4話 ---宿酔回復---
痛たたたたっ。
久方ぶりに痛飲してしもうたわい。
こんな青い顔で団員の前に出るなど示しがつかぬのう。
教会まで行って『癒し』の魔法に頼るか?
いや、
こんな朝早くから、やってはくれぬか。
そういえばアヤツ。言っておったのう。
「二日酔いには、水よりも果樹水を飲む方が効果的です。確証はないのですが、右わき腹に強化術を集中すれば効果があるかもしれません。」
本来なら全身強化とする強化術を部分的に。それもあまり筋肉のついていない所に何の意味があるのやら。
まあ、物は試しじゃ
…
あまり変化はないのう。
もう少し休んでから起きるかの。
…
…おや?
痛みがなくなっておる。
ほんのひと眠りしただけなのじゃが。
…
強化術のおかげかのぅ?
ったく。酒も飲めない幼子が、二日酔いの対処を知っているなど、宝玉の効果はすさまじいのぅ。
主が儂に守を頼むわけじゃ。
(護衛は、儂が進言した形になっておるが、前もって相談受けておっての小芝居じゃ)
楽隠居を「良し」とせず主の誘いに乗ってここに来たのは正解じゃった。
鍛えがいのある部下がいて、おのれの鍛錬もできる。
さらには、(仮)孫まで出来た。
アヤツを鍛えるついでに、強くなるための新しい発見があるかもしれぬしの。
何にせよ、楽しみが増えたわい。




