5話 ---剣教許可---
朝食後
「皆さん。通常業務で手の空いた者は、キャルフの実剥きをお願いします。ドコデ。執務室まで付き添いをお願いします。」
昨日買ってきたキャルフの実を剥いて種だけにして、天日干しを指示する。
父上には昨日のうちに面会許可を貰っている。
反対された場合の説得も何パターンかシュミレートしている。
さて、剣術の訓練許可をもぎ取ろうぞ。
「ん。許可しよう。」
…
…
なんであっさり?
でもないか。苦渋の顔だ。
「昨日のうちに団長から話は聞いておる。」
爺さんが前もって説得してくれてたのか。
「しかし、本当に良いのか。今からでも取り消し間に合うぞ。」
本当は許可したくないらしい。
まあ、聞いている訓練内容から、若干の不安はあるが。
「ところで、ファルシオンの方から許可申請ありましたか?」
「ああ。アマリアーヌから懇願されたわ。『あのファルシオンが妾のために』と感極まってのう。落ち着かせるのに苦労したぞ。」
あの説得方は上手くいったらしいな。
「『動きやすい格好をして修練所に来るように』と団長から言付かっておる。まぁその、なんだ。お前の事だから大丈夫だと思うが。気をつけて頑張れ。」
「はい、父上。」




