第2話 スキル獲得が楽しい
ちょっと短め3500字くらいかな?
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そこは厳かな空間、ではなく、牢獄のような部屋だった。ちょっと、遅れて召喚されたようで、その部屋には誰もいなかった。
時間停止してたんじゃ?
まぁ、いい
ドジっ子女神だったという事にしよう
次元神の部下らしいし
女神か天使だろうし
さて、この部屋は何だろう。そもそも、こんな牢獄のような部屋に転移させられるとは思わなかったのだが?周囲を見渡すと、上と下に文字を散りばめたような円形の陣が施されている。
まず、足元の円陣を読む。「異世界言語」が仕事をしているようだ。古代サルサリア文字で、「次元の壁を越えて、10代の若者を召喚する為の魔法陣」と書いてあることが分かった。この古代サルサリア文字とは、現在は使われていない文字で、古代王朝サルサリアの時代に使われていたようだ。現在は統一言語を使っているらしい。
そして、上の円陣を眺めて、眉をひそめた。こちらにも古代サルサリア文字で書かれている。「魔法陣の影響下にある者を、キーワードを唱えることで、隷属させる為の魔法陣」とあった。つまりは、召喚された者たちを奴隷にしたようだ。まー、よくある物語の一つという事か。
うーむ
どうしようかね
こういう場合って、戦争に使われるのがオチだよな
哀れな若者を助け、悪は懲らしめる
《あー、すいません。次元を渡ったせいか。願い事の対価が魂ではなくなったみたいです。つまり魂は奪えません。願い事に関しては、SPを消費してある程度出来るようですが》
なんと!?
まー、いいや
色んなスキルを試してみよう
あ、加護も確認しないとなぁ
なんとかなるだろ〜
とりあえず、此処を出なければなるまい。牢獄ようなと称した理由の一つは、目の前にある鉄格子だ。すごく広い部屋に鉄格子がきっちり嵌っており、入り口は施錠されている。鉄格子に仕掛けがないか、探ってみる。力を感じる訳でも、仕掛けがある訳でも無さげだ。まぁ、鍵穴は反対側にあるので、正確ではないが。まずは「夢幻の鍵」で確認する。
紫色の水晶で見た、「夢幻の鍵」の説明は、
『神の御業または魔法により施錠されたもの以外の全ての扉や金庫、宝箱を開ける。夢幻は「無限」にも通じる。』であった。魔力というものを感じる事が出来ないが、これで開かなければ、もう一方の「神魔の鍵」を使えばいい。そして、開かない場合は、魔力を感じる為の何かがあるのかもしれないので、じっくり調べればいいだろう。どうせ、今は召喚したばかりの若者たちに何か説明やら奴隷になった事への対応やらに追われて、ここには戻ってくる気配はないのだし。
色々考えていた事が虚しくなるくらい。鉄格子の入り口は「夢幻の鍵」であっさり空いてしまった。「もっとしっかり締めとけよ」とか思うのは、理不尽だろうか?
さて、次はこの部屋の扉だ。周りに誰かいるかもしれない。扉に耳を当て、周りを探る。
【スキル「気配察知Lv.1」を獲得しました。】
またもや、「スキル獲得率EX」がいい仕事をしている。やや遠いが人の気配がする。「スキル獲得率Lv.1」の説明は、『通常の生物よりも5%ほどスキル獲得率が高くなる』であり、SLvは1〜10、10でも50%高くなるなのだが、EXになると『行動や思考によってほぼ100%の確率でスキルを獲得する。ただし、感知系などのスキルによっては感知しないと獲得出来ない。』となるのだ。まさにチートである。まぁ、SPを利用すれば、手に入る可能性もあるのだが、今は時間が勿体無い。
やや遠いということは、周りには誰もいないのだろう。一応、隠蔽偽装や隠れているものがいないかを「全生物感知」と「地図作成」を使って調べてみよう。
うむ。
地図作成は出来ないと
実際見ないとダメなのかな?
この部屋は出来ているので、たぶんそうだろう
建物の外枠は分かるなぁ
限界が分かっているだけでも良しとしよう
固有スキル「全生物感知」で分かったことは、建物の中に約300人くらいの生物がいる事。周りには、誰もいない事。数人単位で、うろうろしている人がいる事だ。思考の中の表示では、たぶん人だろう者には、人種としか分からない。それ以外の生物は「???」と付いている。大体は、何らかの動植物のようだが、一つ気になるのは、「人種?」とあるものだ。それも後で確認しよう。
気配を消すように、忍び足で、ゆっくりと扉を開けてゆく。
【スキル「隠形Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「忍び足Lv.1」を獲得しました。】
お?面白いスキルだ
じっと隠れたらどうなるの?
【スキル「潜伏Lv.1を獲得しました。】
声を変えてみたりしたら?
【スキル「声色Lv.1」を獲得しました。】
ほぉほぉ
変装とか出来るのかな?
【スキル「変装Lv.1」を獲得しました。】
んー、何に向かって成長してるのかしら
隠し部屋見つけたり、宝箱見つけたり、暗躍したり、暗殺したり、忍術を使ったり?
【スキル「隠し部屋発見Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「宝箱発見Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「暗躍Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「暗殺Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「忍術Lv.1」を獲得しました。これにより、職業選択肢に「忍者」が含まれます。】
冗談だったのに・・・
考えただけでそうなんだった
そうだ、この辺りの空間を把握しな
【スキル「空間把握Lv.1」を獲得しました。】
考えてる途中!!
食い気味にスキル獲得ってどうなの?!
並列思考でもして
【スキル「並列思考Lv.1」を獲得しました。】
るの?ってぇ!!
多重思考気
【スキル「並列思考」は、スキル「多重思考Lv.1」に進化しました。】
味ってぇ!!
食い気味だっつーの!!
『いやー、楽しくてのぉ』
誰?!
『加護にあるじゃろ?わしゃ、次元神じゃよ』
ふぁ?!
『加護を得たら、見られてると思わねばいかんよ』
見られてると言うより
考えてる事がバレてるって言うんじゃ?
『そうとも言う。』
え?
じゃあ、他の神にも?
『上位神がOKすればの』
ならあんたが上位神か?
『そうじゃ』
何で見てんの?
『何となくの』
あんた暇なんかい!!
『い、いやー、い、忙しいよぉ』
部下に全てを任せて
暇を持て余してると見た
『ぐ、何故それを』
あの女の人真面目そうだったからね
『ちゃんと仕事してるわい!』
ほぉ、じゃ後で頼み事するから
よろしく次元神さまぁ
『し、仕方ないのぉ、お前さんを優遇してるわけじゃないんだからね。仕事してるとこ、見せるだけなんだから。』
爺口調のツンデレとか、誰得よ
しかもツンしかなかった
い、いや、デレも要らないぞ!!
『ちぇ』
あぶな〜
じゃ、また後で
『じゃあの』
さて、加護の確認も図らずも出来たし、召喚勇者たちを探しますか。「全生物感知」によると、5〜60人固まって、動かない所がある。たぶん、そこが当たりだろう。しかし、違うと面倒だから、一応、別の場所も探してみよう。さっき手に入れた「隠形」と「忍び足」を使いながら、スタスタ歩いていく。途中、メイドさんたちとすれ違うが、ぶつからないようにさっと避ける。ぶつかってバレたら面倒だし。
お!隠し部屋発見!!
なんだ、書庫か
裏帳簿もあるな
禁呪魔法書の類もあるようだ
固有スキル「無限収納」を試してみるか
固有スキル「無限収納」は、便利だった。最初は、「無限収納」、「無限収納」と考えながら書物を突っ込んでいたのだが、手をかざして収納とか出来ないかな?と思ったら出来てしまった。なので、何も考えず、書庫の本全てを収納してしまった。書庫の奥に別の部屋に続く扉を発見した。
罠とかないといいな
【スキル「罠発見Lv.1」を獲得しました。】
なんで、罠あるの?
解除できるかな?
【スキル「罠解除Lv.1」を獲得しました。】
「夢幻の鍵」では開かなかった。魔法で締められているようだ。魔力の流れを見てみる。扉をみているつもりが、自分の中の魔力を見つめていたようだ。ちょっと、動かしてみようかな?
【スキル「魔力感知Lv.1」を獲得しました。】
【スキル「魔力操作Lv.1」を獲得しました。】
うむ
そうじゃない
なかなか難しいな
仕方ないので、固有スキル「神魔の鍵」を使用する。サクッと空いてしまった。そこの部屋には誰もいないことを確認していた。その部屋は宝物庫のようだ。お金もたんまりある。
「異世界人を隷属召喚するような国だ。貰っちゃえ。」という考えのもと、「無限収納(インベントリ」で全てを収納する。勿論、珍しい金属で出来ている棚も何もかもを。50畳ほどのガランとした部屋が出来上がった。
宝物庫の本来の出入口に向かうと、人の気配がある。2人ほど不動である。門番のようだ。さすがに、ここから出るとバレるだろうから、仕方なく、書庫に回り廊下に出た。
ちなみに、牢獄のような部屋から出た時、「地図作成」が起動し、部屋の中以外の廊下部分は全て記録されている。現在は、「全生物感知」と連動させて、隠し部屋や宝箱探しに邁進しているのだ。
せっかく手に入れたスキルは確認しないとね!