12話 ---魔法検証---
観察結果より---
魔力とは、意思により操作できるエネルギーである。
魔力は、対象物と認識した「モノ」を動かすことができる。
魔力は、熱エネルギー、光エネルギーへ変換できる。
---とする。
ものは試しだ。
イメージは「ライター」
ガーリィの『チャッカ』の魔力動作をなぞってみる
フィンガースナップが火打石で、親指からガス(魔力)を放出
[パチン!]
…
…
…
『火』(魔力を燃やすという概念)はできなかった。
『火』とは気体の酸化による発光現象と発熱現象だ。ならば
いつもの光塊を球ではなく揺らぐ形で手のひらから出してみる。
波長は 赤色~遠赤外線 で 指向(思考)を与えると。
[ボッ!]
成功だ。
発火音は、魔力を遠赤化した際に一部が膨張熱に変化し小爆発音となったのだろう。
「えっ?ヒロ様って『火』魔法も使えるんですか?」
こらこらイリス。びっくりしたからって不用意に主の前で声を上げてはいけないよ。
まあ、いいけど…
「イリス。これは『光』魔法で炎を再現しただけで『火』魔法じゃないよ。」
「なぁるほイテテテテテテテ…」
ラーヤに耳つかまれて控室に行ってしまった。(説教コースへゴアンナ~イ!)
この『炎』。暖かいがあくまで『光』なので手をかざしても熱くない。
これで火はつけられないが、この光を、点になるまで収束していくと…
…
ちょっと、シャレにならない状態になりかけたのでやめた。
ある程度収束すれば鉄も溶かせそうだ。
次のイメージは「螺旋○」(某忍者の得意技だ)
球状にチャクラ(魔力)を乱回転
その魔力をそのまま気体分子に乗せると…
…
…
…
発光後、魔力が霧散した。
多少の空気の動きはあった様だが、さっきの[ボッ!]のように光変換時の副次的な物であろう。
解ってはいたが『光』以外の物は扱えないらしい。
「テッカ」や「ミテル」、「フールド」「ドラマル」の時のように、水分子や空気分子(主に窒素)は認識できている。
おそらく各分子(または原子)内にある魔力を感知しているのであろう。
しかしそれにどう自分の魔力を反応させれば操れるか解らない。
『雷』については、電子は光子に近い性質を持つから『光』操作で応用できないだろうか?
ベティの[ビリッ!]なら身体強化術でできそうな気もするが、身体強化術自身、まだ見たことがないので何とも言いようがない。
ただ、疑似的に『火』は再現できる。
再現はできるが非効率ではある。
火をつけるなら光を収束させればいいし、温めるなら 遠赤外線で十分だ。わざわざ『火』を可視光で作る必要はない。
実際に魔法をこの目で見ることで、魔法への理解度が少し深まったと思う。
各属性検証は置いといて、まずは『光』魔法を極める事が大事か。




