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なぜ新規開拓的政府投資が許されるのか

 昔から、積極財政を主張する政治家および利権団体は多いです。彼らは、自分たちの政策が容易に実行できるように、簡単に新規分野への積極投資を主張します。

 これらは、役人の腐敗と関係が深く、抑制をしないと積極財政の暴走を起こします。選挙で政治家を選ぶことによって、国民は積極財政を抑制します。

 しかし、なぜ、このように新規開拓的な政府投資が恒常的に許され、実行されてきたのでしょうか。1990年代のこの国では、道路整備に積極財政が使われていました。2021年には、教育投資に積極財政が使われました。それが支持される理由を積極投資に反対の私が考察します。以下は、私の考えた経済理論です。

 政府が税制の枠を超えて国債を発行することは、国債の利益を受ける選良エリートが庶民の利益を搾取するという経済構造になっています。政府の国債発行を支持する選挙結果は、国民が選良エリートを優遇して、庶民を搾取することを支持した場合に実行されます。

 政府の投資額は、既知の政策の理解に対して計算され、毎年、議論の末に決定されます。先端技術投資は簡単に人気の出る政策であり、この国の政治家は先端技術投資に慎重に予算を計算します。それなのに、なぜ、毎年のように大きな規模の、つまりは10兆円規模の積極財政が増やされていくのか。その原因を考察します。

 政府は、行うべき政策を既知の仕事しか知りません。政府投資は、この既知の仕事をもとに計算されています。先端技術を来年、実行することのできる人材の数が数えられ、その数の範囲内でしか新規開拓的な政府投資は計上されません。積極財政が支持されるのは、政府に未知の仕事が次々と見つかるからです。サイバー事業や教育に大規模な投資をすることは、過去には計算されてこなかった。この国の政府にとって未知の仕事は次々と提案され、その仕事をする準備が整うと、それらの新規開拓的政府投資の予算が新しく計上されます。

 2022年の政府予算額は107兆円でしたが、新しく仕事が6兆円分発見され、政府は2023年の政府予算額を114兆円で計上しました。新しく発見された政策が、その仕事をすることで費用を上まわる利益が見込めるなら、実行すべき政策として認められます。

 政府が自分たちの政府の仕事を理解するのは難しく、政府が新しい投資先を理解するのに時間がかかります。政府が理解して納得できなければ、新規開拓的な政府投資は行われません。たいていの経済活動の費用の大半は人件費なので、政府の経済活動の予算の大半は人件費だと私は推測します。人材の確保が政府投資の実体だと私は推測します。

 2021年に岸田内閣は10兆円規模の積極財政を、教育に投資するという未知の仕事を発見したことにより計上しました。このような積極財政をするという政策を掲げて、選挙に勝ったからです。

 政府は、このように次々と新しい仕事を発見して、新しい政府の仕事を発見して、恒常的に積極財政を行います。これを抑制するためには、未知の仕事を実行できる人材の数を数えることによって、過度な人材の予算は削ることです。政府の新しい仕事を実行できる人材が見つからなければ、新規分野の積極財政は実行すべきではないと考えます。

 このように、政府が自分たちの仕事をよく理解して、新しい仕事を発見するたびに、新しい投資先が産み出されつづけていくのです。これは、私が民間人としてこの国の政治を眺めつづけてきた三十年間において、そうであったと私は考えます。その間に、積極財政の暴走を止める緊縮財政は必ずたまに選択しなければならなかったものの、これからも新しい政府投資先が見つかっていくだろうと推測します。

 これが緊縮財政派から見た積極財政の好意的解釈です。


追記。

 なぜ赤字国債を発行して政府予算を増やすことがいけないのか。それは、税金によって支援されている選良エリートの公務員よりも優秀な凄腕が民間に存在するからである。


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