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オプティカルマジック  作者: 愉魅夢
家族集合
68/613

6話 ---絵札推当---

お茶も進み、落ち着いた頃、父は執務室に帰って行った。

本当の貴族は優雅とはかけ離れた忙しさなのだ。


「ヒロにぃ。次は何する?」

「カード当てしようか?」


こちらでもトランプに似たカードがあり絵柄は、剣、盾、槍、弓 だ。

もちろん、神経衰弱と同じ遊び方もあるが、僕はこれをESPカードに見立て、魔力訓練ゲームとした。


まずはエースカード4枚から1枚選んで場に臥せる。

そのカードの絵柄を思い浮かべながら魔力をひねり出す。

「僕の選んだカードはな~んだ?」

と言いながら魔力をハルに手渡す。

ハルは受け取った魔力を吸収しながら思案する。

「剣」

「ピンポーン!正解!」

「ヤッター! 次、ボクいくよ。ボクのえらんだかーどはな~んだ?」

ハルは赤い魔力を渡してくる。

流れてくるイメージは長い物。

えっと、『刺す』?

「槍?」

「ぴんぽーん。せいかい。」




魔力を使うには、才能ときっかけが必要となる。

僕の場合は、秘宝と医師診断時の魔力だ。

普通は、洗礼時の儀式がきっかけになり、それ以降で扱いを学んでいくのだろうが、自分も含め3歳から鍛えるとどうなるか?

このゲームは、その極秘研究の一環である。


と、このゲームを考える前に専属達と魔力の受け渡し実験をしたことがある。その受け渡し効率は

赤の他人⇒1割

属性一致⇒2割

姉妹⇒3割

もちろんサンプル数が少ないので絶対ではないと思うが。

ただ、ここに『僕⇔』『ドコデ⇔モドア』は含まれていない。

この場合はほぼ100%だった。

ドコデモドア兄弟は解るが、僕は『光』だからだろうか?


ここに兄弟の魔力パスの考えを加え魔力にイメージを付与して渡すことを考えた。

先のカードを使っての正解率は

赤の他人⇒2割強

属性一致⇒5割

姉妹⇒5割

である。

ただ、回数とともに正解率も上昇傾向にある。今現在

赤の他人⇒4割

属性一致⇒7割

姉妹⇒7割

じき100%になるか?


魔力受け渡し時に『僕の選んだカードはな~んだ?』ということで子供の遊びっぽくして、ハルに試したところ、僕⇒ハルでは9割だった。

ハルに魔力感受性があることは確認できた。

が、ハルから魔力を受け渡されることはなかった。


「ヒロにぃ。なんであてられないのぉ?」


なんか、小馬鹿にし始めたな。

いっちょシメちゃろか?とも思ったが、僕は兄である。こんなことで怒ってはいけない。


「ハル。僕はハルに当ててもらおうと思いを詰めて『僕の選んだカードはな~んだ?』って渡しているのに、ハルからのは思いが詰まってないよ。もっと思いを込めて渡してくれないとわかんないよ。」

「おもい、こめてるもん。ヒロにぃがうけとれないだけだもん…」

ちょっと自信なくなってきたのかな?


「ハル。僕が『思い』を渡したときどう感じた?」

「なんか、あたたかいものが、てからしみこんでくかんじぃ?」

「じゃ、その『温かい物』を集めなおして、僕に渡し返してくれないか?」

自分がやった丹田収束法を教え…

「ヒロにぃ。なんかあたたかいもの、でた」

いや。その言い方だと、お漏らししたように聞こえるぞ。




今ではハル⇒僕の正解率は7割だ。

3割は、イメージの混濁。

剣と槍なんて『長い物』のイメージしかない場合判断に困る。

最近やっと『切る』『刺す』のイメージが付加され始めたところだ。

もちろん 僕⇒ハル の正解率は100%にできるが、また増長するといけないので調整して7割に抑えている。


やっていることは魔力制御訓練なのだが、魔力が見えなければ、子供の遊びにしか見えない。



「バーバラーヤや。あれは何をしているのかや?」

「アマリアーヌ様。『カード当て』という遊びにございます。」

「で、どちらが勝っているのかや?」

「この遊びはお互いの思いをくみ取る遊びにございます。そこに勝ち負けはございません。」

「勝ち負けの無い遊びとは面妖な。しかし、見ているとなごむのぉ。」

「御意にございます」

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