たまたますごいもの拾ってしまった
「おい、ロキお前自分が何をしたのかわかっているのか?」
「あーわかってるさ、俺は面白いことが大好きなんだよ
たとえそれが悪いことであったとしてもね、それに神様方全員やってることだろ?俺は堂々としてるだけであんたたちは隠れてやってる、大丈夫だよ、俺は人間に深入りしたりはしない
あのチビバクとは違う」
僕の名前は天崎翔
男、14歳、右利き、A型、住んでいる場所は愛知県、好きなスポーツは野球、好きな食べ物はカレーライス、肉、嫌いな食べ物は、野菜全般、などなど
これが僕のプロフィールである
自己紹介する時に使うものである
だけど僕は自分のことを紹介する時に全てを紹介しろと言われても全てが何か分からない、全てが何か分からないというよりも
全てを話せばどれだけの時間がかかるかわからないという方が
正確なのかもしれない
そして全てを話すということは個人情報が筒抜けということになる
人は普通他人の全てを知ろうとは思わないし、自分の全てを教えようとは思わない
他人の全てを知ろうとする人間は、その人のことをめちゃくちゃに愛しているのだろう
自分の全てを教えようとする人間は、自分にめちゃくちゃに自信がある人間なのであろう
そんなことをする人間は一般人から見てめちゃくちゃにめちゃくちゃなのである
でも人間は、何か些細な出来事でめちゃくちゃになることができる
それを僕は自分の肌で感じることになる
いやもしかしたらもう感じているのかもしれない
「おーい、天崎」
「おーおはようハム太郎」
「ハム太郎って、もうちょっと普通に呼べないか?」
「んーわかった、じゃあハムちゃんで」
こいつは俺の友達、葉村宗太、ハム太郎だ
運動神経が抜群でイケメンである
唯一の欠点は頭が悪いというくらいだが、そんなのは欠点ではなくチャームポイントに変えるくらいの顔と運動神経である
「おはよう、宗太、翔」
「ハム太郎の嫁じゃん、おはよう」
「なに言ってるんだよ、天崎」
「おはようみんな」
「今日もかっこいいね、田中さんは
僕にもそのかっこよさをわけてほしいくらいだよ」
「・・・・・」
ハム太郎の嫁、愛川愛夢にクールガール田中未来
愛川愛夢も田中未来も顔が整っている
つまりかわいいのである
いつも大体4人で学校に登校するのだが、俺は正直4人でいるとういてしまう
美男美女の中にザ・普通が一人まじるとやはりういてしまう
「翔、その前に落ちてるの携帯か?」
「・・・・ん?これ携帯?見ない形だな」
「まぁ学校の帰りにでも警察に届けなさいよ?」
「はいはい、田中さんの言うとおりにいたしますよ」
しかしこの携帯、アプリが1つしか入ってない
《ゼウス》とかかれたアプリ1つ
電話帳もなければ、アドレス帳もない
もしかして持ってたら危ない携帯じゃないよな?
「じゃあ次の(2)の問題を天崎やってみろ」
「・・・・・」
「天崎、聞いてるか?天崎!」
「はっ!はい」
「聞いてたか、(2)の問題だ」
「わ、わかりません」
「ボーッとせずにちゃんと聞いてろよ」
人間の集中力なんかそんな長く続くかよ、悔しかったら生徒が集中できるように、面白い話の1つや2つ用意してみろよクズ教師が!
おっと素が出てしまった、いかんいかん
まぁ暇潰しに今日朝拾った携帯でもいじりますか
《ゼウス》というアプリが気になってしょうがない
もし危ないアプリでもいざとなったら捨てればいいし・・・・
まぁなんでも挑戦するのが僕の長所、唯一の長所なので、
ポチッとな
僕の年齢と性別、名前の入力をしてようやく使えるらしい
《検索したいワードを入力してください、詳細に検索いたします》
検索アプリなのか?
じゃあ詳細にって言うし人の名前でも入力してみますか
これで何も出てこなければ、ただの検索アプリだ
数学教師の名前、今まさに黒板の前に立っているあいつの名前
黒田源也、私立美春高校、数学教師、
これで出てくるだろう、まぁあやしそうな携帯だし変な期待はしている
ポチッ
検索1件ヒット、すごいな1件って
黒田源也、46歳、性別は男、血液型はA型、住所は愛知県〇〇市
〇〇町3652-12、携帯電話の番号〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
家の固定電話の電話番号□□□□-□□-□□□□
好きな食べ物はピザ、嫌いな食べ物はトマト
嫌いなもの学校の生徒
この世で一番好きなものは金、
4人家族で、妻と子供二人
妻の名前、黒田優32歳、子供二人の名前、長女の名前が黒田美羽13歳、その弟の名前が黒田信也10歳
しかしそんな家庭がありながら黒田源也は不倫している
相手は美春高校の国語教師、有田飛鳥27歳
年収は600万円程度、副業で闇金狩りをしている
闇金に黒田源也の存在が見つかれば何もかも終わるであろう
闇金の名は赤澤金融
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・などなど
いやこんな長い自己紹介はいらない
最後まで読む気にもならない、ほとんどが叩けばほこりが出てくる内容、犯罪がらみ、この学校の数学教師が犯罪者?
ていうかこれが本当だとしたら僕はとんでもないおもちゃ手に入れてしまったのでは?
でも平凡な僕が顔も平凡、家庭も平凡なこの僕が幸せに生きるにはこれくらいすごいアイテムがないとダメなのかもしれない
よし何事にも挑戦だ
「先生ー!」
「なんだ、天崎?」
まぁまずはこのアプリに書いてある内容が本当なのか調べてみますか
「この前先生と国語の有田先生が一緒に歩いてるのを見たんですけどどんな関係なんですか?」
もちろん嘘なのだがこの一言で十分だった
目の前に立っている先生の反応を見れば分かる
明らかに動揺していた
「どんな関係もないよ、ただ一緒に帰ってただけだ」
「へーそんなに汗かいて話さなくてもいいですよ先生
僕は先生をいじめたいわけじゃないので」
明らかに挑発的だった、だけど先生はそんな態度に腹をたてる余裕がなかったのだろう
ただ汗をかいて黙ってしまった
僕はこの時人の追い込まれる姿を見てはじめて幸せを感じた
僕は人の全てを知れば幸せになれるのだと思ってしまった
僕は変態なのであろうか、いやたぶん僕はめちゃくちゃな人間なのであろう