2話 ---穀物市場---
「ふーん、これがド麦でこっちがデ麦か」
粉になっていない状態は初めて見る。
小麦に似ているが、デ麦は若干丸い。
デ麦はどこでも育つが、ド麦は土地が肥えていないと育たないと言うことだ。
ダ麦、ラ麦というのもあるが、これは北の方でよく栽培されているらしい。
ここでも意外なものを発見した。店のおじちゃんに聞いてみよう。
「おじちゃん、これはナニ?」
「これはコ麦っていうんだよ、坊ちゃん。粉にしてもパンには出来ないんだが、これを餌に混ぜると、豚がよく育つんだ。」
この姿、形。ってまんま米じゃん。
赤、黒、白が混ざってはいるが、ジャポニカ種だ。
精米が必要だが、コメの飯が食えそうだ。
「おじちゃん、これ3テリガルム分お願い。」
1000=1テリ
テリは『俺』の世界のkに相当する。
また平民(騎士兄さん)が運んでくれた。
「御爺様、彼(騎士兄さん)力持ちですね。」
「何の、あれくらい屁でもないわ。そんな軟な鍛え方しては居らぬ。行軍訓練時には10テリの荷物で丸1日移動も当たり前じゃからのう」
…?
あれ? 騎士団だよね? 傭兵部隊じゃないよね?
「なにを惚けておる? フルプレートじゃと5テリもある。 『馬乗り騎士。地上に降りたらただの木偶』じゃ困るじゃろう?」
騎士姉さん達は「うんうん」とうなずいている。
…剣術指南のお願いは、早まったのかもしれない…




