者(男)が壁ドンしているスチルがうつっている。


「はいはい。・・・またBLゲーか、よく飽きないな。」

「そりゃぁ、飽きないさ。男同士という壁に、婚約者のいる隼人に恋をし身を焦がすめぐるについ隼人がせまるシーンに私が萌えない訳がないだろう?」

「・・・姉さん、毎回言ってるけどさ、BLゲーやるのは構わないけど主人公の名前僕にするのやめてくれない?・・・言っても無駄だろうけど。」


よく分かってるじゃないか。主人公の名前を変える気はないよ。

だって、めぐるって受け顔だから私の好きなBLゲーの主人公にピッタリだし何より・・・


「弟と同級生が禁断の関係とか想像もうそうするだけでもぅ・・・萌える、もえ死ねる(鼻血)」

「はぁ・・・やっぱり言っても無駄だよね・・・。まぁ、その、禁断の関係ってのは僕も嫌いじゃないけど、例えば・・・姉と、弟・・とか・・・。」

「あーいいよね、と弟!!」

「・・・。」


隣から心底疲れたようなため息が聞こえた。


「?めぐる、疲れてるのか?」

「うん、そうみたい・・・おもに姉さんのせいでね・・・。」


最後の方はうまく聞き取れなかったが、そうか、めぐるは疲れていたのか。

気づけなかったとは、姉として恥ずかしい。

そうだ!!散歩にでも誘おう。最近二人で出かけることなんてあまりなかったし、きっといい気分転換になるだろう。


「めぐる、今から二人でデートしようか。」

「随分突然だね・・・って、はぁ?で、でデ、デート?な、なんでっ?」

「なんでって、疲れてるんだろう?気分転換にどうかと思って。まぁ、デートって言っても散歩するだけだが、嫌か?」

「っ!!全然嫌じゃないよ!!むしろすごく嬉しい!!それなら早くいこう、すぐいこう、今すぐに!!」


急にテンションのあがっためぐるに私はなかば引きずられるように散歩に出かけた。

そこでトラックにはねられて弟と一緒に死んだ。












私と弟は一度死んだが、すぐに二人一緒に生まれ変わった。

前世と同じく私が姉でめぐるが弟だった。私も弟も前世の記憶を持っていた。

見た目も前世とそう変わらず弟はキラキラしてた。

ただ前世と違い家がすごいお金持ちだった。

生まれ変わって十五年じゅうごさいになるが前世平民ゲームオタクだった私がお嬢様って呼ばれるのはいまだになれない。

前世と変わらずめぐるとの仲はいい(今世でも弟の名前はめぐるだった)。

むしろ前世よりめぐるは私にべったりである。

高校も同じ所に行くことになった。

お金持ちのための学校だ。

そこである男子生徒を見て気づいた。


「キャー!隼人様よ!」「かっこいいわ~!」「あらダメよ。隼人様には婚約者がいるわ。」


私は前世で画面越しに見た顔を見ながら呟いた。


「ここ、あのBLゲーの世界だ・・・。」


わーここがあのBLゲーの世界だとしたら主人公ってもしかして・・・まさか、ね。

とりあいず、めぐるにそっちの気があるのかだけ聞いておこう。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



僕の姉さんはゲームオタクだ。

特に乙女ゲームやBLゲーには目がなかった。

若干引きこもり気味の姉さんが出かけるのはそういうイベントぐらいで、姉さんがデ、デートに誘ってくれたときには天にものぼる気分だった。

たとえ姉さんが僕の気持ちに気づいてなくても・・・。


まぁ、そのデートで本当に天に昇るとは思ってもいなかったけど。









「あ、目、覚めました?」


目が覚めると白い、どこまでも白い世界に寝転がっていた。

そんな僕を背中から白い羽根生えちゃってる男が覗き込んでいる。

?ここどこだ?たしかトラックにはねられて・・・


「はっ!!姉さんはっ!!」

「っ!!」


いきなり起き上がったら僕を覗き込んでいた男の頭に頭突きしてしまった。

しかしそんな事どうでもいい。

僕は目の前の男の肩をつかんで激しく揺さぶった。


「姉さんは?!姉さんはどこ?!!」

「おっ、落ち着いてください~!首っ、くるしっ・・!!」


はっ!!と我にかえって男から手をはなす。


「ゲホッ・・げほっ、ふー落ち着いて聞いてください、あなたとあなたのお姉さんは死にました。そしてここはあの世とこの世の間みたいなところです。ここにあなたがいるのは一億人に一人、神様に願いを叶えてもらえるラッキーボーイに選ばれたからです!わーパチパチ」

「願いを・・・叶えてもらえる?」

「はいっ!!神様の力を定期的に調べるためにランダムで人間を選んで願いを叶えるという形で力を使わせてもらう訳です・・・っとそんなことはどうでもいいです。とりあえずどんな願いでも叶えますよ。もう死んでいるので来世で、ですけど。」


どんな願いでも?だったら願うことは一つ。


「また姉さんとデートしたい。」

「そんな事でいいんですか?。・・・分かりました。」


男のその言葉を最後に目の前が真っ暗になった。









「めぐるも前世のこと覚えてたの?」

「うん。」

「そっかー、たしかデートの最中に死んじゃったんだよね。」

「うん・・・。」

「そんな悲しい顔しないでよ。また会えたんだし・・・そうだ!今からデートの続きしようよ!前世のことも話したいしさ。」

「うん!!」


本当は恋人同士のデートがしたかったんだけど・・・


でもまだチャンスはあるはずだ!

今世こそ姉さんに僕の気持ちをわかってもらうんだ!!



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