表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

運命の日

「男の子のほうは?」

 ぼくは我慢できずに、尋ねた。

「わからない。その場に居たのは、わたしじゃなくて息子の五十朗だったんだけど。あの子は何か気付いてるみたいだけど、正義感が強くて絶対に他言しないの。まったくだれに似たんだか。」

 ヤマトに聞いても無駄だろう。それに余計な心配をさせるだけだ。


「そうだ。あの子がこんなこといってた。」

 そう前置きをして、ゆっくりと昔話を始めた。


 泣きじゃくる女の子に、男の子は手を焼いたのか

「大丈夫、絶対迎えが来るから。」

 と、無邪気に言った。

「来なかったら。」

 そう女の子に泣きながら言われた男の子は、困る様子もなく笑顔でいったそうだ。

「来るまで、俺が一緒に居てやる。」

「ずーとずーと、来なかったら。」

 そういい続けるその子に、男の子は何かささやいた。その言葉を聞いてか、その後は安心したのか男の子の背中にもたれて寝てしまったという。


「あいにく、何を言ったのか小声で聞き取れなかったらしいけど。実際には母親があわててやってきて、事なきを得たんだけどね。」

 僕は新聞社を後にした。これ以上マリの過去に踏み込んでいいものだろうか?そう考えながらも、なぜか僕が解決してやらなければいけないことなんじゃないかという使命感も湧いてくる。


「五十朗。これでよかったの?」

「ああ、彼には知る権利がある。そして、解決する責任がある。」

 イソコは息子と電話で話していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ