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貨幣数量説が否定される理由の考察

 貨幣数量説という経済学の概念がある。貨幣数量説とは、貨幣の量と物価の比が単純な掛け算で計算されるように決まるという学説である。貨幣数量説とは、貨幣を増やすとインフレして、貨幣を減らすとデフレするはずだという学説である。

 貨幣数量説は、1970年代~1980年代のアメリカで採用され、経済政策として貨幣量を動かすことが行われた。その結果として、ミルトン・フリードマンなどの経済学者によって、貨幣数量説は成り立たないことが説明された。

 そこで、なぜ、貨幣数量説がまちがっているのかをおれは自分で考えて、ひとつの見解にたどりついたので、述べることとする。

 貨幣は、ひとつの貨幣が一年間におよそ十回、使用される。貨幣の価値は商品と取引された時に合意される。だから、ひとつの貨幣によって一年間におよそ十回、商品の価値と貨幣の価値が等しいことを労働者と消費者が合意していることになる。

 貨幣数量説が成り立たないのは、商品の量は、貨幣の総量が変化しても一定であり、消費者は同じ商品に、貨幣の総量が変化しても、同じ貨幣の量しか支払わないからである。

 ここにおいて、消費者にとって商品と貨幣の取引で支払われる貨幣の量は一定である。

 つまり、貨幣の需要は一定であり、貨幣の総量が変化しても、物価は変化しない。

 なぜこのようになるかというと、貨幣の総量が変化しても、ひとつの貨幣の使用回数が変化するだけで、貨幣全体のうちで商品との価値の合意で支払われる貨幣の量は変わらないからである。

 消費者が消費する商品の量は一定であり、貨幣の総量が変化しても、商品ひとつ当たりに支払う貨幣の量は変化しない。

 商品を購入するのに必要な貨幣の量は、貨幣の全体量が変化しても変化しない。物価は、その経済圏で流通する貨幣の総量の変化とは関係なく一定に保たれる。

 おれが考えた貨幣数量説が否定される理由はこのようなものである。


 消費者が消費する商品の量は、流通する貨幣の量が増えるにつれて増えていくが、その増加率はとん減する。貨幣を増やしても、商品の生産量は同じなので、消費者が満足する贅沢品の量はたいして増えない。よって貨幣数量説は成り立たない。


追記。

 商品の価格がどの程度、過去の慣習を引きずるか。毎日、乱高下する食品の物価を考えると、商品の価格は毎日、貨幣に対して調整されていると考えられる。その時、貨幣全体の量が商品の価格にどのように影響を与えているのか。経済学の実験として、貨幣数量説が否定されているのは事実だが、その仕組みははっきりしない。


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