資本主義と共産主義とは何だったのか
資本主義と共産主義の対立を終わらせようとマルクス「資本論」を読んでいるけど、ぜんぜん労働者の聖典のような内容ではないので、戸惑ってしまう。「資本論」を岩波文庫で第五巻まで読んだ、つまり、エンゲルスが編集した第二巻まで読んだのだが、第九巻まで読み終わるのがいつになるかわからないので、この時点で書こうと思うが、読んで考えるのはただ不信感である。
マルクス「資本論」が労働者階級を救うための聖典だったはずがない。この経済論争は、資本主義(競争)と共産主義(平等)の対立だったはず。マルクス「資本論」が労働者の聖典だというのは、労働者を混乱させるために宣伝されていた謀略ではないかという陰謀論を考えてしまう。そこまで、マルクスの「資本論」は内容が適格ではない。これを原著で読んでいたなら、世界の労働者が明晰に経済分析を考えるのは相当に困難なことだったにちがいない。
アダム・スミスやケインズを読んだ時におれが考えたのは、資本主義は大富豪たちの仕掛けた謀略だというものである。資本家が株券の配当を受け取ることの経済的な根拠は存在しない。マルクスを途中まで読み考えたのは、共産主義も労働者をかく乱させるための謀略だというものである。マルクス主義の経済学の本たちが労働者の階級闘争を支援するような画期的な内容ではないのである。
つまり、二十世紀の東西冷戦とは、資本主義も共産主義もどちらも謀略であり、どちらでもない道を選択した者でなければ勝つことはできなかった時代だったということになる。
我々は、資本主義でも共産主義でもない第三の道を新しく考え出さなければならない。




