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1話 ---裁判通知---
1月1日。いきなりではあるが貴族裁判の通知が来た。
この貴族裁判というもの。出席義務はないのだが、私には必ず出席するようにとの事が書かれてあった。
急遽、ではあるが昼からなら何とか都合は付くだろう。
そういえば今朝方、アクダイ侯爵が捕まったと聞いたが、私は候とは繋がりはなかったはず。
確かに、領地が隣同士だったが故か、候から傘下に入るよう打診は受けてはいたが、大恩あるルーフィン公との繋がりを切る気はないので断り続けていたのだが…
「あなたが身に覚えのない事でしたら心配することはございません。陛下にも何か考えのあっての事でしょう。」
妻からの言に、改めて思いなおす。私には何のやましいことはないのだ。
「そうだな。行ってくる。」
「行ってらっしゃいませ。あなた。」




