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ブログ主の経済学における抽象的設問

 おれは経済学の本を数十冊読んで、メモを取り、読みながらいろいろ考えました。おれは自分が哲学に詳しいこともあり、哲学的な思索が好きになったので、哲学における抽象的な設問のように、経済学における設問を考えてみました。設問は全部で十八個あります。

 この記事で述べたかったことは、経済学についての設問の方なのですが、それぞれの設問におれの解答も付記しました。理想的には、自分で課題を設定して、それを自分で研究して、自分で結論を導くべきだと思います。しかし、それを一人で行うのは難しいため、今回は、おれが設問だけを考えてみたくて、これらを作りました。おれが経済学について疑問に思っていることをまとめてみたつもりです。読んだ人が考える気が起きるような経済学的に面白い設問をあげてみたつもりです。

 ここに挙げた設問は自由に使ってもらってかまわないです。

 この設問のほとんどには、おれ自身の結論があるのですが、回答してある場合であっても、おれは自分の結論に確信があまり持てません。なので、ここで設問とそれに対するおれの短い考察を書いて、誰かにもっと良い解答を考えてほしいことを期待します。そして、おれには結論がまったくわからない設問が三問ありましたが、それらについての設問も書き、短い考察を書いてみました。

 経済に興味のある人が経済について考えるきっかけになればよいと思います。

 著作権の関係があり、時代の新しい経済学者の本から知った設問は、ここには書くことができませんでした。アダム・スミス、リカードウ、シュムペーター、ケインズ、ヒトラー、は、著作権が切れているため、その本に載っていた設問、あるいは、その本を読んでいる時に思いついた設問は書いてあります。


【経済とは何か】


おれの考察:経済とは、その種族(我々においては人類)が幸せになるための行動を分業の視点でとらえたものである。人々は交換することで分業の伝達を得る。それが経済である。ただし、無人島で一人で自給自足して生活しているものを例外として含む。



【人は経済を知覚できるか】


おれの考察:人が経済を知覚するには、人の心の解明、数百種類の職業についての理解、数千万種類ある商品についての理解、が必要である。おれが知る限り、人類はまだそれらを知覚してはいない。また、貿易により取引する相手国を、自国のように深く理解することは完全には行われていないとおれは考える。よって、人は経済を知覚できない。



【人は自分の需要を正確に知覚できるか】


おれの考察:人は自分自身を完全には知ることができない。人の本音は普段は短絡的なものであり、短絡的な本音は、深く考えた場合の本音とは異なる。人は自分の本音を深く知るためには、深い自己探求を必要とする。よって、人は自分がどの商品をどの程度欲しがっているのか正確には知覚することはできない。また、商品知識が増えることによって、人は自分の需要を変化させるため、人は自分の需要を正確には知覚できない。



【人は自分の労働の貢献度を正確に知覚できるか】


おれの考察:人は、自分の労働の貢献度を正確に知覚している場合と、正確には知覚できていない場合がある。中には、自分の労働によって作られる商品を知らない労働者もいる。労働者にとって、自分の労働によってどのような商品が完成しているのかを知ることは幸せのいち要素である。



【天才の労働力を人事評価することが可能か】


おれの考察:この設問の答えは、天才の定義により変化する。おれは、天才について満足する定義をまだ聞いたことがない。おれが考えるに、天才の定義はふたつある。ひとつ目は、天才とは、まわりがみんな別のことをいっていたのに、まわりのみんなとは異なる意見を主張し、時間がたってみると、みんなとは異なる意見を主張していたひとりの方が正しかったことになる人である。ふたつ目は、最初は誰にも理解してもらえなかったのに、時間がたってみると、その人の主張していたことが正しいことがわかった人である。このどちらの場合も、天才の仕事は同時代人に理解されないことが条件であり、よって、天才の労働力は、天才が本当にがんばっていた時には正確には人事評価されない。天才の人事評価は、数十年以上、遅れて評価されるのではないだろうか。

 さらに考える。現代には、天才科学者というものがいる。天才科学者は、際立って逸脱した重要な功績を成し遂げた人のことを呼ぶ。天才科学者の人事評価は、わずか数年で天才だと認められることがある。この場合は、おれには天才の印象とは異なるが、天才の人事評価が可能な場合である。



【労働者は平等か、それとも公正か】


おれの考察:労働者は平等ではない。ヒトラーの演説に「労働生産性の不平等が存在するため、人権的な平等とは矛盾する(筆者の要約)」とある。労働者は、仕事量、能力、功績などによって、個体それぞれが異なる評価を受ける。すなわち、労働者は公正である。



【貨幣とは何か】


おれの考察:従来、貨幣は、物々交換の代替物になること、価値を計量すること、時間を経ても価値が保存されること、の三つの条件を満たすものとされていた。おれは、自分で貨幣とは何かを考えて、貨幣とは労働交換の代替物であるとした。日本の経済学者で、それらよりもっと支持したくなる貨幣の定義を書いていたものを読んだことがあるが、著作権に配慮して、ここではそれを書くことはできない。



【資本主義とは何か】


おれの考察:商品の生産に貨幣の蓄積が先立つことである。狭義には、証券株式に配当金がもらえることである。



【資本主義はいつ始まったか】


おれの考察:おれが考えるに、この設問は、まだ明確な答えが解明されていない。広義には、古代にさまざまな地域で小規模に存在したと考えられるが、狭義には、十八世紀イギリスで始まったと考えられる。資本主義の起源の解明が待たれる。これは、おれには答えのわからない設問である。



【資本家が投資に対して利潤を得ることに納得のいく根拠があるか】


おれの考察:アダム・スミスの「国富論」には、おれが読んだ限りでは、資本家がなぜ投資の利潤を得ることができるのか、有効な根拠は書いてなかった。おれが考えるに、資本主義とは、もともと資産を持っている大富豪が楽して儲けるために始まった謀略である。投資先の審査や検討という労働に対して、資本家が得る利潤は多すぎる。資本家が投資に対して利潤を得ることに納得のいく根拠はない。



【投資家が投資によって築いた利益は、その投資によって働いた労働者の賃金上昇に分配するべきか否か】


おれの考察:投資によって築いた利益は、その投資によって働いた労働者の賃金上昇に分配するべきである。なぜなら、資本家の投資だけで利益は生まれず、資本家の投資は、労働者の追加した労働付加価値によって利益が生まれるからである。



【金融の目的は何か】


おれの考察:金融は、余剰資金の円滑化のために存在する。金融の目的は、投機で儲けることではなく、商品開発を支援することである。それについては、シュムペーターが「経済発展の理論」で述べている。



【物価が上昇して、賃金が上昇しても、労働者の取り分が減ることがあるだろうか】


おれの考察:ある。リカードウが「経済学および課税の原理」で明確に指摘している。



【労働慣習、消費慣習に従わずに分業に参加することが可能か】


おれの考察:現代では、商品は、分業によって効率化された生産過程、販売過程を経て購入することがほとんどである。その場合、労働慣習、消費慣習に従わずに分業に参加するのは不可能である。

 しかし、自分で起業すれば、労働慣習に従わずに分業に参加することができる。そして、販売店が許可すれば、消費慣習から逸脱した購入をすることができる。さらには、その国家における労働慣習、消費慣習を刷新したいなら、革命を起こすしかないとおれは考える。これらの数少ない手段を行うことができれば、労働慣習、消費慣習に従わずに分業に参加することは可能である。



【労働者が高い賃金を要求するために、賃金交渉で失業を選択する戦略が成り立つか】


おれの考察:賃金交渉の経験が少ないおれにはよくわからない。おれが高い賃金を要求するために賃金交渉で失業を選択したことがあったかどうかは忘れてしまった。これは、おれには答えのわからない設問である。



【権利の価格を需要供給曲線から導けるか】


おれの考察:今のおれにはできないが、未来の経済学ではできる可能性がある。これは、おれには答えのわからない設問である。



【自由の価格を需要供給曲線から導けるか】


おれの考察:おれが考えるに、自由の需要は、自由な活動によって生じる利益の価格である。自由の供給は、規則や習慣を破ることによって生じる被害総額である。しかし、その需要供給曲線を導くことはおれにはできない。



【政府が最も賢いと考える国は幸せになるか】


おれの考察:おれが考えるに、政府が最も賢いと考える国は、課税が暴走することになり、公正な評価が妨げられ、幸せな国にはならない。


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