2話 ---侍従鏡演---
義母上を筆頭に皆からの白い目。
ハルだけは今か今かとワクワクしている。
とりあえず父も椅子に座ってもらって
「ゴホン。父上、義母上。まずは見て下さい。『侍従の鏡』開幕です。」
幕が上がるとそこは、大きな鏡のある部屋。
その部屋にドコデが入ってくると、おもむろに身だしなみを整え始めた
「…?。当家にあんな大きな鏡あったかな?」
「…?。あの鏡、あの大きさ。いくらするのかぇ。妾も欲しい…」
お辞儀の練習。笑顔の確認。
御付き外出であろうか、上着を取り、帽子をかぶる。と動きが[ぶれた]。
「「???鏡の動きが……遅れた???」」
ドコデも違和感を感じたようだ。いろんな動きをするが問題はない。が安心すると動きが[ぶれる]ため、また確認のため動く。
最後には帽子を鏡に向かって投げると、帽子は鏡に吸い込まれ、鏡の帽子はこっちに飛んできた。
それを受け取ったドコデは首をひねって思案するがそこへ、ベルの音。
[あっ]とした顔で、ドコデは慌てて、部屋を出て行った。
閉幕
…
…
…
「「フィロルウェイン!あの鏡、どどどこで手に入れた(のかぇ)。儂/妾も欲しいぞ(ぇ)」」
アレが、魔法の鏡に見えたのか、見事な食いつきようである。
「ヒロにぃ、すごうぃ。すごくおもしろかった」
ハルが平常運転でホッとするなぁ。




