悪役令嬢の経営するもふもふいっぱいのダンジョンに堕ちたロリ巨乳のグルメレポーターは、異世界転移者のおっさんに心底から癒される。
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悪役令嬢は本文には一切出てきません。ただ彼女がおっさんと経営しているだけ、なので……ご了承よろしくお願いしますm(_ _)m
『んー♡このガルムの焼ける匂い♡ああん♡早く、食・べ・た・い♡』
身悶えするレポーターの、豊満な胸がプルンと揺れる。
「あのゲス監督!」
魔道TVの3D映像を眺めつつ、テレサはのたうっていた。
画面の手前では、己のあどけない顔が無邪気に微笑んでいる。
『君も食べる?アーン♡』
下からガッツリ激写されたオッパイの向こうから差し出される、コカトリスの焼き鳥串。
「神聖なグルメレポをAVのデート企画みたいにしやがってェ!」
どうりで撮影時『もっと全身で表現して!』などの注文が多いと思ったのだ。
出来上がりを見れば、絶景グルメレポ、と言いながら、割合的には景色1、食事3、胸6程度である。
テレサは魔道電話をひっつかみ、クレームを入れた。
「どこが絶景なんですか!」
「どう見ても絶景でしょ?」
ラチが明かぬ。
「断固、抗議するッ!」
勢い良く局に駆け込んだテレサは、数十分後、ガックリと肩を落として出てきた。
「……もうイヤ……」
その耳にこだまするのは監督の『巨乳の無い君なんて、ただの幼女だよ?』という台詞。
「……私だって……」
グルメレポーターとして懸命に精進してきたのに。
「……もう……どうでもイイ……」
フラフラとたどり着いたのは、最近人気の『もふもふダンジョン』である。
テレサは躊躇なく、そこに飛び込んだ―――
「んんん♡この日なたの匂いぃ♡あああん♡もっと、も・ふ・り・た・い♡」
大量のもふもふ生物に埋もれつつテレサはうっとりと身悶えした。
巨乳がプルプルと揺れていても、ここでは誰も、そんなもの見ていない。
もふもふ万歳!
「君、もう2週間だよね」穏やかな声を掛けられたのは、そんな時だった。
見れば、声の印象そのままの地味なおっさんが、テレサの倍以上のもふもふで埋もれながら、柔和に微笑んでいる。
「クリア条件、難しいかい?」
「クリア?なにそれ美味しいの?」
「レアもふもふが貰えるよ」
「いーやー♪ずぅっと、ここにいる♡」
「君……」おっさんは真剣な顔をした。
「ツラいことがあったんだね?」
―――気付けばテレサはおっさんに、今までのことを全部ぶちまけていた。
おっさんはテレサの胸ではなく目を見て、絶妙に相鎚を打ちながら聞いてくれる。
それだけで、傷付いた心が癒されるのを感じる―――
「ありがと、元気でた!」
お礼に世界のグルメ知識を与え、テレサはダンジョンを後にした。
次は『天才幼女グルメレポーター』として売ってやる!と心に決めながら―――