5話 ---酒宴終宴---
ライル殿をお誘いして正解だったようだ。
私たちは、酒の味、合うアテの話が中心だったのだが、ライル殿から、
「このお酒は、北部の地域の方の好まれる味ですね。」
「これは、隣国のレーベル王国に輸出すると売れるかもしれません。」
「この酒には、この干し肉よりガルド帝国産の干し肉が合いますよ。」
と、恐縮しながらも出てくる新しい意見に、我らは感心していたのだった。
ロス殿は新しい販路についての意見を出し、ゼフは国を挙げての貿易を検討し、と、酒を主軸にいろんな話ができて楽しい時間であった。
「いかがでしたかライル殿」
「リアス殿。ロス殿も、へ…ゼフ殿も。大変有意義な時間をありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそ貴重な意見が効けて楽しかったですよ。」
「そうじゃぞ。地域での嗜好の違いなど思いつきもせんかったことじゃ。感謝する。」
「そんなもったいないお言葉…」
「ライル殿、もう我らは酒飲み仲間です。また次の機会にお誘いしてもいいですか。」
まだ恐縮気味ではあるが、今日はかなり打ち解けてくれたと思う。
「…はい。ぜひともお願いします。」
なんにせよ、次の機会が楽しみだ。




