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作者の死後にまとめられた本

 ある程度、本に詳しくなってくると、作者の死後にまとめられた本がとてもたくさんあることに驚く。

 その界隈では知らない者はいない有名な本でも、作者の死後にまとめられた本はとてもたくさんある。

 何も知らない頃のおれは、本は生きている間に出版するのが当然で、死後に出版されることなど、よほどの複雑な事情がない限り、そんなことにはならないだろうと思っていた。以下にあげた死後にまとめられた本たちは、どれもがそのようなよほどの複雑な事情を抱えた本たちなのかもしれないが、ここまでたくさんあるとは予想していなかった。

 作者の死後に本が出版されることは例外的な刊行形態であるのだが、ここまで死後にまとめられたものが多いと、ひょっとして、誰かわざと狙って作者の死後に本を刊行しているのではないかという疑いすらわいてくる。

 作者の死後にまとめられた本を具体的にあげていく。

 最初のきっかけはマルクスの「資本論」だろうか。「資本論」は、マルクスの生前には第一巻が刊行されただけだったが、マルクスの死後、盟友の編集者エンゲルスがマルクスの遺稿を整理して、第二巻、第三巻を刊行した。

 ニーチェの遺稿が死後、妹によってまとめられて出版された。「力への意思」である。

 ソシュールの「一般言語学講義」は、ソシュールの死後、講義録を弟子が刊行した。

 プルーストの「失われた時を求めて」は、第四篇までは生前に刊行されていたものの、プルーストの死によって、第五篇から第七篇までは死後、遺稿を整理して刊行された。

 女の哲学者ヴェイユの「重力と恩寵」も、ヴェイユの死後に刊行されたものだ。

 ウィトゲンシュタイン「哲学探究」も、ウィトゲンシュタインの死後に刊行された。

 作者の死後、出版された名著はこのようにとてもたくさんある。

 おれが知っているのはこれくらいだが、探せば、作者の死後にまとめられた名著はもっとたくさんあるだろう。

 なお、作者の死後にまとめられた本が多いことが気になったので、整理のためにこれをおれは書いているが、おれが読んでいるのは「重力と恩寵」と「哲学探究」だけである。他の書物は読んでいないで書名をあげているのでお許しいただきたい。


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