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分・けられた仲間!最強の助っ人!!

 葉月の手を取り、階段を降りる。そして、ダッシュで事務所から出た。

 仰向けで寝ている大樹を横目で事務所を後にした。

 そういや、車はないし隆志達も来れない。まずは、隆志達のいる所へ徒歩で向かうか……


 事務所から出てすぐに後ろから話しかけられた。

 大樹は刀を杖代わりにして立ち上がる。足はガクガクとしている。辛そうな身体を振り絞りバランスを取る。

「僕が修行を受けていなければ怪我だけじゃ済まなかったんじやない?そうなれば、君は犯罪者……。いや、殺人未遂でもう犯罪者か……」

 まだ……大樹は戦える。覚悟をした眼が俺を睨む。

「いけ、僕の部下達────」

 黒のスーツ服の男共が大樹の周りに集まった。六名の男がいる。

 彼らは戦いの傷を受けてない体力の有り余る程の者達。そんなのと相手をすればすぐに捕まってしまいそうだ。それも、逃げ切れる気がしない。


 それでも逃げなければ……

「こっちだ────」

 俺は葉月の手を取りながら進む。そんな俺らではすぐに追いつかれる。もう数分後には捕まっているビジョンが見えた。


 先端に塊のようなものがついている太い糸。その糸は何本か飛んでいる。

 糸は黒服の男達を縛っていき、いつしか黒服は糸に絡まり動けなくなってきた。糸を辿るとそこには見たことのあるような人が立っていた。

 痩せこけた顔。印象深い茶色のサングラス。髭は見えない。服装は明るい青色で派手さが見える。彼は顔に手を当てた。そして、顔に張り付いていた皮を引き剥がす。

 恩道瀧───

 俺と共に囚獄から抜け出した囚人の一人だ。


「大丈夫か~?助けにきたよ~!!」

 瀧がいれば車を盗み出せる。けど、、、


「どうしてここにいるんだ?お前、死んだんじゃ!?」

「奴のせいで死にかけたけど無事生き抜いたんだよ!!俺の詐欺師、マジシャンの経験を持つテクニシャンと変装術で復讐のために様子見してたんだよ。そしたら、お前が現れたからビックリだよ!!!」

 とある村が燃やされた。その時の炎に焼かれて死んだと思ってたが生きていたようだ。

 彼の技術でここまで捕まらずにいられた。盗み、変装、糸、まさに大怪盗みたいだな……。俺の元にトリックスターがやって来た。それだけで逃げるのに希望が湧いた。


「それじゃあ、盗んだ車で逃げるぜ!こっちだ!!」

「來愛、こいつは怪しい奴だけど、安心だ!!着いていくよ!!」

「怪しいってなんだよ!?」


 瀧は化けの皮をまた顔に被る。その変装なら指名手配犯とはバレないだろう。それほどのクオリティーだ。

 俺は路上に止めてあった瀧(持ち主不明)の車に乗り込んだ。


 瀧から逃げるように車は進んでいった。



 俺は車の中でスマホをいじる。

「瀧……寄って欲しい場所が二つある。まずは、、ここを右へと曲がって、さらに左に曲がって……」と道案内をした。

 着いたのは花屋さんのある店だった。

「お見舞いのための花を買ってきて欲しいんだ!」

「えっ、いいけど、何で?」

 俺はその理由を言わず下向いた。

 葉月は理由が気になりつつも花を購入した。


 そして、すぐに車を走らせる。

 進むと静かな公園に来た。そこに、二人の男性が目に入る。一人は少し歳のいった人。もう一人は若い男性で、意識がないように見える。その男性を肩を組んで支える男。彼らは八茂と隆志だ。

 俺と葉月は外へと出た。

 俺の手には花を持っている。

「GZ-791はここで死んだのか?」

「いいや、だがこの塀の向こう側だから、ここで参っても大丈夫だろう。本地には警察がいるから止めた方がいい」

 俺は塀の近くに行って花を置いた。

「どういうこと?」

「俺を事務所に行かせるために來愛と一緒にいた太一は……囮になった。その作戦は失敗し、その太一は死んだんだ……」

「そう……なんだ…」

 俺は手を合わせて目を瞑る。葉月もそれに続いた。

 そして、俺はそこを後にし車に乗る。


「次は何処に行くんだ?」

「決めてない──。」

「なら私の家へと来てくれないです?ついでに太一さんに渡すものがあるから……」

「分かった。そこまで案内を頼む。」


 大樹と隆志は親族の関係にありながら敵だ──

 彼らがグルなら隆志を危険な目に合わせない。隆志は大樹の考えに賛同するどころか反対している。今なら隆志を信じられる。


「來愛……」

 俺は車のエンジン音が響く中で葉月を振り向かせた。

「何────?」

「俺はあの太一の意志を継ぐ。俺は変わらず來愛を……守るよ。」

「ありがと!けど、無茶はしないでね」


 葉月は俺の手の甲にそっと(てのひら)を添えた。



 俺らは愛知県の新城に着いた。

 そして、田舎とも言えず、けど発展してるとも言えない町を進む。そして、人目につかないような場所へと着く。

 小さな二階建ての家。そこから離れるようにある小屋。周りはさざめく森がそびえ立つ。

 家の園と外を隔てる壁には、チャイムを鳴らすボタンと紋がある。この家は"畔川"の家だ。

「大樹が家を出た。帰郷することなんて滅多にないだろうから、安心して身を隠せると思います。」

 家の柵に鍵を入れて開く。

 俺らはこの家へと入っていった。


 そして、俺らはここを拠点に置く。

 八茂は仕事もあるし怪我もあるので、大阪に帰郷した。代わりに、大阪から冬秀がやって来た。瀧の計らいで変装してやって来たので、最初に見た時にはパッと見誰か分からなかった。


 隆志にはこの家でやることがあった。

 それは、俺に②特殊な道具を渡すことだ。俺は家から少しだけ離れた小屋へと入った。ついでに、葉月も着いて来ている。


 小屋の中は作業室となっていて、目に映るのは木材で作られた椅子や机。その上に置かれた(ノコギリ)。散らかっている木材のゴミ屑。見た事のあるような専門道具。

 太陽の明るい日差しを特殊な屋根が弱める。その部屋は淡い光に照らされていた。黄土色に近い色に染まっていた。

 その部屋を通り、さらに次の部屋に向かう。奥にある扉に手をかける。扉を開ける。そこには沢山の作品が四方に並べられていた。

 岩?木?よく分からない素材で作られた道具に囲まれている。

 ネックレス、リング、指輪、首輪、様々なものがある。多種多様な種類。多すぎて選びきれない。


 扉が閉まる。

 俺は特殊な道具を見渡すために回っていた。


「多いでしょ?作りすぎて、私では選べないのですよ!だから来てもらったんです!!」

 高笑いする隆志。それを見て俺は苦笑いをする。

 いや、多すぎだろ────!!

「ねぇ、太一君!見てみて~!!これ可愛ぁいーーー!」

 葉月は加工された道具に目を輝かせていた。葉月にとってはとても楽しいのだろう。

「そうだね────」

 それ以外にかける言葉が見当たらない。

「見て!石のネックレス!!」「石のピアスだって!」「どう?石のティアラ、可愛いでしょー!」と葉月は想像以上に楽しんだ。俺が身につけるための道具を葉月が身につける。それを見て隆志はさらに高笑いした。

 葉月の無邪気な笑顔を見ると心が温まる。いつも通りの素の俺を出して一緒に楽しむ。

 そして、葉月はある道具を見つける。その道具を手に持つと拳の中に隠してしまった。

 葉月の背に隠れてたので、その道具が何かを見れなかった。


「太一君に、いいの見つけちゃった!!」

 葉月は無邪気に俺の目を見る。腰を掲げて上目遣いをする。

 俺はなんだろうと首を傾げた。

 葉月は道具を隠してない方の手で俺の片手を取る。照れ隠しに葉月の目は焦点を失っていた。

「どうしたの────?大丈夫?」

 そう言われた葉月は頬を真っ赤にして飛び上がった。「な、な、何でもないよ」と動揺している。

 葉月は目を瞑る。そして、俺の手を近くに寄せた。

 深呼吸をしているのが分かる。

「今までのような大学生の生活は出来ない。もう私達は特別な人生を歩むしか出来ない。そして、そんな二人の私と太一君はもう……」

 照れで「ふふっ」と笑う葉月。

 葉月は手に持っていた道具を俺の薬指につけた。

「指輪────?」

 指輪をつけるということは既婚者を示すものである。俺はこの状況を飲み込めてなかった。

「もう大人だし、いいでしょ?私達、特別な関係であること……勝手に決めちゃって」




「思い出すね。初めて会った頃。まさか、ここまで発展するとは思わなかったよね────」




 優しく指輪が薬指へと入っていった。

 葉月は照れながらも嬉しく笑っていた。

次回予告



 懐かしいよね────


 太一と葉月がどうして出会ったのか?

 平凡な出会いがまさか奇跡な出会いだったなんて。悲劇に巻き込まれる葉月の過去。



 書くの疲れた

to be continued

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