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女神伝説  作者: Sugary
第三章
38/127

13 戻ってきたミュエリ ※

 カイゼルが去ってから二日が経った夜、あたしはまた、椅子に腰掛け夜空を見上げていた。

 もちろん、隣にはルーフィンが行儀よく座っている。

 あたしは頭に手を置いた。

「ルーフィン…あたし、初めて違う色を見たわ」

『違う…?』

「うん…。ミュエリのおばあちゃんの時は綺麗に輝いてた…」

『死を予知する光…のことですか?』

「そう。もちろん、それ以外の色はみんな初めて見る色なんだけどさ…。シニアさんから赤守球を奪った時、逃げながら後ろを振り返ったら見えたのよ。頭の上で揺れる黒く怪しいカゲみたいなものを…。その時は、全然、気付かなかったけどね。黒風かと思ったから…。あんな色もあるのね…」

『そうですね。自分から命を捨てる時や、誰かによって殺されてしまう時は、そういう色で見えてしまうのですが、それほど件数は多くないですからね…』

「誰かに殺される…か…。それがあたし自身だったとはね…」

『すみません…責めるつもりでは…』

「ううん、いいのよ。責められても耐えなきゃ…。それに、忘れちゃいけない事だわ、こういう事って」

『そう…ですね』

「──でもさ、偶然とはいえ、正夢になったあの夢と、死を予知する光と結びつけることができてたら、やっぱり、少しは違ってたかな…って思っちゃうわ…」

『夢…ですか?』

「うん…。ミュエリが連れ去られたあと、あたし、宿で気を失ったじゃない? それから目覚める時、シニアを刺して殺してしまう夢を見たのよ…。その時は、リヴィアしか知らないから、シニアだとは思わなかったんだけどね」

『本当ですか?』

 少々驚いたルーフィンを不審に思いながらも、無言で頷いた。

「まさか、正夢になるとは思ってなかったしさ、そうなったって気付いたのも、結局、シニアの体から血が流れてる時だったし……」

『それは…〝正夢になった〟 んじゃありませんよ…』

「え…?」

『新たな力…です。正夢になったのではなく、これから起こることを夢で予知する…そんな力ですよ』

 彼の言葉に、今度はあたしが驚かされた。

「ま…さか…?」

『…おそらく、間違いないでしょう』

「…や…だ。だったら…あたしが気付いてさえいれば、避けれたんじゃない…」

『それはムリです』

「どうして…?」

『厳密に言えば、予知した事によって、その事態を避けることはできます。でも、それはしてはならない事なのです』

「だったら…なんでそんな力が備わるのよ…? 事態を変えちゃいけないなら…先の事を予知する意味なんかないじゃない…」

『予知する力は、未来を変えるために備わるのではありません。その事態をいかに正しく把握し、そのあとにどう繋げていくか…それを考える為に備わるものなのですよ』

「…よく…分からないわ…」

『…そうでしょうね。でも、そのうち分かってくることですから』

 また、いつかの時と同じようにそんな言葉で締めくくられた。

 ちょうどその時だった。後ろの戸が開く音がして振り返ると、ネオスが出てくるところだった。同時に、数日前の時と同じようにルーフィンが家の中に入っていく。

「星がよく見えるね…」

「うん…」

「また、何か考え事…?」

 そう言って、ネオスはルーフィンがいた所に座り込む。

 イオータと同じだわ。まぁ、そこしか座る所がないといったら、それまでなんだけど…。

「う~ん…特にそういうのはないけどね…。あ、でも、あるといえばあるかな…」

 実は、この二日間、ジーネスを見て思ったことがあったのだ。

「目は何の為に見えるんだろう…って」

「目…?」

「うん。ジーネスはさ、目が見えないけど、シニアと話をして、彼女が悪い人じゃないことを見抜いてたのよね。なのに、あたしは…シニアの方が悪い人だと思ってた…。イオータが言ったように、〝あんな綺麗な人が、そんな酷いことするはずがない〟 っていうだけの理由で、リヴィを信じてしまったし…。シニアの事だって、多分、外見で判断してたのよ、あたし…。つまり、目の見えない人が真実を見抜いてて、目の見えるあたしが真実を見抜けなかったってこと。だとしたら、何の為に目は見えるんだろう…ってね」

「なるほど…。なかなか鋭いね」

「確かに、目が見えないと、そういう感覚って鋭くなるんだろうけど…」

「うん…。でも、だからといって、見えなければいいってことじゃないよね。──そうだなぁ…目が見えるのは、そういう事を経験する為かもね」

「そういう事…?」

「そう。まぁ、色々、理由はあるだろうけど、その中のひとつとして、今、ルフェラが言ったようなことに気付く為じゃないかな。外見で判断しちゃいけないってことに気付くのって、大事なことだと思うし、目が見えてないと分からないことだからね」

「そっか…」

「ばばさまの言葉だったら…そうだな…。〝完璧なものは、そうでないものより劣る〟 ってことを学ぶのかも…」

「完璧な…ものは…?」

 あたしが途中まで繰り返すと、ネオスは頷いて、そのあとを続けた。

「…そうでないものより劣る。──目のことを例に挙げれば、五感の揃った僕たちが完璧だとしたら、ジーネスは僕たちより劣るだろ? でも、実は、僕たちにとって殆ど感じることのない第六感が優れていたりして…結局、劣っているのは僕たちの方かもしれない…ってことだよ。

 リヴィアとシニアもそう。一見、容姿も性格も完璧に見えたリヴィアだったけど、そうでなかったシニアの方が実は優れていた…って感じかな。まぁ…結局の所、どちらが悪いとは言えなかったけどね」

「なる…ほど…」

「──それより僕は、今回のことで 〝月の裏側〟 を見た気がしたよ」

「月の…裏側…?」

 何を意味するのか全く分からず、語尾を上げて問い返してみたものの、ネオスは、月を見上げて 〝うん…〟 と呟くだけだった。

 仕方なく、あたしも月に目をやる。

 ややあって、再び声が聞こえてきた。

「月の裏側って、見たことある?」

「う、ううん…。だって、月の形こそ毎日変わるけど、模様は変わらないもの。それって、毎日、同じ面を見せてるってことでしょ?」

 よく、月や星を見てるから、それは間違いない。ゆえに、月の裏側は見たことないはずだ。

 自信を持ってそう答えると、ネオスも頷く。

「──じゃぁ、想像した事…もしくは、考えた事は?」

 新たな質問に、あたしは首を横に振った。

「そうなんだよね。僕たちは目に映るものはよく見てるけど、そうじゃない部分は考えないことが多いんだ。〝物〟 は表面だけじゃな成り立たない。薄い紙一枚だって、表と裏があって、一枚の紙が存在するわけだろ? 月だってそうなんだ。必ず裏があるはず。──なのに、考えもしないし気付きもしない。表面だけ見て、全て知った気になっているんだ。

 それは、人にだって言えることなんだよ。一見、心に何の曇りもなく幸せそうに見えたリヴィアも、裏を覗けば、悲しく辛い過去があった。それが原因で、こんな村が作られているのに、村人達は何も気付いていないんだ。表面的な部分を信じ切って、疑うことさえしない。もちろん、疑われないようにシニアも気を配っていたんだけど、それだけじゃないと思うんだよね。唯一、僕たちの後をつけてきた子供のおばあさんが、かろうじて何かに気付いていたのかも…。だけど、結局の所、本当のリヴィアやシニアを見てる人はいないんだ。

 そんな中で……大変だったけど、僕たちは、リヴィア達の裏を見た気がするんだ」

 ネオスの説明は、一言一言が、どれも納得いくものだった。心の中にも染み込んでくる。

「月の裏側、か…。何の為に目が見えるのか…っていう疑問と似てるけど、ネオスのほうが規模が大きいわね。──なんか、すごく大事なことを学んだような気がする」

「僕も…。──それに、色々あったしね」

「ほんと、色々あって…色々 学んだわ」

 それからしばらく、ネオスもあたしも黙ったままで空を見上げていた。

 ──と、不意に、ネオスが 〝あっ…〟 と声を漏らした。

「な…に、どうしたの?」

「お風呂沸いたから、入るよう伝えにきたんだった…」

 外に出てきた本来の目的を思い出して、〝すっかり忘れてた〟 と肩をすぼめた その姿に、あたしは思わず笑ってしまった。

「じゃぁ、冷めないうちに入ってこなきゃ…」

 あたしはそう言うと、まだしばらく外にいるというネオスを残し、家の中に入っていった。



 それから更に二日後、その日は突然やってきた…。

 朝早く、外が騒がしくなったと思ったら、歓喜の声が沸きあがってきたのだ。

 何事かと思う間もなく、〝その日〟 が来たのだと分かる。

 しかし、外に出てみれば、その変わり様に驚かされた。リヴィアの家の方角にあった森が、忽然と消えていたのだ。今や、二つの村は一つになっていた。

 自分達が知っている、本来の村が目の前に広がり、それぞれに分かれていた村人たちが一斉に駆け寄る。喜びの涙を流す人が殆どだ。

 そんな中で、唯一、不思議な顔をしているのは、ジーネスの家で育った子供達。

 一歳や二歳の子が、本来の村を覚えていないのは当然の事。ゆえに今の光景の方が異様なのだろう。ただただ、目の前の光景を見つめるばかりだった…。

 だけど、そこは頭の柔らかい子供だ。時間も経てば、喜ぶ大人たちを見ているうちに、なんだか気分も明るくなる。意味は理解できなくても、なんだか嬉しくてはしゃぎまくっていたのだ。

「順応性が高いって、すばらしいわよね…」

「そう…ですね…」

 はしゃぐ子供達を見てボソリと呟くと、ジーネスもポツリと呟く。

 その言葉に元気がなくて、隣を見てみれば、なんとも複雑そうな顔を浮かべているではないか…。

 どうしたのかと口を開きかけて、ハタッ…と気が付く…。

 そ…うか…。

 村が元に戻ったってことは…つまり、子供達の親も戻ってくるという事…。それは、子供達との別れを意味するのだ…。

「ジーネ……」

「あの子達のお母さん、自分の子供だって気付いてくれるでしょうか…。赤ちゃんの頃の面影、ちゃんと残ってるかな…」

 気付いて欲しいような、そうでないような…そんな複雑な心境が伝わってくる。

 こういう時、なんて言葉を掛ければいいんだろう…。

 〝みんな、ジーネスのこと好きだから、離れないんじゃないかな…〟

 〝みんな、忘れないから…〟

 〝お母さんが気付かなかったら、そのまま一緒に暮らせばいいよ…〟

 どれもこれも、嘘っぱちに聞こえる言葉だ。ジーネスを慰めるどころか、心にも届かない…。

 色々考えた末、あたしはただひとつ確かなことを口にすることにした。

「………分かるわよ。だって…愛する我が子だもの…」

 自分の手から離れていくのは悲しい事だ。だけど、あの子達が帰る場所は、〝愛してくれる人の元〟 だという事には間違いないはずなのだ。

 その言葉で何かをふんぎったのか、それは分からないが、少し間があってから、ジーネスはいつもの口調を取り戻した。

「私も、負けないぐらい愛してくれる人 見つけようかなぁ~」

「あぁ~、それいいかも」

「ですよね?」

「うん。──あ、でも、反対する人が一人…」

「え…?」

「ほら、ラディの弟が──」

「あ…そう言えば…」

「かなり、手強いと思うけど…」

「だとしたら、ルフェラさんも恋人、作れないですね」

「やだ…そうじゃない…」

 〝それは問題だわ〟 と付け足せば、ジーネスもあたしもそのまま 〝プーッ〟 と噴き出してしまった。

 それから数時間もすると、お昼時になり、再会した家族はみんなが集まって食事をし始める。そのせいか、騒がしすぎた村の様子も、ようやくあたしたちが知る 〝普通の村〟 に落ち着き始めていた。

 そんな頃、玄関の戸が上品な音を立てた。

 机の上に、お箸を並べていたシリカが、元気な声で出迎える。

「はぁ~い! あいてまぁ~す!!」

 出迎えの言葉を受けると、すぐに、戸が開けられた。

「あ…」

 そこに現れた人物を見て、シリカの動きが止まる。下手すると、机に置こうとした箸を落としてしまいそうだ。

 シリカの口から漏れた声に、それまでワイのワイのと騒いでいた他の子供たちも、瞬時に体の動きが止まった。しかしその一瞬後には、玄関の入り口に立っている人を取り囲み始めた。

 あたしが気付いたのも、その時だった…。

「カイゼル…さん…」

「あ…ルフェラさん…約束どおり、戻ってきました」

 そう言って、玄関の外に向けて手を招けば、懐かしい、元気そうな顔が現れた。

「ミュエリ…!」

 その次の行動は、自分でも驚くほどだった。

「や…な、なによ…急に──」

 あたしは、思いっきりミュエリに抱きついていたのだ。

挿絵(By みてみん)

「…よ…かった…ほんとに…よかった…」

 素直な気持ちが、何度も口から溢れてくる。嬉しさのあまり、涙まで出てくるのだ。

 突然のことで驚きを隠せないミュエリも、涙を流すあたしに気付くと、困惑したように立ち尽くしていた。

 それでも状況が飲め込めないのが、気持ち悪くて仕方がないのだろう。目の前に集まったネオスたちを見ると、いつもの憎まれ口を叩き始めた。

「ちょっと…離れなさいよ。女の人に抱きつかれるのなんて、趣味じゃないわよ、私は。──だいたい何よ、みんなして…宿を変えたんなら 〝変えた〟 って言いなさいよね。それに、どうして、私を見てあなたが泣くのよ? まるで、死の淵から、奇跡の生還を果たした人みたいな目で見ちゃってさ──」

 普段なら怒れてくることだったが、今はとにかく嬉しい。

「だ…から…どうして、笑ってるのよ…。気持ち悪いわね…」

「お前なぁ…人をどれだけ心配させたか──」

「心配!? なによそれ? 私が心配かけたっていうの?」

「めーいっぱい、かけてるだろーが!?」

「知らないわよ。──だいたい、何かがあったとしても、あなたに心配してもらったって、嬉しくもなんともないわ」

「おまっ…ほんっと、可愛くねーなー。あ~ぁ、どうせなら、一回死んでこりゃよかったんだよ! そーすりゃ、ちっとはその性格もよくなるだろ!?」

「あなたに、性格のことを とやかく言われたくないわね」

「なに!? だいたいなぁ、お前が、あの日 外に出なけりゃ、こんなことにはならなかったんだよ! そしたらルフェラだって──」

「ラディ!」

「──んだよ! こーゆーことはな、ハッキリ言わなきゃ分かんねーんだよ。特に、こいつみたいな自己中の塊は!!」

「なんですってぇ~!?」

「おねえちゃん、なんでしょ?」

 ミュエリとラディの言い合いが、更にエスカレートしそうな矢先、突然、シリカがミュエリの手を引っ張った。

 さすがに、ミュエリも反応する。

「おねえちゃん…って…?」

「ルフェラのおねえちゃんが言ってたの。シリカみたいに髪がクリンクリンだったけど、今は村で一番の美人になったのよ…って。おねえちゃんが、そうなんでしょ? だって、すっごく、綺麗だもん」

 憧れの人を見るようにキラキラした瞳で見つめられれば、誰だって、ご機嫌はよくなるものだ。案の定、ミュエリのご機嫌も、シリカの言葉で治ってしまった。

 にっこり微笑んで、その場にしゃがみこむ。

「そうよ。私も小さな時はあなたみたいにクリンクリンだったの。だけど、ひとつだけ違うわよ」

「え…なぁに…?」

「私は、小さな頃から村で一番美人だったのよ」

 その言葉には、さすがに誰も口を挟まなかった。

 お見事だわよ…。

 呆れるぐらいの自信に、反論する気も起きない…。

 だけど、ここでエライと思ったのは、さすが子供好きのミュエリだった。

「あなたは、私の小さい頃とそっくりよ」

 そう付け足した言葉に、シリカの顔が 〝ぱぁっ〟 っと輝いた。


 その後、カイゼルは布に包まれたものを、あたしに差し出すと、リヴィアさんからのお礼の言葉を伝え、帰って行った。

 布に包まれたものはすぐに分かった。

 あの時の短剣と、ジョーカーだと例えたペンダントのようなものだ。

 人を殺めてしまった短剣は、正直、持っていたくなかった。けれど、そんな気持ちを読み取ったのか、イオータが耳元で囁く。

「見える十字架なら、いつだって捨てられるぜ?」

 そうね…。忘れない為にも、今はちゃんと持っておくべきなんだわ…。

 不思議と、イオータの言葉の意味を理解した瞬間だった。


 翌日、あたし達は、旅を再開することにした。

 彼女たちにお礼を言い、いつか必ず、またここに来ることを誓った。

 その頃、ジーネスの家で育った子供達が、どこでどう過ごしているか…それも知りたいところだ。

 〝さよなら〟 と伝え、歩き始めると、隣にいたミュエリが、先に歩くラディやイオータを見つめたまま、真剣な口調で喋り始めた。

「私…〝ごめん〟 も 〝ありがとう〟 も言わないわよ」

「え…?」

「だけど…いつか必ず、今回の事がよかったって思わせるわ。私を救ってよかったって、あなたに思わせるから…」

「ミュ…エリ──」

「それだけ…。だから、それまでちゃんと、息してなさいよ」

 本当にそれだけ言うと、未だ、後ろで手を振ってるシリカたちに再度大きく手を振った。そして、さっさとイオータのところまで走っていってしまった。

「ネオス…?」

 一歩、後ろを歩いていたネオスに、その意味を聞いてみる。

「ルフェラは、あまり言いたくなかったみたいだけど、やっぱり、なにがあったのか、ちゃんと言うべきだと思って…。昨日の夜、話したんだ」

「そう…だったの…」

「うん。一緒に旅をしていく以上、背負うものは同じじゃないと、ね。──それに、少しはよくなるかと思って…」

「え…何を…?」

「勝手な行動をとらないように…ってね」

「あぁ~、それはとても重要かも…」

「──だろ?」

 ネオスはそう言って、笑った。あたしもつられて笑う。

 十字架は背負ったままだけど、どこか、嬉しかった。

 ミュエリが無事、帰ってきたことも嬉しいし、ミュエリからあんな言葉が聞かれたことも嬉しかった。

 汗ばむ陽気はまだまだ続く。それでも、穏やかな風が心をすり抜けていく感じだ。

「おぉーい、お前ら、ほんっとに、おっせぇーなぁ」

 こちらを振り返って叫ぶその声に、あたしは不意に疑問を抱いた。

「ねぇ、ネオス…」

「ん…?」

「なんで、イオータが一緒にいるの?」

「さぁ…」

 ミュエリを捜すために、一緒に行動していたイオータは、ミュエリが戻ってきてからも、しばらく、あたし達と行動を共にすることになったのだった。

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