第4話 犯罪臭しかしない
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残った女の子たちの部屋へ移動する前に、奴隷のまま城に残る勇者たちの所へ行く。帰還または外に出て行った者たちがどうなったのかを忘れてもらう為だ。記憶改竄も必要だ。勿論、謙譲の力では無理なので、ペンダントにSPを捧げて、実行した。なお、帰還した31名の持っていた異世界言語Lv.3ばそれぞれSP40ずつになり、彼ら1人1人がSP100ずつ持っていたので、合計4340増えた。それで事足りた。余った分は、残った女の子たちに使うか振り分ける事にした。先に放逐した3人組は無視だ。女の子は優遇されるべきだろう。
さて、女の子たちの部屋へ戻ってきた。ここを出るにしても奴隷状態をどうにかしないといけない。残るならそのまま、出て行くなら解放なり契約変更なりしなければならない。まずは、再度意思確認だ。
「さて、最終意思確認といこうか?」
「「「「え?日本語?!」」」」
「ああ、君たちの召喚に潜り込んだ。転移する前の部屋に長居し過ぎたせいか、隷属魔法の影響が無いんだ。余り時間は無いから、自己紹介は無しだ。」
勿論、自己紹介しない事には意味がある。時間が限られているのもそうだが、自己紹介して情が湧いたら、別れ難い。まぁ、自己紹介程度で湧く情なんてたかが知れているが。
「どうする?残るか出て行くか、どちらか好きな方を選んで。」
「残った人がいるんですか?」
「いるよ。男子が5人。城内に2人、既に城外に出た者が3人。」
鑑定で名前も見たはずだか、覚えていなかったので、身体的特徴と話し方、それと残る理由を説明した。
「あー、オタ5人衆ですね。」
ステキネーミングが付いていた。確かに、オタオタした喋り方だった気がする。
「「「「なら、私たちも出て行くって事でいいですか?」」」」
残念5人衆は、疎んじられていたようだ。一部の女の子は、「出てった方が逆なら残ったかも?」と言っていた。出ていった3人ならいてもいなくても気にならないらしい。好きな事に没頭しているだけの男の子なのに、哀れだ。布教するから、疎まれたのかな?
それは、さておき女の子4人は全員出て行くようなので、記憶の改竄は無しだ。このままでは、城外に出られないので、奴隷契約の内容を変更する。事情を説明して4人それぞれと握手した。男どもの時は肩をポンポンと軽く叩いただけだったが、DV被害者やいじめられっ子もいるので、慎重に対応する。ついでに、余ったSPは835ずつ振り分けよう。変更内容は、皇帝が主人になっていたところを、謙譲に変えるというだけだった。他意はない。城を出る際に、一緒に出る方がいいだろうという判断の元、仲間や奴隷なら、謙譲のスキル「隠形」の対象に出来るという理由だ。
4人には、声を出さないようにという事と、誰かにぶつかったりしないように、必要があれば壁際に避けるようにするという事を伝えて、城門に向かって歩き出した。
何の問題もなく、城門を出た。おそらく、食事時になって、失踪が発覚するだろう。まずは、この皇都から出なければ。とりあえず、地図作成の状況を確認。固有スキル「広域上位鑑定」と連動。思考の中にMapを展開し、馬車売り場を検索。東門の近くにあるようだ。そちらまで4人を連れて歩き出した。
しばらく歩いて、路地に入り誰もいない事を確認すると、「隠形」を解く。女の子たちがこちらをじーっと見ている。よせやい照れるだろ?
それから、路地を出て歩きながら、発覚のタイミングと皇都から出る事を伝える。皇都内にとどまって、捕まる可能性を伝えて、5人で一緒に出る事が決定した。馬車売り場までの道で、果物や干し肉、パンなどを買い込む。勿論、お金は謙譲が払う。買い物がてら、街までの距離を確認する。東側の街まではそう離れていないようだ。今の時間からなら、野営は必須だが、朝から出れば、夕方には徒歩でもたどり着けるらしい。馬車はいらないようだ。召喚者たちは、一般人の10倍のステータスらしいから、多分大丈夫だろう。そして、東門へ。
東門で少々問題が発生。身分確認があるようだ。各種ギルドまで戻る時間が勿体無い。仕方ないので、ペンダントにSP500を支払い、門番の記憶を改竄。門外へ出た。平原を少し歩いて、皇都から500mは離れたところまで来た。周りは平原で見渡しも良い。
「まだ、油断は出来ないけど、ちょっと休しようか?」
「「「「はい」」」」
「元気いいね。ちょっと、待ってて」
謙譲は、土魔法と固有魔法「匠創魔法」とを組み合わせて、テーブルと5脚の椅子を作った。女の子たちは、「ほわー」と言いながら、その場で呆然としている。
「さあ、座って。少し話をしよう。」
「「「「はい」」」」
「くく、本当に元気がいいね。さて、自己紹介をしようか。俺は八和謙譲、こっちに来た時、17歳になったが、元々は29歳だった。君たちからおじさんと思われるのはちょっとキツイから、『お兄さん』くらいに思ってくれると嬉しいな(笑)」
「私は、西郷友里江17歳です。こっちでは治癒師になってます。ユリエって呼んでください。お兄さーん」
んー、いいねー
オーソドックスだけど
お兄さーんってのは
ユリエは、ゆるふわロングヘアの女の子。身長は160cmより少し低いくらい。固有スキル「上位鑑定Lv.10」でスリーサイズまで分かっているが、具体的には言うまい。謙譲自身の考えでは、大きくても小さくてもいいのだ。おっ○いは感度なのだから。あえて言うなら、4人中3位くらい。ステータスはこんな感じ。
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ユリエ・サイゴウ
Lv.1
HP 16/16
MP 30/30
SP 935
体力 12(+4)
攻撃力 10(+6)
器用さ 15(+8)
知力 22(+8)
敏捷性 10(+3)
生命力 13(+4)
精神力 25(+7)
回避 10(+2)
防御力 11(+2)
魔法防御 25(+7)
運 18(+29)
【職種】治癒師Lv.1
【スキル】法術Lv.1
【魔法属性】光属性Lv.3、闇属性Lv.1、聖属性Lv.5、無属性Lv.4、生活属性Lv.5
【固有スキル】異世界言語Lv.3、無詠唱
【固有魔法】治癒魔法
【称号】異世界からの召喚者、ユズルの奴隷
【加護】転移神の加護
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※( )は謙譲の固有スキル「王の器」による加算。
「私は、西丘佐津姫と申しますわ。17歳ですの。こちらの世界では、魔法師をしおりますわ。サツキと呼んで下さると嬉しくてよ。そ、それと、お兄様とお呼びしてもいいかしら?」
おぅふ
お兄様か、いい響きだ。
サツキに「勿論、OKだ」と伝える。サツキは、口調もそうだが、お嬢様のようだ。ふんわりミディの女の子。身長は165cmくらいで4人の中で一番大きい。何がとは言わない。
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サツキ・ニシオカ
Lv.1
HP 15/15
MP 32/32
SP 935
体力 11(+4)
攻撃力 12(+6)
器用さ 20(+8)
知力 24(+8)
敏捷性 10(+3)
生命力 15(+4)
精神力 25(+7)
回避 10(+2)
防御力 10(+2)
魔法防御 25(+7)
運 17(+29)
【職種】魔法師Lv.1
【スキル】杖術Lv.1
【魔法属性】土属性Lv.3、水属性Lv.4、火属性Lv.5、風属性Lv.3、氷属性Lv.1、雷属性Lv.1、無属性Lv.3、生活属性Lv.5
【固有スキル】異世界言語Lv.3、MP自動回復Lv.3
【固有魔法】広域魔法
【称号】異世界からの召喚者、ユズルの奴隷
【加護】転移神の加護
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※( )は謙譲の固有スキル「王の器」による加算。
「あたしは、瀧澤美那子、16歳。弓師。ミナコって呼んで。おにぃちゃん」
おお!
これも破壊力バツグンだ!
ミナコはなんと言うか、弓師だと言うこともも相待って、黒髪のエルフみたいな印象だ。どこがとは言わない。身長は150cmちょっと一番小さい。だから、どこがとは言わない。ステータスで分かるが、運が低いので、どんな環境だったかも想像出来よう。
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ミナコ・タキザワ
Lv.1
HP 28/28
MP 27/27
SP 925
体力 24(+4)
攻撃力 18(+6)
器用さ 22(+8)
知力 19(+8)
敏捷性 23(+3)
生命力 19(+4)
精神力 16(+7)
回避 20(+2)
防御力 14(+2)
魔法防御 12(+7)
運 9(+29)
【職種】弓師Lv.1
【スキル】弓術Lv.1
【魔法属性】水属性Lv.3、風属性Lv.3、無属性Lv.4、生活属性Lv.5
【固有スキル】異世界言語Lv.3、必中Lv.3
【固有魔法】なし
【称号】異世界からの召喚者、ユズルの奴隷
【加護】転移神の加護
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※( )は謙譲の固有スキル「王の器」による加算。
「あっしは・・・」
「キャラ作らなくていいから」
「う、なら、某は・・・」
「それ、侍だからね。忍者でしょ?」
「え?なんで?」
この子は、鈴木郁奈実、17歳だ。髪型はベリーショート。職種は忍者だ。そう!あの忍者!!きっと、あの手のスキルはすぐ覚えてくれそうだ。まぁ、こんな職種で異世界に憧れていたなら、帰りたくはないわな。兄上と呼びたいそうだ。まー、忍者が異世界っぽいかと聞かれたら、微妙と答えたくなるが、ちなみに4人中2位くらい。2位と3位は伯仲しているので、明確には分からない。何がとは言わない。ステータスはこんな感じ。
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カナミ・スズキ
Lv.1
HP 32/32
MP 28/28
SP 935
体力 28(+4)
攻撃力 27(+6)
器用さ 26(+8)
知力 20(+8)
敏捷性 30(+3)
生命力 16(+4)
精神力 19(+7)
回避 25(+2)
防御力 15(+2)
魔法防御 10(+7)
運 15(+29)
【職種】忍者Lv.1
【スキル】短剣術Lv.1、忍術Lv.1
【魔法属性】土属性Lv.3、火属性Lv.3、無属性Lv.4、生活属性Lv.5
【固有スキル】異世界言語Lv.3、属性遁Lv.3
【固有魔法】なし
【称号】異世界からの召喚者、ユズルの奴隷
【加護】転移神の加護
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※( )は謙譲の固有スキル「王の器」による加算。
「あー、言ってなかったが、鑑定スキルがあるから職種は言わなくても知ってたんだ。」
「太田殿と同じでござるか」
こいつのキャラ作りは、放っておこう。太田って誰だろう?残念5人衆の1人かな?「鑑定」持ってるやついたし。
「あー、場外に出た奴の持ってたスキルより上位スキルだよ。偽装も効かないやつだ。あいつのSLvだと、隠蔽偽装Lv.4以上には鑑定不可だし。」
「あのー」
「なんだい?ユリエ」
「えへへ。なんか、嬉しいな。あ、そうじゃなくて、ステータス見せてくれませんか?」
「んー、誰かが来るかもしれないところで、隠蔽偽装は解きたくないかな?」
「街に入って、ややや宿をとととと取ったら、見せてくれますか?」
なぜ吃る?
「条件次第かな?」
「えっと、お兄様は、その、私たちの、その・・・」
サツキが真っ赤になって俯いてしまった。何か恥ずかしい事を言っただろうか?国外に出ても一緒にいるか、そこで別れるかを条件にするつもりだが、そこまでは言っていない。とりあえず、助け船を出すべきか?そぉっと、サツキの頭に手を置き、優しく撫でながら、聞いてみる。
「どうした?サツキ」
「あ、お兄様。」
「条件と言っても、難しいものじゃないよ?後で聞くつもりだけど、サツキの決めたことに怒りはしないから」
「も、勿論、私の初めてを貰って頂きたいとは思いますが、すぐには、決心出来なくて・・・」
はぁ?
初めてと言った?!
何?え?
えぇぇぇぇぇえ?!
《マスター、常時発動スキルの「親愛度・忠誠度上昇極大」の影響だと思いますよ。ずっと、ONのままなので、親愛度はMaxです》
あ!
《4人ともMaxになってますので、奴隷から解放すると嫌がるかもですよ》
マヂか
ちょっと聞いてみよう
「城外に出る都合で、奴隷の主人を俺にしたが、城外に出たので、外そうか」
「嫌です!」
「嫌ですわ!」
「イヤ!」
「拒否するでござる」
1人ブレないのがいるが
マジか〜
そんな事に「お願い」を使った事はなかったが
ON/OFF切り替えしなかったのは、俺の失敗だ
その責任は取るとしよう
「分かった。ずっと一緒だ。宿を取ったら、ステータスを見せるよ」
4人はほっとしたようだが、色々と悪い事に使えそうな組み合わせな気がしている謙譲であった。まぁ、自重する気は、無いけどね。
自己紹介も終わり、テーブルや椅子を土に戻すと、5人は再び、隣街を目指して歩き出した。ほとんど、何も装備していない間抜けな旅人であることも忘れて。