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俺の呪いが効かないだと!?  作者: 優憂
プロローグ
3/3

プロローグ3

俺は混乱しすぎると人って一周回って冷静になるんだなぁっていうのを身を持って体感した。


「・・・つまり俺は、本来なら今日の帰り道で結婚するはずの女性と出会うはずが、その女性に恋をしてしまった神に殺される筈だったけれど死なず、死んだ事に気付いてなかった脳内ボイス(神)さんに死ぬ運命だと定められて殺されるはずだったけれどそれでも死ななかった。筈がエコノミー症候群で死んだと」


自分で頭の中にある話を纏めつつ声に出して今日の出来事を口に出す。

目の前の綺麗な女性がすぅう、っと大きく息を吸うと、ふっかぶかと大きなため息を吐き出し、頷く。


『・・・貴方が何故神々の力によって死ななかったかは正直私には解りません。』


『ですが、実際貴方は今こうして死んでここに居ます。』


『・・・私はそれだけで、何かもういいです。』


最後の投げやりの一言で目の前の脳内ボイス(神)だった女性に対しての怒りが薄れ、寧ろ何だかちょっと可愛く感じてきた。

そう思うと、再度良くその脳内ボイス(神)さんの容姿を確認したくなった。

綺麗な銀色の長い髪はポニテで綺麗にまとめてあり、その服装は丸で大事なところだけ隠せればいいやというくらい扇情的な格好で、その下に隠されたボディは全体的にスレンダー。

特に胸が控えめなのがポイント高め。

顔は切れ長であろうその眼は閉じられていたが、鼻筋はすっと綺麗に通っていて、薄いピンク色の小さな唇から小さなため息が顕現される。

こんな綺麗なお姉さんなら殺されてもいいやと本気で思う。

少しずついつもの調子を取り戻してきた俺はその綺麗な脳内ボイス(神)様に出会えただけでもう死んだ事はもうどうでもよくなってきた。


「それで俺はこれからどうすればいいんです?」


『・・・はぁ本来なら死んだ後でテレパシー送ってぱぱっと終わる筈だったのに、どうしてこんなことに・・・。』


こんな綺麗な女性神様にお手を煩わせてしまった自分がとても情けない。

俺は土下座をした。


『え!?』


「大変申し訳ない・・・」


『あ、いえ、あの、えっと・・・。』


頭上から美しい声がうろたえる声が降り注ぐ。


『あ、あの、顔を上げてください!』


その一言で俺は即座に顔を上げる。

そのご尊顔を見ることを許されるのであればずっと見ていたいからだ。


『え、ええっと、ですね・・・。』


女神様のその閉じられた瞼が可愛い。


『と、とにかく再度説明しましょう・・・。』


そうして話された内容を簡単に要約すると、

異世界に転生するか、普通にまた地球で転生するかの二択。

先ほど生きてたまではどうせ幻聴か何かだと思っていたから無視していたけれど

今は考えるまでもなく即答で答えられる。


「異世界に転生したいです!!」


『そうおっしゃられると思って居ました。』


慌てて声を荒げる女神様も可愛いけれど、やっぱり淡々と話す脳内ボイス(神)状態の女神様も凛としていて美しい。


『そちらをお選びということで、こちらの都合もございますので何か特典等をお付けしたいと思います。』


「そういえばそんな話もありましたね・・・」


『世界を揺るがすような大きな力等は授けれませんが大抵の事はお引き受け出来ますよ。』


俺はその女神様の一言で俺は一つ小さな頃からの夢を思い出していた。

魔法が、使ってみたい。


「あの、女神様、その異世界では魔法みたいな力はありますか?」


『ええ、寧ろ魔法が主体として成り立ってる世界でして、小さな子供からご老人まで魔法の強さは異なりますが使える様な世界になってますよ。』


そうなったら俺の願いは一つ。


「魔法を上手く扱える能力が欲しいです!」


『はい、受諾しました。では貴方へ授ける力は「大魔法の才能」と致します。』


俺は大きくガッツポーズを決める。

現代の知識を持って、更に魔法も扱える能力。

これで俺はチート使いとして最強になれる。

毎日のように読んでいたラノベの主人公のようになれる。

それだけで俺は嬉しさのあまり天にも昇れそうだ。

既に死んでるんですけどね。


『それでは転生の準備に入ります。』


「はい!」


女神様が椅子から立ち上がり俺の前まで歩み寄るとその白磁のような肌を持った手を俺にかざす。


『準備はよろしいですか?』


「はい!」


『では。まずはあちらの世界への転生の為に。』


「はい!」


『記憶の消去から始めます。』


「はい!・・・え?」


『記憶消去開始。』


「え、ちょ、まっ!」


『消去完了。』


俺はそこで意識を無くした。







『さて、記憶消去も完了、転生先の指定も完了しましたし、これで心おきなく向こうに送れますね。』


私は目の前の彼だった魂を右手に乗せる。


『最高神ではないとはいえ、運命神である私の力や反転の神としての彼の力をモノともしなかった貴方は。』


私はその彼の魂を優しく撫で、唇を落とす。


《運命神の加護を入手しました。》


『あちらの世界で、どんな運命を紡ぎだすのでしょうね。楽しみです。』


私はこの短時間の間で彼に対して感じた様々な思いをその加護に込め、異世界へと優しく送り出す。


『よき旅路を。』







『・・・ゆるさねえ・・・ゆるさねえ・・・。』


《大魔法の才能が反転、呪術師の落第者の加護に変化しました。》

《運命神の加護が反転、最悪な運命の加護に変化しました。》


『くっくっく・・・はーっはっはっはああああ!!あ、が、ぁっ』


『・・・。』







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