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8話 ---明朝凱旋---
「ヒロ様。起きておられますか。」
「起きてるよ、ラーヤ。どうしたんです。」
「もうじきルーシフェル殿下がお戻りになられます。」
時間的には夜半前には決着がついていたようだが、事後処理に時間がかかったんだろう。
時間は…5時前くらいかな? まだまだ暗い。
「よくルル兄が返ってくるのが判ったね。」
「先ほど先触れが参られましたので。」
さすがに『侍女の嗜み』では無かったか。
目も覚めたことだし、出迎えるとしよう。
「ルーシフェル殿下。初任務、ご苦労様でした。」
「ルル兄、お帰り。」
「ルーフィン公、ヒロ、出迎え御苦労である。」
ルル兄はかなり疲れている様子だ。
初任務ってこともあるのだろうけど、夜間行軍なんて初めてだったんだろう。
「ルル兄。湯を沸かしてあるから、さっぱりしてくるといいよ。」
「うむ、気が利いているではないか。いただくとしよう。そうである、ヒロも一緒にどうだ。」
寝起きなので汚れているわけでは無いが、たまには朝風呂もいいだろう。
「うん、一緒に入るよ。」




