プロローグ
遙か昔――
強大な力を持つ魔王に立ち向かう、一人の勇者がいた。
壮絶な戦いの末、魔王を倒した勇者だったが。
最後の力を振り絞り、魔王が勇者に向け呪いを放った。
それは、長い年月をかけ勇者の子孫へと降りかかる。
小さな町の、小さな家。
そこから聞こえてくるのは、慌ただしい足音と小さな男の子の泣き声だった。
「うわぁーん、お姉ちゃん待ってよぉ~!」
「早くしないか、真央。学校に遅れるだろ」
家のドアが勢いよく開き、年の頃16.7程の少女とその後ろから8歳くらいの男の子が出てきた。
「まったく。今日こそは早く起きるっていってたのは、真央だったじゃないか」
「うぅ・・・・。そ、それは魔法の練習をしてたら・・・・」
「魔法?なんの魔法を練習してた?炎?水?それとも雷か?何にしても、真央にはまだ魔法は早い」
「でも、もぅお姉ちゃんの魔法銃を借りるのはやだよ・・・」
真央、と呼ばれた男の子は肩から提げた鞄から、引き金のついた四角い箱のようなものを取り出した。
カチ、ン、と箱の扉を開くと中から金色の円盤が出てきた。
「え・・・・?なんで、金色?」
「攻撃は飽きたからな。盾の方が真央にはいいだろうから」
真央から箱を取ると、パチンと扉を閉めた。
「魔法銃は真央を守るものだ。魔法をまだ満足に使えないのならこれしかないだろう?」
真央にそれを渡し、少女は門を開けた。
「その盾は特製だ。私の、な」
真央に顔を向け、にやりと笑みを浮かべた。
作者初の小説です。
拙い文ですが、読んでいただければ幸いです。
魔法銃
魔法を使えない、幼い子供や戦士などが使う銃。
なかに魔法を一度だけ溜めておける円盤が入っており、その色によっても魔法は異なる。
ちなみに、金色は特別で魔法を3回分ほど溜めておける仕様になっている。
魔法
戦士や幼い子供以外は、誰でも使える。戦士が使えないのは、ただ単に幼い頃から魔法を覚えなかっただけであり、ごくまれに魔法を使える戦士もいる。