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5話 ---分割領地---
「ドゥーブル卿にはこのエリアを治めてもらおうと思っています。」
係の物から示されたエリアは、元候の領地のほぼ半分に当たる。
「そんなに多くはいただけませんよ。」
そんなにもらっては他2家に悪い。
「ドゥーブル卿。私はこの4分の1で十分ですよ。ここに山があるでしょう。山を越えての管理は難しくなりますからね。」
「ブルド卿。」
「それに今まで、この山からの水に税がかけられていたんです。それが無くなっただけでも大きいですしね。」
「ドゥーブル卿。我も異存なし」
「シェィパー卿まで。」
「こちら側は優良な牧草地なり。草を買う必要無しとなるならば良き事かな。」
農業、牧畜に力を入れられている2家からすれば、アクダイ候との隣接地の一角がもらえるだけで益があるという。
「それに其方はアクダイ候の子息を預かったのだ。ならば、それなりの物を受け取る権利と義務がある、と我は思う。」
「判りました。シェィパー卿、ブルド卿、ありがとうございます。」
「礼には及ばぬ。」
「これからは、隣同士。仲良くやりましょう。」
「ええ。」




