第3話 助ける?いや、対価はもらいますよ?
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この城の宝や金は全て奪いきった!勿論、へそくりみたいなの隠し金もだ。さすがに、悪趣味な皇族どもが描かれた絵画とか、裸婦像とか裸夫像とかはそのままだ。甲冑などは、宝物庫の中にあった物の方が立派だったので、それもそのままだ。
はて、俺は何しに来たんだっけ?
もう城から出ても良いのかな?
《マスター?若者たちを助けるのでは?》
おお!そうだった
宝探しに興じていた
本末転倒は良くないな
そんなノリツッコミをしながら、若者たちが集められている部屋に向かう。ところで、自分自身も17歳になっているので、彼らを「若者たち」と呼ぶのは不自然かもしれない。
現在、謙譲は、大変困っていた。この扉の奥にある部屋で召喚された者たちと皇族たちが話し合っているのだろうが、ここで扉を開けて入ると、おかしい事になる。どうしようかと、考えていると、謙譲が来た方向とは逆側から、いけ好かない感じの太っちょ貴族が現れた。「しまった遅れてしまった。皇帝陛下にまた嫌味を言われる」などと口走りながら、扉を開けて入っていく。流石、俺!運999は伊達じゃないぜ!
部屋に入ると如何にも謁見の間という感じの、豪奢な部屋だった。さっきの太っちょは宰相のようで、事務手続に明け暮れ、遅れたらしく、皇帝に嫌味を言われていた。
「さぁ、皆の者。状況は分かったかな?お前たちの能力は素晴らしいものだ!これからは、我々の為に、その力を存分に発揮するが良い!」
皇帝はそう言うと、皇族を連れて出て行く。ステータスの確認や奴隷である事の説明は終わったようだ。召喚された者たちの半数は、青い顔をしている。ただ、一部はニヤついている者と何もかもを諦めたような者とがいる。ニヤついている者は、小説によくある奴隷スタートの物語を思い浮かべ、ややチートな能力をもってどうにかしてやると思っているのかもしれない。もう一方の全てを諦めたような者たちが気にかかるが、今はまだ分からない。
全員助けない方がいいか?
一応、意思確認をしてから
次元神に送り返してもらおう
そう、次元神に仕事をしてもらうつもりの話は、召喚された者たちの帰還だ。ちなみに、謙譲は帰る気はない。色んな意味で、面白みを感じ始めていたからだ。自分の能力が確認できるのが面白い。色んなスキルをひょいひょいと覚えるのが面白い。新しい何かが既に始まっているようで、ワクワクしっぱなしなのだ。
太っちょ宰相が、今後の予定を説明していく。近衛隊長や宮廷魔術師だかの説明をつけ加えながら、午前中は座学、午後は武術訓練、夕食後就寝前2時間ほどを魔法の訓練とかなりハードだが、1ヶ月後には隣国に攻め入るらしくそれまでになんとかものになってもらうと宣った。
本日は、お昼に召喚されてこれまで3時間ほどステータス確認やら奴隷としての落とし込みやらを行なったので、今日の訓練は無しらしい。5人部屋を当てがわれているようで、近衛兵たちがスキルをもとに分けていく。理系クラスなのだろうか?男子が多い。男子5班と女子3班の合計40人。皇城を出て、傍にある兵士宿舎での寝泊まりらしい。とても質素な部屋だった。
さぁ、行動開始だ
謙譲も彼らについていく。まずは、リーダーらしい男子が班長の部屋だ。一様に皆暗い。「帰れないらしい」とか「俺死んじゃうよ」とか「なんでこんな目に」とか愚痴を言っている。誰かが奮起しようというような感じではない。
謙譲は、ペンダントの力を使って、1人1人に声をかけていく。帰りたいかどうかの意思確認だ。謙譲は、「次元神の使い」を名乗り、以下のことを聞いていく。
・帰りたいかどうか
・帰る場合、スキルを失う
・帰る時までは、ここで待機
全員がスキルを失っても帰りたいと答えたので、スキルを奪う。ここには、魔法師系の子はいなかったようで、手に入ったユニークスキルは以下の通り。重複するとスキル経験値が増えるようで、いくつかSLvが上がっていった。
固有スキル「体力強化Lv.3」
固有スキル「攻撃力強化Lv.2〔10/20〕」
固有スキル「敏捷性強化Lv.1」
固有スキル「生命力強化Lv.3〔20/30〕」
固有スキル「回避強化Lv.2」
固有スキル「カリスマ」
固有スキル「完全無効」
固有スキル「完全反射」
固有スキル「魅力Lv.3」
固有スキル「精力Lv.3」
勇者に必要か?と思しき固有スキルをもっている者もいた。それどころか触れたくないスキルもある。一旦、忘れよう。うん、それがいい。まだ5人だ。サクサクすす進もう。スキルの説明は最後にしよう。
次の部屋も男どもの部屋だ。女の子の部屋は後回し。本当なら10歳くらい年下の子たちだ。そんなところに行くのは気後れする。勿論、男どもは別だ。しかし、いつでも合流できるようにしたいのか、男どもの部屋は半開きだ。入りやすくてよろしい。この部屋の者たちも最初の部屋の男どものと同じ回答だった。勿論、スキルは奪う。
サクサク進み、男どもの部屋は終了する。なんと帰りたくない、奴隷のままでもいいという強者がいやがった。しかも2人。奴隷からは解放されたいが、帰るつもりは無いというのが3人。しかも、5人とも微妙な固有スキルしかない。最初の2人は「夜の王(日が沈んでから、翌日の朝日が昇るまでの間、全ステータスが150%になる。)」とか「満月の王(満月の夜は、全ステータスが200%になる。)」何になるつもりだと言いたい。吸血鬼ですか?狼男ですか?残りの3人は「鑑定」と「相場完全把握」と「魔道具作成Lv.1」をそれぞれ持っていた。3人で商売でも始めるんですか?1人で持っていればかなりの豪商になれるだろうが、3人だと本当に微妙だ。
奴隷解放を望む者たちは、固有魔法「契約魔法」で奴隷から解放し、数ヶ月は生活できるだけの金銭を渡して、空間魔法で街中に繋げ、出て行ってもらった。念の為、兵士に見つかると連れ戻される可能性がある為、国外に出る事は提案しておいた。
まぁ、男どもの事はこれでおしまい
さて、女の子の部屋だが、別棟にあるわけではなさそうだ。一応、女兵士もいるようで、2階に上がると、女子部屋がある。建物自体は3棟あり、新築・改築されたばかりの新棟は既存の兵士たちが使うようで、この古びた今にも倒れそうな棟には既存兵はいなかった。
そおっと扉を開け、中を覗く。別に着替えを覗くつもりはない。「全生物感知」で分かっている事だが、それぞれ椅子やベッドに座るか死んだように動かない状態である事は分かっている。だが、様式美があるだろう!女の子の部屋には、覗くように入った方が楽しいし。
まぁ、冗談はともかく
ここでも同じように聞いていく。15人中11人は帰りたい、残り4人は帰らなくてもいい。帰りたい理由は予想のつく範囲だったので、省略する。帰らなくてもいいという子たちが問題だった。1人は家族がいないので、帰る理由がない。1人は家族はいるが、DVに怯える日々で帰りたくない。1人は学校でのイジメが辛いので帰らなくてもいい。1人は異世界に憧れていたので帰りたくない。ちなみに奴隷を受け入れているというか、世の中こんなものだと諦めている子がいる。誰とは言わないが。
出来れば帰してあげたいが、望んでいないようだし、一旦保留にする。帰りたい子たちは最初に訪れた男どもの部屋へ移動。帰りたくない子たちは、最後に行った女の子の部屋に合流してもらって待機してもらう。
さて、彼らを地球に帰そうか。
最初に訪れた男どもの部屋へ移動した。それにしても、誰も監視してないとは、この国の危機管理もザルである。まぁ、奴隷契約の中に「逃亡不可」が入っているのかもしれないが。
もともと10人部屋だった様で5人だと余裕があったが、流石に男女混合31人+αでは狭く感じる。それでも、なんとか入ってもらった。「本当に帰れるの?」とか「このまま殺されるのでは?」とか聞こえるが無視する。そのままの状態で、次元神にコンタクトを取る。ちなみに、この時点で31人は奴隷から解放してある。
次元神さま?
『仕事か?』
はい、奴隷からは解放済みです
固有スキルや固有魔法などはすでにありません
『さすが、「強慾なる者」よな。まぁ、いいじゃろ。それで?』
はい、この者たちを元の世界に帰してください
『全員いないようじゃが?』
希望者だけです
『残りたいと?!』
見てたんじゃないんですか?
『あ、いや、部下の報告を聞いていたからの。まぁ、良いわ。そのままの時間とかに帰すと、諸問題があるのでな、ちょいと時間をずらして、違う場所で発見されるように手配しよう。』
お願いします
『でわの』
31人は光に包まれ、消えて行った。ちなみに奪った固有スキルや魔法はこんな感じ。
固有スキル「体力強化Lv.4」
体力の値3倍になる。
固有スキル「攻撃力強化Lv.4〔20/40〕」
攻撃力の値3倍になる。
固有スキル「器用さ強化Lv.4〔30/40」
器用さの値3倍になる。
固有スキル「知力強化Lv.5」
知力の値3.5倍になる。
固有スキル「敏捷性強化Lv.4〔10/40〕」
敏捷性の値3倍になる。
固有スキル「生命力強化Lv.5〔10/50〕」
生命力の値3.5倍になる。
固有スキル「精神力強化Lv.4」
精神力の値3倍になる。
固有スキル「回避強化Lv.3〔20/30〕」
回避の値2.5倍になる。
固有スキル「防御力強化Lv.5〔20/50〕」
防御力の値3.5になる。
固有スキル「魔法防御強化Lv.4」
魔法防御の値3倍になる。
固有スキル「運倍増Lv.2」
運の値3倍になる。
固有スキル「カリスマ」
仲間や民衆を惹きつける能力。勇者や英雄がよく持っている。スキル「統率」があるとパーティ戦や軍団戦で相乗効果を持つ。
固有スキル「完全無効」
あらゆる攻撃・状態異常を無効にするスキル。毒無効など27種の無効スキルをLv.10まで上げると手に入る。
固有スキル「完全反射」
あらゆる攻撃・状態異常を相手に反射するスキル。毒反射など27種の反射スキルをLv.10まで上げると手に入る。
固有スキル「魅力Lv.3」
魅力値が15倍になる。
固有スキル「精力強化Lv.3」
性的な肉体関係者が50人を超えると獲得する。精力値が15倍になる。
固有スキル「消費MP減少Lv.3」
消費MPが70%になる。
固有スキル「完全耐性」
あらゆる攻撃・状態異常に対して耐性を持つスキル。毒耐性など27種の耐性スキルをLv.10まで上げると手に入る。
固有スキル「完全耐性突破」
全ての攻撃耐性・状態異常耐性を突破するスキル。毒耐性突破など27種の耐性突破スキルをLv.10まで上げると手に入る。
固有スキル「完全無効突破」
全ての攻撃無効・状態異常無効を突破するスキル。毒無効突破など27種の無効突破スキルをLv.10まで上げると手に入る。
固有スキル「新商品開発100%」
適正原材料を把握し、適正使用量を把握する事で、新商品開発が100%成功する。ただし、適正な生産系スキルとSLvが必要。
固有スキル「複数魔法属性付与」
アイテムや装備品に属性魔法を複数付与することが可能。
固有スキル「希望等級魔法属性付与」
アイテムや装備品に神級以下の属性魔法を付与することが可能。
固有スキル「アイテム作成EX」
素材の品質によって、作成するアイテムの等級が調整できるようになる。失敗はしない。
固有スキル「魔道具作成EX」
素材の品質によって、作成する魔道具の等級が調整できるようになる。失敗はしない。
固有スキル「大地豊穣」
住んでいる地域の領民の生産量や採掘採取量が25%増量する。
固有スキル「鉱物精製EX」
素材の品質によって、鉱物精製時の等級が調整できるようになる。
固有スキル「武器防具作成EX」
素材の品質によって、武器防具作成時の等級が調整できるようになる。一般級や粗悪品は出来ない。
固有スキル「武器防具創造」
必要な鉱物・必要な素材の適切な量と適正なランクを把握し、魔力によって、想像した武器防具を完成される。等級は伝説級以上になる。
固有スキル「消費スキルポイント減少Lv.2」
SLvアップの際、消費するSPが80%になる。小数点以下は繰上げ。スキルLv.2までは消費なし。獲得は減少しない。
固有スキル「恐怖の対象」
自身よりレベルが低い者はもちろん、自身よりLv.25高いものまで、威圧により、屈伏させる。
固有スキル「属性撃」
弓士ユニーク「属性射」と槍士ユニーク「属性槍」が統合して出来たユニークスキル。適性のある魔法属性を付与した攻撃。武器、職種は問わない。
固有スキル「状態異常撃」
弓士ユニーク「状態異常射」と槍士ユニーク「状態異常槍」が統合して出来たユニークスキル。状態異常をランダムに付与する攻撃。武器、職種は問わない。ただし、相手に耐性があり、使用者に耐性突破が無い場合、レジストされる。相手に無効スキルがあり、使用者に無効突破が無い場合は効果がない。隷属効果を付与した場合、魔物・獣はテイムされ、人種・龍種などは隷属する。
固有スキル「絶対統率」
軍を率いる者または、冒険パーティを率いるものである場合、仲間の士気が100%で維持される。接敵の恐怖が無くなり、気分が高揚する。
固有スキル「弱点必中」
敵の弱点に必ず攻撃を当てる。
固有スキル「無限連射」
矢(弾)が尽きるまで、無限に連射する。
固有スキル「精霊視」
精霊の力を感じ、精霊を見たり、精霊と話すことができるようになる。
固有スキル「魔法無効」
自身に不都合な魔法効果を無効化する。
固有スキル「魔法無効突破」
魔法無効を突破し、相手に魔法の効果を与える。
固有スキル「広域魔法拡大Lv.1」
エリアヒールやストーム系魔法のような広域魔法の及ぼす範囲を拡大する。村1つ分の範囲が有効。このスキルがない場合は、30人が入る教室程度。
固有スキル「親愛度・忠誠度上昇極大」
自身と肉体的に接触している者、自身の傍にいる者、自身と話している者の親愛度または忠誠度を1分あたり4増加させる。両方上がる場合もある。
固有スキル「指導力強化Lv.3」
指導力値が15倍になる。
固有魔法「結界魔法」
周囲に結界をはり、絶対防御に徹することが出来る魔法。
固有魔法「精霊魔法」
精霊の力をかりて、MPの消費無しに、魔法が使えるようになる。ただし、固有スキル「精霊視」が無いと、何の効果も無い。
固有魔法「召喚魔法」
眷属、魔獣、神獣、精霊などを召喚する事が出来る魔法。
固有魔法「破壊魔法」
破壊不能な物でも、何でも破壊できる魔法。固有スキル「広域魔法拡大」と組み合わせると、SLvによっては、星も破壊できるかも?!
固有魔法「封印魔法」
魔王や邪神、禁呪、呪われたアイテムなどを封印出来る魔法。ただし、あらゆる条件により、必ずしも成功するとは限らない。
固有魔法「自然魔法」
自然を再生させたり、樹々を癒すことの出来る魔法。
固有魔法「神聖魔法」
神や聖なる者たちが使う魔法。奇跡の担い手と成り得る。
固有魔法「重力魔法」
重力を操作出来る魔法。
幾つかのスキルの影響で、今までステータスに表示されていなかった能力が現れた。触れたくない能力が1つあるので、簡単に言うとそれらの能力は100ずつ増えたようだ。まだ、Lv.1だからこれから増えていくのだろう。ちなみに、スキルの影響で1500ずつなのだが。