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物語~・太一と來愛の悲劇を添えて~

マトリョーシカ人間《俺》ー 不死身になったが同時に分身するようになった俺の物語 ーの最終話です。


感想、評価、レビューなどなどがあれば是非お願いします。

 真っ暗闇の中で俺は藻掻いていた。果てしない宇宙を掻き分けて俺は地上へと向かう。ゴールが見えない。



 俺は"マトリョーシカ人間"。

 ある日、【呪いの本】を手にして"こけし"という悪魔(実際は妖怪)に取り憑かれた。その日から俺は死ぬ代わりに分身する特性となった。

 そんな俺に襲う悲劇──

 急に狂った歯車は近くの歯車から順に狂わしていく。


 家から追い出され、葉月とは会えなくなった。新天地で分身が悪事を働いた。その濡れ衣を着て刑務所へと入れられた。

 そんな不幸の連鎖から断ち切るために俺は刑務所から抜け出した。──が、やはり不幸が襲った。大樹の出現が再び歯車を狂わした。

 大樹は俺を殺せる。そんな大樹との戦いが始まった。大樹は葉月に手を下そうとしてた。それを回避し葉月を助けた俺。だが、その代償として偽物の俺が一人死んだ。

 俺は葉月と、匿う隆志や駆けつけた冬秀や瀧とともにいたが、そこへと来る大樹。彼は俺を殺そうとして綾んで葉月を殺してしまった。

 このことを隠蔽する代わりにその日は休戦することとなった。そして、その日中に俺は隆志に呼ばれて工事現場の中へと入った。そこで、俺は穴へと落とされ、コンクリートで固められた。

 そして、俺は今"こけし"のいる世界にいる。俺が名付けるのなら『地獄』だ。


 俺を待つ葉月の元に行きたい。そのためにはまずここにいては何も始まらない。だから、俺は必死にここから出ようと藻掻いていた。



◇◇◇



 狂った歯車は私の歯車を狂わした。

 目の前にいる太一が苦しんでいるのに、私には何も出来ない。そもそもの原因は私が不注意でいたがために起きた悲劇だというのに。

 私は太一を守りたいと思っていた。だけど、守ろうとした方法が太一を苦しめた。まさか、一網打尽にするための罠として使われていたなんて。また、私のせいで太一を苦しめた。

 今度こそは私は恩返しをしたかった。その一心で、大樹の攻撃から太一のことを庇った。そして、私は天国へと来ていた。

 私は約束をしていた。太一のことを待つって……。私は来るまで待つ。何年経とうが絶対に待ち続ける。

 私は今死者の世界にいる。花畑の中に私はいる。名付けるのなら『天国』。私は下にある世界を眺めていた。太一は絶対に登ってくる。その時を待っていた。



◇◇◇



 俺は人間として終わってしまった。悪魔のいる世界に住む俺はもう人間とは言いきれない。

 私はもう生きてる人間じゃない。


 けれど、それでも──《()》は!!


 悲劇によって落ちてしまった世界から足掻いて見せる。

 悲劇によって上がった世界で必ず待ってみせる。



 「「「()()來愛(太一君)()所へ(ことを)足掻いて(待って)みせる(いる)」」」



 佐藤太一の意志と

 葉月來愛の意志が


 天国からでも地獄からでもどんなに遠く離れていてもシンクロしていた。



  ()達は心で繋がっている(達は心で繋がっている)────────








         ~end~

ここまで読んで頂いてありがとうございます。これにてマトリョーシカ人間《俺》ー 不死身になったが同時に分身するようになった俺の物語 ーは終わりです。


作中のまだ残る伏線があるということは……


取り敢えず、次は書くかどうかは迷ってるのであるかどうか分からないですが。



────ご視聴ありがとうございました。

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