BS3 帰路につくユージンとカミル
「ユージン様…。彼女は私たちの救い人になってくれるでしょうか?」
カミルのその質問に、ユージンはしばらく考えていた。先ほどの、ルフェラたちの態度を思い出しているのだろう。ようやく返ってきた返事は、
「…まだ、分からぬな…」
──というものだった。けれど、すぐに次の言葉が続いた。
「ただ…ひとつ、気になっていることがある」
「なんです?」
「西より現る救い人…それが彼女たちであることは間違いない。だが、もうひとつ、救い人がいるという暗示も出ておるのじゃ」
「本当ですか…!?」
「ああ。もう随分と前から出ておる。しかも、ワシらのすぐ近くにな…」
「でしたら、そちらの方にもお願いしてみては──」
「できればそうしたいが…残念な事に、その光は年々、弱くなっておる…。その理由が分からぬのだが…アテにはできないじゃろう」
「…そう…ですか…」
カミルはとても残念そうに呟いた。
他の村人ほど口には出さないが、彼女には、人一倍、村を救いたいという強い気持ちがある事を、ユージンは知っていた。けれど、さすがのユージンも、その本当の理由までは知り得なかった。
ましてやカミルが、アテにならないもうひとつの救い人が、何であるかを知っていたとは…。