1話 ---茶会会場---
「で、なんで今回もウチでやるんですか?」
「ミレニー様の指示なのです。逆らえるとお思いですか?」
「…無理ですね…」
今回のお茶会は、若い子のお披露目茶会だ。
洗礼後~成人前後の貴族の子が全員参加となっている。
義母上達は『お茶会』をしているが、御子達は『社交パーティ』の予行演習的な様相だ。
「お久しぶりです。フィロルウェイン様、ファルシオン様。」
「おひさしぶりです。イスカレルお姉さま」
「お久しぶりです。イスカレルお姉様。でそちらの方は?」
「新たに私の義弟となったヨルーク君ですわ。」
「ヨルーク=ドゥーブルといいます。いごお見しりおきを。」
ドゥーブル卿が引き取ったと聞いている子か。
アクダイ候の嫡男と聞いてはいるが、なんとも礼儀正しい。
(事情があって養子縁組した場合、元の経歴は問わないのがマナーとされている)
ローレント家のベル兄と比べると雲泥の差だ。
「フィロルウェイン=ルーフィンといいます。こちらは義弟のファルシオンです。」
「ファルシオン=ルーフィンです。よろしくお願いします。「御家の子爵への陞爵、おめでとうございます。」」
洗礼後の子息限定のはずなのだがなぜ僕らがこの場にいるかって?
「ホスト役よろしくね。」
王妃様のせいである。




