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3話 ---殿下登場---
「ヒロよ、この人だかりはなんであるか?」
「ルル兄!」
ルゼ姉やほかの令嬢を伴ってルル兄が来てくれた。
助かった。
「「「「「「ルーシフェル殿下!」」」」」」
皆、その場で直立不動となり首を垂れた。
「皆の者。今日は子息、令嬢の社交の場である。そう畏まらなくてもよい。」
そうは言ってもルル兄は王子様だ。そう簡単に割り切れるものではない。
「イスカレル嬢も久しぶりであるの。ルゼも合うのが久しぶりであろう。」
「はい、ルル様。」
「さすれば、ほかの皆とあちらで話をしてくるがよい。」
「ありがとうございますルル様。では失礼いたします。」
「「「「失礼いたします。」」」」
令嬢一団はテーブル席へ向かっていった。
「して、其方がヨルークか?」
「はい殿下、このたび、ドゥーブル子爵家の養子となりました、ヨルーク=ドゥーブルともうします。」
「うむ、其方とは話をしたいと思っておった。あちらで話をしようぞ。ヒロ、ハルも付き合え。」
「はい、殿下。」
「「わかった、ルル兄」」
僕らがテーブル席に向かった後には、子息達が取り残されたのだった。
 




